●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.139.1:1 ~ W-pI.139.12:4

Lesson 139



I will accept Atonement for myself.
  • accept [əksépt]: 「受け入れる、承認する」
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
❖ "I will accept ~ "「私は、私自身のために贖罪を受け入れようと思う」。神の子は、神から分離したことを神への裏切りと感じ、罪の意識を覚える。これが罪の原型である。罪の意識は、神の報復に対する恐れを生み出し、これが恐れの原型となる。神の子は分離によって生じた罪と罰を覆い隠すために幻想の世界を構築し、自己を乖離してエゴを生む。もちろん、これは罪と罰の原型であって、あなた自身がその責任を負う必要はない。しかし、あなたがエゴを信奉し、この幻想世界に生きている限り、罪の原型から派生する数々の罪の意識から逃れることは難しい。罪の意識が生み出した夢を見ているからだ。そこで、あなたが心に抱いている罪は単なる夢に過ぎないと認識し、夢を赦して解放してしまうことが求められる。こうしてあなたは夢から目覚め、幻想に過ぎない罪は消滅する。罪は滅ぼされるのだ。これが、ACIMの言う『贖罪』である。



1. Here is the end of choice. For here we come to a decision to accept ourselves as God created us. 
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • decision [disíʒən] : 「決定、決断、決心」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "Here is the ~ "「ここに、選択の終わりがある」。あなたが最終的に贖罪を選択することで、一連の選択は終了する。"For here we ~ "「なぜなら、ここで私達は、神が私達を創造したままの自分自身を受け入れる決断に至るからだ」。贖罪によって幻想の罪が消滅すると、あなたはまったく罪のない無辜(むこ)なる自分自身を知ることになる。無辜なるあなたは、神が創造したままの神の子そのものだ。神の子であることを受け入れるための一連の選択と決断は、これで終了する。



And what is choice except uncertainty of what we are? There is no doubt that is not rooted here. 
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • uncertainty [ʌnsə́ːrtnti] : 「確信のないこと、不確実なこと」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑、懸念」
  • root [rúːt] : 「〜を植え付ける、根付かせる」
❖ "And what is ~ "「そして、本当の私達は何であるか、その不確かさを除けば、いったい選択とは何であるか」。本当の自分が何であるか不確かだからこそ、それを知るために一連の選択を行ってきた。自分が無辜なる神の子であると知った今、もはや選択する意味も必要もはなくなる。"There is no ~ "ここは二重否定、「不確かさに根ざしていない疑いなど存在しない」。本当の自分が何であるか不確かだからこそ、あれこれと疑いが生じてくる。無辜なる自分を知った今、罪があるかないかと、疑いを抱く必要はない。生きているか生きていないか、そんな疑いも抱く必要はない。



There is no question but reflects this one. There is no conflict that does not entail the single, simple question, "What am I?"
  • question [kwéstʃən] : 「質問、疑問、問い、問題」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、摩擦、葛藤、軋轢」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • simple [símpl] : 「簡素な、易しい、難しくない」
❖ "There is no ~ "「疑いはこのことだけを反映しており、その他の疑いは存在しない」。不確かさだけが疑いを生むのであって、疑いは自分の不確かさを反映している。"There is no ~ "「たった一つの単純な疑問、『私は何であるか』という疑問を引き起こすことがないような葛藤はない」。本当の自分は何であるかという疑問があるうちは、心の中に葛藤を生み出す。心の中のエゴがあなたを惑わせ、混乱させ、苦と痛みを与えるのである。贖罪によってあなたがエゴを消滅させ、ホーリー・スピリットと一体となった今、あなたは迷うこともコンフリクトを起こすこともない。



2. Yet who could ask this question except one who has refused to recognize himself?
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • refuse [rifjúːz] : 「断る、拒否する、拒絶する」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、受け入れる」
❖ "Yet who could ~ "「しかし、自分自身を認識することを拒絶する者以外に、いったい誰がこんな疑問を発するだろうか」。コンフリクトに明け暮れして本当の自分を見失い、しかも知ることを拒絶する者だけが"What am I?"という疑問を発する。疑問を発するが、知ることを拒否しているから、いつまでもコンフリクトに振り回される。



Only refusal to accept yourself could make the question seem to be sincere. 
  • refusal [rifjúːzl] : 「拒絶、拒否」
  • accept [əksépt]: 「受け入れる、承認する」
  • sincere [sinsíər] : 「誠実な、正直な」
❖ "Only refusal to ~ "「あなた自身を受け入れることを拒否することだけが、疑問をいかにも誠実なもののように見せかける」。この世で苦と痛みを感じる自分自身は本当の自分ではないと、あなたはうすうす感じている。そこで、『本当の自分は何なのか』と疑問を発するのだが、しかし、あなたは無辜なる神の子だという解答が与えられても、それを受け入れる心の準備は出来ていない。疑問を発するだけでその場に止まり、疑問が誠実なものであることに満足してしまう。



The only thing that can be surely known by any living thing is what it is. 
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、確かに、確実に」
❖ "The only thing ~ "「どんな生き物にとっても確実に知り得る唯一のことは、それが何であるかということだ」。自己同定が生き物の最低限の知である。最低限の知であるが、むしろ、それだけで十分である。



From this one point of certainty, it looks on other things as certain as itself.
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
  • look on : 「〜を見る」
❖ "From this one ~ "「このような確実性の観点から、生き物は他の生き物を、自分自身と同じくらいの確実性をもって見る」。確実な自己同定の基に、他者の確実な同定が可能となる。つまり、あなたは神の子であるという確実な自己同定が出来れば、他者もまたあなたと同一の神の子であると確実に同定することが出来る。自己一如が確実に理解出来る。あるいは、自分は無辜なのだと確信が持てれば、他者もまた無辜なのだと確実に受け入れることが出来る。



3. Uncertainty about what you must be is self-deception on a scale so vast, its magnitude can hardly be conceived. 
  • deception [disépʃən] : 「騙すこと、嘘、ごまかし」
  • scale [skéil] : 「規模、程度」
  • on a scale : 「〜の規模で」
  • vast [vάːst] : 「広大な、非常に広い、巨大な」
  • magnitude [mǽgnətjùːd] : 「規模、大きさ重要性 」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
  • conceive [kənsíːv] : 「思い付く、心に描く」
❖ "Uncertainty about ~ "「本当のあなたは何であるはずなのか、それに関して確信がないことは、規模の大きな自己欺瞞である」。"its magnitude ~ "「その規模は計り知ることが出来ない」。あなたは神が創造した完全、完璧な無辜なる神の子だという確信がない限り、あなたの自己欺瞞は続く。つまり、エゴの描く自己像が本当の自分だと信じてしまうのだ。たとえば、この世で成功し、支配力と富を得て名声を馳せることが自己実現だと信じてしまう。



To be alive and not to know yourself is to believe that you are really dead. 
  • alive [əláiv] : 「生きていて、活動して」
❖ "To be alive ~ "「生きていて、なおあなた自身を知らないでいることは、実際は死んでいると信じていることだ」。自分自身を知らなければ、肉体は生きているが、心は死んだ状態にあると思い込んでいる。しかし、心と命は一体であって、自分自身を知らないでいても、あなたに命がある以上、心は死ぬことはない。あなたの実存の根源には神の子としての命と心があるのであって、それ以外の自分自身を知ることがなければ死んだも同然だと思うことは自己欺瞞である。



For what is life except to be yourself, and what but you can be alive instead? Who is the doubter? What is it he doubts? Whom does he question? Who can answer him?
  • instead [instéd] : 「代わりに、そうしないで」
❖ "For what is ~ "「と言うのも、あなた自身であること以外の命とは何であろうか」。あなが命として生きている限り、それがあなた自身なのだ。"and what but ~ "「あなた以外に、あなたに代わって誰が生きることが出来るだろうか」。あなた自身の命を、他の誰かが生きることは不可能だ。"Who is the ~ "「誰が疑う者だろうか」。"What is it ~ "「彼は何を疑っているだろう」。"Whom does ~ "「誰に疑問をぶつけているだろう」。"Who can answer ~ "「誰が彼に答えるだろう」。あなたの命と心が見るべき方向性を誤って、生きていることを疑い、疑問だらけの迷路に迷い込んでいるのだ。



4. He merely states that he is not himself, and therefore, being something else, becomes a questioner of what that something is. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • state [stéit] : 「述べる、はっきり言う」
❖ "He merely ~ "「彼は単に、自分は本当の自分自身ではないと述べ、」"and therefore ~ "「したがって、他の何かであるはずだと思い、その何かとは何なのか、それを問いかける者となる」。本当の自分は、その心であり命であるにもかかわらず、自分以外の場所に本当の自分を求めてしまう。



Yet he could never be alive at all unless he knew the answer. If he asks as if he does not know, it merely shows he does not want to be the thing he is. 
  • at all : 「全く〜ない、少しも〜ない」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • as if : 「あたかも〜かのように、〜と言わぬばかりに」
❖ "Yet he could ~ "「しかし彼は、答を知らない限り、生きることがまったく出来ない」。本当の自分自身は何なのか、それを知らない限り、本当に生きているという実感はもてないし、本当に生きてもいないと思い込んでいる。"If he asks as ~ "「もし彼が、知らない振りをして尋ねるなら、それは単に、本当の彼になりたいとは望んでいないことを示してるだけだ」。自分には命と心があるという答えを知りながら、知らない振りをして、本当の自分とは何なのかと尋ねたなら、それは、本当の自分になりたいと特別に望んでいるわけではないことを示しているだけだ。答えを知っているのだから、そもそも問いかける必要はない。



He has accepted it because he lives; has judged against it and denied its worth, and has decided that he does not know the only certainty by which he lives.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値」
  • decide [disáid] : 「決定する、決心する、決意する」
❖ "He has accepted ~ "「彼は生きているので、それを受け入れてきた」。彼は生きているので、命と心という答えを受け入れてきたことは間違いない。しかし、"has judged ~ "「それに対抗して判断し、その価値を否定した来た」。命と心に反する判断を下し、つまり、命と心の実在性を否定し、幻想に過ぎない肉体の実在性を肯定してきた。"and has decided ~ "「そして、生きる拠(よ)り所となる確実性だけは知らないことにすると決めてきた」。生きることの確実な源は実在する命と心であるにもかかわらず、それをベールで覆い隠して知らないことにし、まったく別の場所に本当の自分を探そうとしてきたのだ。



5. Thus he becomes uncertain of his life, for what it is has been denied by him. 
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不安定な」
❖ "Thus he becomes ~ "「こうして彼は、彼の命に確信がもてなくなる」。命の実在性に確信できなくなる。"for what it ~ "「なぜなら、命とは何なのか、彼はそれを否定したからだ」。本当の命なるものを否定し、肉体の存続が命であると思い込み、死をもって命は終わると信じてきた。



It is for this denial that you need Atonement. Your denial made no change in what you are.
  • denial [dináiəl] : 「否定、拒否、拒絶、否認」
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
  • make no change : 「変化を起こさない」
❖ "It is for this ~ "「あなたに贖罪が必要なのは、この否定のためである」。命の否定は誤りであり、幻想である。それを取り消しにする贖罪が必要だ。"Your denial ~ "「あなたの否定は、本当のあなたを変えることはなかった」。あなたがどんなに命という真実を否定しても、本当のあなたは実相的な命として生きている事実を変えることはなかった。幻想が実相に変化を与えることは不可能なのだ。夜見る夢の中で、あなたは肉体をもって生き、そして死んだとしても、夢から目覚めたあなたに何の変化があるだろう。その目覚めが、すなわち贖罪である。



But you have split your mind into what knows and does not know the truth.
  • split [splít] : 「〜を割る、〜を分割する、裂く」
❖ "But you have ~ "「しかしあなたは、あなたの心を、真実を知っている心と真実を知らない心とに分割してしまった」。真実を幻想で覆い隠すエゴの支配する心の部分と、真実の命を生きるホーリー・スピリットの宿る心の部分に分割した。



You are yourself. There is no doubt of this. And yet you doubt it. But you do not ask what part of you can really doubt yourself.
  • doubt [dáut] : 「〜を疑問に思う、疑う、信じない」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
❖ "You are ~ "「あなたは、あなた自身である」。あなたはエゴに支配された幻想のあなたではなく、幻想を贖罪で取り消しにした後のあなた自身である。"There is no ~ "「これにまったく疑いがない」。"And yet you ~ "「しかし、あなたはまだ疑っている」。"But you do ~ "「しかし、あなたは、あなたのどの部分があなた自身を実際に疑うことが出来るのか、尋ねるこはない」。真実に対して疑いの目を向けるエゴの存在に気付かず、問いかけることもない。



It cannot really be a part of you that asks this question. For it asks of one who knows the answer.
  • ask of : 「〜に要求する」
❖ "It cannot really ~ "「(疑いをもって)こんな疑問を投げかけるのは、実際、あなたの一部ではあり得ない」。"For it asks ~ "「なぜなら、それは、答えを知っているあなたの心の部分に尋ねているのだからだ」。本当の命を知り、真実のすべてを知っているホーリー・スピリットが宿る心の部分こそ、あなた自身の心であって、それに対して疑いを抱き疑問を投げかける心の部分は、本当のあなたの心ではない。むしろ、エゴの催眠に掛けられた偽りの心だと言った方がいいかもしれない。
 非常にややこしい構造になっているように見えるだろうが、これが分離のもたらす混乱の一つである。もし、あなたがエゴと完全に同化してホーリー・スピリットを追放できたなら、幻想を現実だと信じ切って楽な生き方が出来るだろう。しかし、あなたは実相として心と命をもって生きている。その結果として、この幻想世界で生きて行くことが非常に困難に見えるのだ。だから、逆転させればいい。あなたがホーリー・スピリットと完全に同化してエゴを追放できたなら、あなたは本当の心と命をもって楽に生きて行けるのだ。



Were it part of you, then certainty would be impossible.
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない」
❖ "Were it part ~ "「もしそれがあなたの一部であったなら、そのときは、確実性は不可能なものとなる」。あなたの心のエゴ的部分が本当のあなたの心の一部だとしたら、命の確実性は不可能だ。幻想が実在するとしたら、真実は不可能だ。しかし、本当は違う。あなたの心は分裂などしておらず、完璧に一つの心として、実相の命をもって生きている。ただ、夢の中であなたは、その心をエゴという黒雲で覆い、あたかも黒雲が自分自身であるかのように錯覚しているだけだ。その黒雲を追い払い、本来の命として心を蘇らせる奇跡が贖罪なのである。



6. Atonement remedies the strange idea that it is possible to doubt yourself, and be unsure of what you really are.
  • remedy [rémədi] : 「改善する、修正する、治療する」
  • unsure [ʌnʃúər] : 「不確かな、確信のない、自信のない」
❖ "Atonement remedies ~ "「あなた自身を疑うことは可能であり、本当のあなたは何なのか確信がもてない、という奇妙な考えを贖罪が修正する」。



This is the depth of madness. Yet it is the universal question of the world.
  • depth [dépθ] : 「深いこと、強烈さ」
  • madness [mǽdnis] : 「狂気、熱狂、熱中」
  • universal [jùːnəvə́ːrsl] : 「全世界の、一般的な、普遍的な」
❖ "This is the ~ "「こんな考えは、狂気の深淵である」。"Yet it is ~ "「しかし、それはこの世界がもつ普遍的な疑問でもある」。本当の自分自身を失い、確信をもつことが出来ないという考えは深い幻想であるが、その幻想のもつ狂気はこの世に蔓延している。



What does this mean except the world is mad? Why share its madness in the sad belief that what is universal here is true?
  • mad [mǽd] : 「気が狂って、怒って」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
  • sad [sǽd] : 「悲しげな、悲しそうな」
❖ "What does this ~ "「この世界が狂っているという以外に、これは何を意味するだろうか」。"Why share its ~ "「この世界に蔓延しているものが真実であるとする悲しい信念を抱きながら、なぜその狂気は分かち合われるのだろうか」。世界自体が幻想であり、狂っているからだ。



7. Nothing the world believes is true. It is a place whose purpose is to be a home where those who claim they do not know themselves can come to question what it is they are.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • those who : 「〜する人々」
  • claim [kléim] : 「主張する、言い張る」
❖ "Nothing the ~ "「この世界が信じていることはすべて真実ではない」。"It is a place ~ "「この世界は、自分自身を知らないと主張する人々が本当の自分は何なのか問いかけるためにやって来るホームとすることを目的とした場所である」。エゴが人々の心を黒雲で覆い隠し、本当の自分自身を見失った人々が、まるで引き寄せられるかようにこの幻想世界に生まれ出る。あまりにもリアルに見える世界ではあるが、エゴがそんな人々を留め置こうとしてでっち上げた幻の世界である。



And they will come again until the time Atonement is accepted, and they learn it is impossible to doubt yourself, and not to be aware of what you are.
  • learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、分かる」
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、できない」
  • aware [əwέər] : 「気が付いて、承知して、知って」
❖ "And they will ~ "「贖罪が受け入れられ、あなた自身を疑ったりあなたは何なのか知らないでいることは不可能なのだと学ぶ時まで、彼らは何度でもこの世界に生まれ出て来る」。"they"と"you"が混在しているが、彼らはあなたであり、あなたは彼らだと思えばいい。
 余談であるが、ここの"will come again"を「生まれ出てくる」と訳したが、転生に特定しようとしたわけではない。ヘレンの回想には、転生を匂わせる夢や幻視に関する記述が所々に見受けられるが、彼女自身は輪廻転生を信じてはいなかった。イエス自身も輪廻転生は真実ではなく、幻想の続きだというスタンスをとっている。と言うのも、この世で肉体として生きるも夢、また肉体として死ぬも夢であり、したがって肉体としての輪廻転生もまた夢である。



8. Only acceptance can be asked of you, for what you are is certain. It is set forever in the holy Mind of God, and in your own.
  • acceptance [əkséptəns] : 「受け入れること、承認、容認」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、信頼できる」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Only acceptance ~ "「受け入れることだけが、あなたに求められている」。"for what you ~ "「なぜなら、本当のあなたは何であるか、それは確実なことであるからだ」。あなたが無辜なる神の子であることは確実な真実であるから、それを受け入れるだけでいい。"It is set forever ~ "「それは、神の神聖な心の中に、そしてあなた自身の心の中に永遠に刻まれている」。



It is so far beyond all doubt and question that to ask what it must be is all the proof you need to show that you believe the contradiction that you know not what you cannot fail to know.
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し」
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立、否定」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "It is so far ~ "「それは疑いや疑問を遙かに越えているので、」あなたが神の子であるという真実は疑問の余地のないことなので、"that to ask what ~ "「そうであることが確実なことを(疑問をもって)尋ねるのは、あなたがthat以下であることを示すのに十分な証拠である」。"that you believe ~ "「あなたが知り損ねることのないことを知らないというような矛盾を信じている」十分な証拠である。あなたは神の子であり、神の子以外ではなく、神の子以外にもなれない。存在する真実は唯一それだけだから、それを知り損ねることは不可能だ。それなのに、自分自身を知り得ないとして疑問を発することは、自己矛盾を自ら露呈しているようなものだ。



Is this a question, or a statement which denies itself in statement?
  • statement [stéitmənt] : 「発言すること、発言、意見」
❖ "Is this a ~ "「これは疑問と言えるだろうか」。"or a statement ~ "「あるいは、発言の中にその発言自体を否定している発言ではないだろうか」。たとえば、『私は考えることが出来ない』という発言は、そのように考えているのだから、発言が発言自体を否定している。それと同じように、知り損ねることの出来ないことを知り得ないと疑問を抱くことは自己矛盾である。



Let us not allow our holy minds to occupy themselves with senseless musings such as this.
  • allow [əláu] : 「許す、許可する」
  • occupy [άkjupài] : 「占領する、占拠する、塞ぐ」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、愚かな、無意味な」
  • musing [mjúːzìŋ] : 「物思い、沈思、黙想」
❖ "Let us not ~ "「このような意味のない思いで神聖な心自体を占領してしまうことを許さないようにしよう」。



9. We have a mission here. We did not come to reinforce the madness that we once believed in.
  • mission [míʃən] : 「任務、使命、目的、目標」
  • reinforce [rìːinfɔ́ːrs] : 「強化する、補強する、増強する」
  • madness [mǽdnis] : 「狂気、熱狂、熱中」
❖ "We have ~ "「ここに、私達の使命がある」。"We did not ~ "「私達は、以前信じていた狂気を強化するためにやって来たのではない」。



Let us not forget the goal that we accepted. It is more than just our happiness alone we came to gain.
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • accept [æksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
  • alone [əlóun] : 「独りで、独力で、単独で」
  • gain [ɡéin] : 「得る、獲得する」
❖ "Let us not ~ "「私達が受け入れた目的を忘れないようにしよう」。"It is more ~ "「私達が得ようとしてやって来た目的は、一人だけの幸せ以上のものである」。あなたは自分だけの幸せを求めてやって来たかもしれないが、得られる幸せはあなた一人に止(とど)まらない。



What we accept as what we are proclaims what everyone must be, along with us.
  • proclaim [proukléim] : 「公表する、宣言する」
  • along with : 「〜と一緒に、〜とともに、〜に加えて」
❖ "What we accept ~ "意訳する、「本当の私達の姿として私達が受け入れた内容は、私達に止まらず、すべての人達の姿もそうであるに違いないと宣言しているのだ」。私達が、自分は完全な無辜なる神の子であると受け入れることは、他者もまた同様に、完全な無辜なる神の子であると宣言していることになる。



Fail not your brothers, or you fail yourself. Look lovingly on them, that they may know that they are part of you, and you of them.
  • fail [féil] : 「〜を見捨てる、〜を裏切る」
  • lovingly [lʌ́viŋli] : 「愛情を込めて、優しく」
❖ "Fail not your ~ "「あなたの同胞を見捨ててはいけないし、あなた自身を見捨ててもいけない」。"Look lovingly ~ "「愛をもって彼らを見なさい」。"that they may ~ " ここの"that"は"so that"のこと、「そうすれば、彼らはあなたの一部であり、あなたも彼らの一部であると、彼らは知ることになるだろう」。愛に満ちた心の目で見れば、分離しているように見える他者とあなたは、本当は単一の神の子であると知ることが出来る。自他一如を受け入れることが可能なのだ。



10. This does Atonement teach, and demonstrates the Oneness of God's Son is unassailed by his belief he knows not what he is.
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、立証する、実演する」
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性」
  • unassailed [ʌ̀nəséild] : 「攻撃されていない」
❖ "This does ~ "「これを、贖罪が教えてくれる」。"and demonstrates ~ "「そして、神の子の単一性は、本当の自分が何なのか知らないとする信念によって攻撃されることはないのだと実証してくれる」。神の子はこの幻想世界の中で分離分裂してしまったかに見えるが、それは単なる夢であって、神の子が単一の存在であるという真実は永遠に不変である。そのことに気付かせてくれるのが贖罪。すなわち、贖罪によって幻想から実相に目覚めれば、神の子の単一性は自ずと明白になる。



Today accept Atonement, not to change reality, but merely to accept the truth about yourself, and go your way rejoicing in the endless Love of God.
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実のこと」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • rejoice [ridʒɔ́is] : 「うれしがる、喜ぶ、祝う」
❖ "Today accept ~ "「今日、贖罪を受け入れなさい」。"not to change ~ "「それは、現実を変えるのではなく、ただ単に、あなた自身についての真実を受け入れ、尽きることのない神の愛の中にあって、喜びに満ちたあなたの道を進むためなのだ」。



It is but this that we are asked to do. It is but this that we will do today.
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする」
❖ "It is but this ~ "「あなたがなすようにと求められているものは、ただこれだけだ」。"It is but this ~ "「今日、私達がなすことも、ただこれだけである」。



11. Five minutes in the morning and at night we will devote to dedicate our minds to our assignment for today.
  • devote [divóut] : 「充てる、向ける、専念させる」
  • dedicate [dédikèit] : 「〜をささげる、専念する、打ち込む」
  • assignment [əsáinmənt] : 「任務、割り当て、課題」
❖ "Five minutes ~ "「私達は、今日のために割り当てられた課題に心から打ち込むことに朝と晩の5分間を充てる」。



We start with this review of what our mission is:

        I will accept Atonement for myself,
        For I remain as God created me.
  • review [rivjúː] : 「復習、再考、再吟味、再調査」
  • mission [míʃən] : 「任務、使命、目的、目標」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
❖ "We start with ~ "「私達の使命は何なのか、私達はそれを吟味することから始める」。"I will accept ~ "「私は、私自身のために贖罪を受け入れようと思う」。"For I remain ~ "「なぜなら、私は神が創造したままの自分であるからだ」。



We have not lost the knowledge that God gave to us when He created us like Him.
  • lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、事実」
❖ "We have not ~ "「神が神に似せて私達を創造したとき、神が私達に与えてくれた叡智を、私達は失ってはいない」。叡智とは真実の総体である。神の子は、叡智も含めて、神の属性のすべてを継承した。忘れることがあっても、それを失うことは不可能である。なぜなら、それが神の子の存在そのものだからだ。



We can remember it for everyone, for in creation are all minds as one.
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "We can remember ~ "「私達はみんなのために叡智を思い出すことが出来る」。あなたが思い出せば、他者も思い出す。"for in creation ~ "「なぜなら、創造にあたって、すべての心は一つだったのだから」。現在形で書かれているが、今も変わらず一つだということを強調しているのだろう。自他一如は永遠不変の真実である。



And in our memory is the recall how dear our brothers are to us in truth, how much a part of us is every mind, how faithful they have really been to us, and how our Father's Love contains them all.
  • recall [rikɔ́ːl] : 「思い出すこと、想起」
  • dear [díər] : 「親愛な、いとしい、敬愛する」
  • faithful [féiθfəl] : 「信頼できる、誠実な」
  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」
❖ "And in our ~ "「そして、私達の思い出の中で、私達の同胞が本当にどんなにか私達にとっていとおしいものであるか、(彼らの)個々の心は私達のどんなに多くの部分となっているか、彼らは実際私達にどんなに誠実であったか、そして、父なる神の愛はどのように彼らすべてを包み込んでいるか、そういうことを思い返すのである」。



12. In thanks for all creation, in the Name of its Creator and His Oneness with all aspects of creation, we repeat our dedication to our cause today each hour, as we lay aside all thoughts that would distract us from our holy aim.
  • in thanks for : 「〜への感謝を込めて」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • in the name of : 「〜の名において」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • dedication [dèdikéiʃən] : 「献身、専念、熱心さ、専心」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、目的、目標」
  • lay aside : 「のけておく、捨てる、放棄する」
  • distract [distrǽkt] : 「そらす、〜の気を散らす」
  • distract someone from  : 「〜を〜に集中できなくさせる」
  • aim [éim] : 「目標、目的、的、標的」
❖ "In thanks for ~ "意訳する、「神によって創造された神の子すべてに感謝しながら、創造主である神の名において、また、神の子のあらゆる側面と神が一体であるという単一性の名において、私達は今日、私達の目標に専念することを1時間ごとに繰り返す」。"as we lay ~ "「同時に私達は、私達を神聖な目的から気をそらせようとする思いのすべてを放棄する」。神の名においてとか、単一性の名においてとは、それを旗印に気持ちを集中させてとか、勇気をもらって、といった意味合い。あなたの側には神がいるし、あなたと神は一体であるから、それを心の支えにして、目標達成のために専心するのである。




For several minutes let your mind be cleared of all the foolish cobwebs which the world would weave around the holy Son of God.
  • several [sévərəl] : 「数個の、いくつかの」
  • clear [klíər] : 「取り除く、一掃する、片付ける」
  • foolish [fúːliʃ] : 「愚かな、分別のない」
  • cobweb [kɑ́bwèb] : 「クモの巣、モヤモヤ」
  • weave [wíːv] : 「織る、編む、組み上げる」
❖ "For several ~ "「数分間、この世界が神聖な神の子の周りに作った愚かな蜘蛛の巣をすべてを取り除いて、あなたの心をきれいにしなさい」。この世界が作った数々の幻想、習慣、しきたり、常識、風習、決まり、法則、等々の蜘蛛の巣を払うのである。エゴの思考システムという蜘蛛の巣を取り除く。



And learn the fragile nature of the chains that seem to keep the knowledge of yourself apart from your awareness, as you say:

        I will accept Atonement for myself,
        For I remain as God created me.
  • fragile [frǽdʒəl] : 「脆弱な、壊れやすい、もろい」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • awareness [əwéərnəs] : 「自覚、気付いていること、意識性 」
❖ "And learn ~ "「そして、あなた自身の叡智をあなたの意識から遠ざけているかに見えた鎖が脆い性質をもっていることを学び、次のように言いなさい」。"I will accept ~ "「私は、私自身のために贖罪を受け入れようと思う」。"For I remain ~ "「なぜなら、私は神が創造したままの自分であるからだ」。






W-pI.138.1:1 ~ W-pI.138.12:6

Lesson 138



Heaven is the decision I must make.
  • decision [disíʒən] : 「決定、決断、決心」
❖ "Heaven is ~ "「天の王国は、私が決定しなくてはならない決断である」。天の王国とは神の住む実相世界のこと。この幻想世界を消滅させ、実相世界に回帰することを決断しなくてはならない。義務ではなく、あくまでも自由意志による選択によって、それを決定する。ただし、選択と言っても、幻想世界は非存在、実相世界は実在なので、本当は選択肢はたった一つしかない。例えて言うなら、絵に描いた餅を選ぶか、本物の餅を選ぶか、という選択になる。本当に餅を食べたいのなら、本物の餅を選ぶしかない。



1. In this world Heaven is a choice, because here we believe there are alternatives to choose between. 
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「取って代わるもの、代替手段」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • choose between : 「〜のどちらかを選ぶ、〜の中から選ぶ」
❖ "In this world ~ "「この世界におては、天の王国は選択肢の一つである」。"because here ~ "「なぜなら、ここでは、私達はどちらかを選ぶための代替物があると信じているからだ」。天の王国(実相世界)に替わるものとしてこの世(幻想世界)が、あるいはホーリー・スピリットに替わるものとしてエゴが選択できると信じられている。



We think that all things have an opposite, and what we want we choose. 
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」
❖ "We think that ~ "「私達は、すべてのものには正反対のものがあり、望むものを選択できると思っている」。神の子が神からの分離を象徴してこの幻想世界をでっち上げたのだから、この世界は二項対立する世界となった。善と悪、愛と憎悪、美と醜、喜びと悲しみ、等々、正反対のものが入り交じり、あなたはその中から選択して生きて行く。むしろ、それが可能だと信じている。



If Heaven exists there must be hell as well, for contradiction is the way we make what we perceive, and what we think is real.
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
  • hell [hél] : 「地獄、生き地獄」
  • as well : 「同じに、おまけに、その上」
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、不両立、反対」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
❖ "If Heaven exists ~ "「天の王国があるなら、同様に地獄もあるに違いない」と思っている。"for contradiction ~ "「なぜなら、対立は、私達が知覚するものや考えることをリアルに見せるやり方だからだ」。いわば、光に影を持ち込んで、立体感を出してリアルに見せようとするようなものだ。二項対立するものがダイナミックに変化流動して、圧倒的なリアルな世界を作り出すのである。それがこの世界であり、しかし、幻想だ。



2. Creation knows no opposite. But here is opposition part of being "real." 
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対、対立」
❖ "Creation knows ~ "「(神によって)創造されたものは、正反対のものを知らない」。実相世界は一元論の世界であり、分離を象徴する二元論世界とは異なって、対立概念がない。神が創造した神の子は、本来、愛は知っているが憎悪は知らない。喜びは知っているが、悲しみは知らない。"But here is ~ "意訳する、「しかし、この世界では、『現実的な』正反対の部分がある(かのように見える)」。この幻想世界にあっては、愛や喜びの正反対である憎悪や悲しみが実在しているかのように、圧倒的にリアルな現実を作り出している。対極的な概念が二項対立しながら変化流動し、ダイナミックな現実を作っていると知覚してしまうのだ。



It is this strange perception of the truth that makes the choice of Heaven seem to be the same as the relinquishment of hell. 
  • strange [stréindʒ] : 「奇妙な、変わった、変な」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • relinquishment [rilíŋkwiʃmənt] : 「放棄、断念」
❖ "It is this ~ "「天の王国を選択することが地獄を捨てることと同じようなものだと見てしまうのは、真実に対するこの奇妙な知覚である」。本当は、愛や喜びは実在する実相であり、憎悪や悲しみは実在しない幻想なのだが、この幻想世界で夢を見ているあなたの知覚はその両者がともに実在するものだと見てしまう。そこであなたは、憎悪や悲しみを捨てることと愛や喜びを選択するが同一だと考えてしまう。たとえば、病(地獄)が治れば、健康(天国)になれると思う。貧困(地獄)から抜け出せば、幸せ(天国)になれると思う。欠乏(地獄)をお金と物で満たせば、豊穣(天国)な生活が出来ると思う。



It is not really thus. Yet what is true in God's creation cannot enter here until it is reflected in some form the world can understand. 
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に立ち入る」
  • until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿」
❖ "It is not ~ "「本当は、そうではない」。"Yet what is ~ "「しかし、神の創造における真実は、世界が理解できる何らかの形で反映されない限り、この世界に入り込むことは出来ない」。神は真実である『想念』を創造するのであって、形あるもの、つまり『形態』を創り出すのではない。形態を作り出して、あたかもそれが存在しているかに知覚しているあなたは、神の創造した真実を『形態』を通して理解しようとする。



Truth cannot come where it could only be perceived with fear. For this would be the error truth can be brought to illusions. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bringの過去・過去分詞形」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
❖ "Truth cannot ~ "「恐れをともなって真実が知覚されているだけの所には、真実は入って来れない」。真実は虚偽(幻想)を暴く怖いものだと思っている限り、真実は現実化しない。"For this would ~ "「なぜなら、これは、真実は幻想へ持ち込めるはずだという誤りだからだ」。真実と幻想を同じレベルで考えているので、真実は虚偽(幻想)と戦って、虚偽を駆逐できると思ってしまう。しかし本当は、真実は決して幻想と戦うことはない。真実は光であり、光が存在すれば幻想の闇は自ずから消滅してしまうだけなのだから。



Opposition makes the truth unwelcome, and it cannot come.
  • unwelcome [ʌ̀nwélkəm] : 「歓迎されない、快く受け入れられない」
❖ "Opposition makes ~ "「対立するものは、真実を歓迎しないし、したがって、真実はやって来ることは出来ない」。



3. Choice is the obvious escape from what appears as opposites. Decision lets one of conflicting goals become the aim of effort and expenditure of time. 
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、見え透いた」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、逃避」
  • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • conflict [kənflíkt] : 「対立する、矛盾する」
  • aim [éim] : 「目標、目的、的、標的」
  • effort [éfərt] : 「尽力、努力、試み、取り組み」
  • expenditure [ikspénditʃər] : 「出費、支出すること」
❖ "Choice is ~ "「選択は、正反対に見えるものからきっぱり逃れることである」。ホーリー・スピリットを選択することで、エゴから逃れることが出来る。逆に、エゴを選択すれば、あなたはホーリー・スピリットから離れる。"Decision lets ~ "「決定は、対立する目標の一つを努力目標とし、それに時間を費やすようにする」。ホーリー・スピリットを選択すると決定すれば、エゴと対立する正しい目的を達成しようと努力し、そのために時間を有効に活用できる。逆に、エゴを選択すると決定すれば、エゴの目的のために時間を使うことになる。



Without decision, time is but a waste and effort dissipated. It is spent for nothing in return, and time goes by without results. 
  • waste [wéist] : 「浪費、無駄、消耗」
  • dissipate [dísəpèit] : 「浪費する」
  • spent [spént] : 「spendの過去・過去分詞形」
  • in return [ritə́ːrn] : 「お返しとして」
  • go by : 「過ぎる、経過する」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成果、成績」
❖ "Without decision ~ "「決定なくして、時間は浪費されるだけで、努力は無駄となる」。"It is spent ~ "「時間は見返りのないまま浪費され、結果を残すことなく時間は過ぎ去る」。



There is no sense of gain, for nothing is accomplished; nothing learned.
  • sense [séns] : 「感覚、感触、感じ」
  • gain [géin] : 「利益、得ること、獲得」
  • accomplish [əkɑ́mpliʃ] : 「成し遂げる、果たす、成就する」
❖ "There is no ~ "「何も達成されないし、何も学ばれなかったのだから、何かを得たという感覚はまったくない」。



4. You need to be reminded that you think a thousand choices are confronting you, when there is really only one to make. 
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • thousands [θáuzənz] of : 「何千もの、多数の」
  • confront [kənfrʌ́nt] : 「直面する、対決させる」
❖ "You need to ~ "「選択すべきものが本当はたった一つしかないのに、あなたは幾千もの選択肢に直面していると思ってしまうことを、覚えておく必要がある」。あれか、これか、それか、多くの選択肢が目の前にあるように見えるだろうが、本当はたった一つの選択肢があるだけだ。ホーリー・スピリットの提示する真実を選択するだけである。その他の選択肢は幻想であって、本当は存在さえしない。



And even this but seems to be a choice. Do not confuse yourself with all the doubts that myriad decisions would induce. 
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる、困惑させる」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑惑、懸念、心配、不安」
  • myriad [míriəd] : 「無数の、数え切れない」
  • induce [indjúːs] : 「〜を生じさせる、引き起こす、誘発する」
❖ "And even this ~ "「そして、これさえ、一つの選択に過ぎないように見える」。多くの幻想の選択肢に混じってたった一つの真実の選択肢があるのだが、あなたには、その一つだけの真実の選択肢は多くの中の一つにしか見えない。幻想と真実の区別が出来ていないからだ。"Do not confuse ~ "「無数の決定が引き起こすあらゆる疑いによって、あなた自身を混乱させてはいけない」。選択し決定を下す前は、その結果が見えないから、不安と疑いがあなたの頭を占領する。たった一つの真実の選択を決断すれば、無用な混乱を起こすことはない。



You make but one. And when that one is made, you will perceive it was no choice at all. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
❖ "You make ~ "「あなたは、たった一つの決断を下すだけだ」。"And when that ~ "「そして、その一つの決断がなされたとき、あなたは、選択などまったく存在しなかったのだと気付くだろう」。例えて言うなら、多くの絵に描いた餅に混じって、たった一つの本物の餅がある。あなたは、絵に描いたきれいな餅に惑わされて、どれを選べばいいか混乱する。しかし、あなたが本物の餅を選択した時、それは選択に迷うまでのことではなかったのだと気付くのである。



For truth is true, and nothing else is true. There is no opposite to choose instead. There is no contradiction to the truth.
  • instead [instéd] : 「代わりに、そうしないで」
  • contradiction [kὰntrədíkʃən] : 「矛盾、反対、否定」
❖ "For truth is ~ "「なぜなら、本物は真実であり、その他は真実ではないからだ」。"There is no ~ "「それに代えて選択すべき正反対のものなどない」。真実と正反対であって真実に置き換わるような本物の選択肢など決してない。"There is no ~ "「真実には対立するものはないのだ」。真実には虚偽が対立していると思うかもしれないが、真実は実在であり、虚偽は幻想であってそもそも存在していない。実在する真実を非実在の虚偽で置き換えることは不可能なのだ。



5. Choosing depends on learning. And the truth cannot be learned, but only recognized. 
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
  • learn [lə́ːrn] : 「学ぶ、知る、分かる」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
❖ "Choosing ~ "「選択することは、学ぶことによって決まる」。何を選択すべきかは、学びによって左右される。"And the truth ~ "「そして、真実は学ばれ得るものではなく、ただ認識されるものである」。真実は学びによって獲得できるものではない。ここの『真実』は、もちろん、実相的な『叡智(knowledge)』のことであって、仏教で言うところの『般若』である。簡単に言えば、いくら学んでも『悟り』には達することは出来ない、ということ。しかし、学びが無駄なのではなく、学びによって何を選択すべきか、それを知ることは出来る。



In recognition its acceptance lies, and as it is accepted it is known. But knowledge is beyond the goals we seek to teach within the framework of this course. 
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
  • acceptance [əkséptəns] : 「受け入れること、承認、容認」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見、事実」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • framework [fréimwə̀ːrk] : 「骨組み、枠組み、下部構造」
❖ "In recognition ~ "意訳する、「真実を認識する中で、真実を受け入れることが出来、真実が受け入れられることで、真実は知られる」。闇の中で光の存在を認識し、その光を受け入れる決心をする。光を受け入れる決心がつけば、光はあなたに差し込んで来て、あなたは光が映し出す光景を見ることが出来る。ACIMが言うところのヴィジョンである。"But knowledge is ~ "「しかし叡智は、このコースの枠組みの中で私達が教えようと求めている目的をはるかに越えている」。叡智は実相的な真実の総体であって、言葉による説明や解説によって得られるものではない。このACIMさえ、直接的に叡智を教えることは出来ない。このコースの枠組みが目的とすることは、叡智を得る方法を教えることであって、あなたはそれを学べばいいのだ。



Ours are teaching goals, to be attained through learning how to reach them, what they are, and what they offer you. 
  • attain [attain] : 「達する、到達する、手に入れる」
❖ "Ours are ~ "「私達の目的は、教えるという目的である」。このコースの目的は、教えるということである。"to be attained ~ "「その結果、どうやれば叡智に到達出来るか、叡智とは何なのか、叡智は何をあなたに差し出してくれるのか、それを学ぶことによって、叡智は獲得される」。




Decisions are the outcome of your learning, for they rest on what you have accepted as the truth of what you are, and what your needs must be.
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
  • rest on : 「〜に依存する、〜に基礎を置く、〜にある」
❖ "Decisions are ~ "「決断は、あなたが学んだ成果である」。ACIMを学ぶことで、叡智に至る道を進もうと決断することが出来る。"for they rest ~ "「なぜなら、あなたは何なのか、あなたが必要とするものは何でなくてはならないのか、そいういったことを真実としてあなたが受け入れるところに、決断は下されるからだ」。具体的に言えば、本当のあなたは神が創造した神の子であると認識し、ホーリー・スピリットによる導きが必要だと知ることを、あなたは真実として選択し、実行する決断を下さなくてはいけない。



6. In this insanely complicated world, Heaven appears to take the form of choice, rather than merely being what it is. 
  • insanely [inséinli] : 「発狂して、気違いじみて」
  • complicated [kάmpləkèitid] : 「複雑な、込み入った」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
❖ "In this insanely ~ "「この狂ったように複雑な世界では、天の王国は、本当の姿でただ存在するいうより、選択肢の形をとっているかのように見える」。あなたの目には、天の王国は実在する本当の姿として見えるのではなく、地獄か天国かという選択肢の一つに過ぎないように映る。



Of all the choices you have tried to make this is the simplest, most definitive and prototype of all the rest, the one which settles all decisions. 
  • definitive [difínətiv] : 「最も確実な、決定的な」
  • prototype [próutoutàip] : 「原型、試作品」
  • rest [rést] : 「残り、残りの部分、残余」
  • settle [sétl] : 「解決する、決着をつける」
  • decision [disíʒən] : 「決定、決断、決心」
❖ "Of all the ~ "「あなたが今までおこなってきたすべての選択の中で、これは一番簡単で決定的な選択であり、残りの選択すべての原型、あらゆる選択に決着をつける選択である」。あなたが最終的に行うべき選択は、天の王国の選択である。これが、一番自然で一番簡単だからだ。なぜなら、それは『始め』に戻るという選択だからだ。



If you could decide the rest, this one remains unsolved. But when you solve this one, the others are resolved with it, for all decisions but conceal this one by taking different forms. 
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • unsolved [ʌ̀nsάlv] : 「未解決の」
  • solve [sάlv] : 「解く、解決する」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
❖ "If you could ~ "「もしあなたが残りのものを選択できたとしても、この選択は解決されないままになってしまう」。数々の選択をしたとしても、最終的に決断すべきは天の王国である。"But when you ~ "「しかし、あなたがこれを解決したとき、他の選択はそれと一緒に解決される」。"for all decisions ~ "「なぜなら、すべての決定は、別の形をとることで、この決定を隠しているからだ」。天の王国を選択するという最終決定から目をそらせるために、様々な選択決定が様々な形をとってあなたに課せられる。エゴの策略である。



Here is the final and the only choice in which is truth accepted or denied.
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な」
  • deny [dinái] : 「否定する、認めない、信じない」
❖ "Here is the final ~ "「ここに、真実が受け入れらるか否定されるかの、最終的かつ唯一の選択がある」。



7. So we begin today considering the choice that time was made to help us make. 
  • consider [kənsídər] : 「〜とみなす、よく考える、熟考する」
❖ "So we begin ~ "「そこで今日、私達が選択できるようにするために時間が作られたのだが、(その時間を利用して)選択についてよく考え始めることにする」。時間は学びのための補助装置である。時間をかけて、選択についてよく考えてみる。



Such is its holy purpose, now transformed from the intent you gave it; that it be a means for demonstrating hell is real, hope changes to despair, and life itself must in the end be overcome by death. 
  • holy [hóuli] : 「神聖な、聖なる」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • transform [trænsfɔ́ːrm] : 「〜を変形する、〜を変換する」
  • intent [intént] : 「意図、目的」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • demonstrate [démənstrèit] : 「実証する、立証する、実演する」
  • despair [dispέər] : 「絶望、失望、落胆」
  • in the end : 「結局、ついに」
  • overcome [òuvərkʌ́m] : 「克服する、乗り越える、打ち勝つ」
❖ "Such is its ~ "「神聖な目的とはそのことであるが、」幻想に過ぎない時間ではあるが、使い方によっては神聖な目的のために利用できる。"now transformed ~ "「今や、あなたが時間に与えた目的性を変形したのだ」。神聖なものに変形した。"that it be ~ "「(これまでの)時間は、地獄が現実とされ、希望は絶望に変化し、命自体もついには死によって打ち負かされてしまうことを実証する手段にされたのだ」。これが、あなたが時間に与えた目的であった。それを、今あなたは神聖な目的をもった時間に変形した。



In death alone are opposites resolved, for ending opposition is to die. And thus salvation must be seen as death, for life is seen as conflict. To resolve the conflict is to end your life as well.
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」
  • resolve [rizάlv] : 「解決する、解消する」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、敵対、対立」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、摩擦、葛藤、軋轢」
  • as well : 「同じに、同様にうまく、その上」
❖ "In death alone ~ "「死においてのみ、正反対は解消される」。分離によって二項対立する矛盾は、死をもって解消すると、時間に取り憑かれたあなたは信じている。"for ending ~ "「なぜなら、対立を終わらせるには死ぬしかないからだ」と、あなたは信じている。"And thus salvation ~ "「こうして、救いは死であると見なされざるを得ない」。"for life is ~ "「なぜなら、生きることは葛藤だと見られているからだ」。"To resolve ~ "「コンフリクトを解決することは、同時にあなたの命を終わらせることになってしまう」。ここに自殺が解放だという哲学が生まれ、自殺できなければ発狂するか、発狂さえ出来なかったら既成宗教に逃れるしかないと結論される。ドストエフスキーの究極のテーマであった。



8. These mad beliefs can gain unconscious hold of great intensity, and grip the mind with terror and anxiety so strong that it will not relinquish its ideas about its own protection. 
  • gain [ɡéin] : 「得る、獲得する」
  • unconscious [ʌ̀nkάnʃəs] : 「無意識の」
  • hold [hóuld] : 「支配力、影響力」
  • intensity [inténsəti] : 「強烈さ、激しさ」
  • grip [ɡríp] : 「〜を握る、〜をしっかり掴む」
  • terror [térər] : 「恐怖」
  • anxiety [æŋzáiəti] : 「心配、不安、懸念」
  • relinquish [rilíŋkwiʃ] : 「放棄する、手放す、断念する」
  • protection [prətékʃən] : 「保護、擁護、防御」
❖ "These mad beliefs ~ "「これらの狂った信念は、無意識のうちに強烈な支配力を得ることが出来、心をあまりにも強い恐怖と不安で縛り付けるので、自分を守らなくてはいけないという考えを捨てることはない」。未来の不安と恐れのために、自己防衛態勢に入る。



It must be saved from salvation, threatened to be safe, and magically armored against truth. 
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • threaten [θrétn] : 「〜を脅す、脅迫する」
  • magically [mǽdʒikəli] : 「魔法のように、魔術的に」
  • armor [άːrmər] : 「〜を鎧で覆う」
❖ "It must be ~ "「狂った信念は、(真の)救いから救われなくてはならないとされ、安全になる恐れがあると脅かされ、真実に対して魔術的に身を鎧で覆われなければならない」。魔術的に身を鎧で覆うとは、お金を含め物質的豊かさが未来の幸せを保証し、保険が危機を救い、サプリメントの摂取が肉体の健康を維持するというような現代神話のこと。簡単に言えば、エゴの思考システムそのものである。



And these decisions are made unaware, to keep them safely undisturbed; apart from question and from reason and from doubt.
  • unaware [ʌ̀nəwέər] : 「無意識の、気付かない、知らない」
  • undisturbed [ʌ̀ndistə́ːrbd] : 「邪魔されない」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • reason [ríːzn] : 「理由、道理、理性」
❖ "And these decisions ~ "「そして、これらの決定は気付かれないようにされる」。無意識のうちに、エゴはあなたの思考システムを乗っ取っている。"to keep them ~ "「それは、邪魔されず安全に決定を保管しておくためである」。"apart from ~ "「つまり、疑問や道理や疑いから切り離しておこうとしているのだ」。エゴの策略である。現代神話に疑問を抱くことは、エゴにとっては危険だからだ。



9. Heaven is chosen consciously. The choice cannot be made until alternatives are accurately seen and understood. 
  • chosen [tʃóuzn] : 「chooseの過去分詞形」
  • consciously [kάnʃəsli] : 「意識して、自覚して」
  • until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「別の可能性、取って代わるもの」
  • accurately [ǽkjurətli] : 「正確に、正しく、的確に」
❖ "Heaven is ~ "「天の王国は、意識的に選択される」。天の王国は、あなたの自由意志によって、意識的に選択されなくてはならない。"The choice ~ "「その選択は、天の王国に取って代わるものを正確に見て理解されるまで、なされることはない」。エゴをしっかりと見極め、幻想世界の成り立ちを理解した上で、天の王国の選択が意識的になされる。



All that is veiled in shadows must be raised to understanding, to be judged again, this time with Heaven's help. 
  • veil [véil] : 「〜を覆う、〜を隠す」
  • raise [réiz] : 「提起する、取り上げる」
  • this time : 「今度こそは、今回は」
❖ "All that is ~ "「影の中に隠されたものはすべて、再び判断され、今度こそは天の助けを得て、理解へと取り上げられなければいけない」。ここの"Heaven's help"は、ホーリー・スピリットの手助けのこと。したがって、ここの判断とは、あなたの頭脳による理性的判断ではなく、ホーリー・スピリットに委ねた判断のこと。その上で、闇に隠されたエゴの幻想世界の成り立ちを探り、理解するのである。



And all mistakes in judgment that the mind had made before are open to correction, as the truth dismisses them as causeless. 
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、分別」
  • be open to : 「(批判・非難などを)受けやすい」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
  • dismiss [dismís] : 「追放する、退ける、却下する」
  • causeless [kɔ́ːzlis] : 「原因のない、正当な理由のない」
❖ "And all mistakes ~ "「心が以前に下した判断の誤りのすべては、真実がそれらを正当な理由がないとして退けるとき、修正を受け入れることになる」。以前、あなたの理性はエゴの幻想を現実だと判断してしまったが、真実を知るホーリー・スピリットの判断に委ねることで、その判断は誤りだったと気付き、誤りを修正する態勢に入ることが出来る。



Now are they without effects. They cannot be concealed, because their nothingness is recognized.
  • effect [ifékt] : 「結果、影響」
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、隠匿する、秘密にする」
  • nothingness [nʌ́θiŋnis] : 「存在しないこと、無、非実在」
❖ "Now are they ~ "「今や、誤った判断は何の影響も与えない」。"They cannot ~ "「誤った判断は隠されることは不可能である」。"because their ~ "「なぜなら、誤った判断は無であると認識されたからだ」。エゴに支配された理性的判断もエゴ同様に幻想であり、無であると理解されたとき、その影響力も消滅する。隠して温存しようにも、そもそも無なのだから、隠しようもない。



10. The conscious choice of Heaven is as sure as is the ending of the fear of hell, when it is raised from its protective shield of unawareness, and is brought to light. 
  • conscious [kάnʃəs] : 「意識的な、意図的な」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な」
  • raise [réiz] : 「上げる、上昇させる、起こす」
  • protective [prətéktiv] : 「保護する、保護用の、保護の」
  • shield [ʃíːld] : 「盾、保護物、遮蔽板」
  • unawareness [ʌ̀nəwέərnis] : 「認識していないこと、無認識」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bringの過去・過去分詞形」
❖ "The conscious choice ~ "「地獄が無意識の防御シールドから引き上げ出され、光へと運ばれるとき、地獄への恐れが終わりを迎えるのが確実であるのと同様に、天の王国を意識的に選ぶことも確実である」。闇が光の下で消滅するように、幻想の地獄もまた真実の下で消滅する。それは、あなたが天の王国を選択することと同様に確実である。



Who can decide between the clearly seen and the unrecognized? 
  • unrecognized [ʌ̀nrékəɡnàizd] : 「認識されていない」
❖ "Who can decide ~ "「はっきり見えるものと認識されないものの間で、いったい誰が選択できるだろうか」。あまりにもリアルに見えるこの幻想世界にあって、認識できない実相を選ぶことは非常に困難である。



Yet who can fail to make a choice between alternatives when only one is seen as valuable; the other as a wholly worthless thing, a but imagined source of guilt and pain? 
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • alternative [ɔːltə́ːrnətiv] : 「取って代わるもの、代替手段」
  • valuable [vǽljuəbl] : 「役立つ、有益な、重要な」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全面的に」
  • worthless [wə́ːrθlis] : 「価値のない、役に立たない」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
  • guilt [ɡílt] : 「犯罪、あやまち、罪」
  • pain [péin] : 「痛み、痛覚、苦痛」
❖ "Yet who can ~ "「しかし、一方のものだけが価値があると見られ、他方は完全に価値のないのであり、罪と痛みの原因だと思われるとき、いったい誰が両者の間で選択ミスを犯したり出来るだろうか」。



Who hesitates to make a choice like this? And shall we hesitate to choose today?
  • hesitate [hézitèit] : 「ためらう、躊躇する」
❖ "Who hesitates ~ "「誰が、このような選択をためらったりするだろうか」。"And shall we ~ "「そして、今日私たちは、選択をためらうだろうか」。



11. We make the choice for Heaven as we wake, and spend five minutes making sure that we have made the one decision that is sane. 
  • wake [wéik] : 「目が覚める、眼を覚ます」
  • sane [séin] : 「正気の、思慮分別のある」
❖ "We make the ~ "「(朝)目が覚めるとき、私達は天の王国を選択し、that以下を確信するための5分間を費やす」。"that we have ~ "「私達は、正気な決定をしたのだと」確信するための5分間を費やす。もちろん、正気な決定とは、天の王国を選択したこと。ホーリー・スピリットを選んだこと。



We recognize we make a conscious choice between what has existence and what has nothing but an appearance of the truth. 
  • existence [igzístns] : 「存在、生存、実存、実在」
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿」
❖ "We recognize ~ "「私達は、実在するものと、真実を見せかけただけものとの間で、意識的に選択したのだと知る」。



Its pseudo-being, brought to what is real, is flimsy and transparent in the light. 
  • pseudo [sjúːdou] : 「見せ掛けの、偽りの」
  • flimsy [flímzi] : 「薄っぺらな、もろい」
  • transparent [trænspέərənt] : 「透けて見える、薄い」
❖ "Its pseudo-being ~ "「その偽の存在は、実在するものの中に持って来られると、薄っぺらで、光を通して透けてしまう」。絵に描いた餅と本物の餅を比べてみればいい。薄っぺらなのはどちらの餅か、透けてしまうのはどちらの餅か。



It holds no terror now, for what was made enormous, vengeful, pitiless with hate, demands obscurity for fear to be invested there. 
  • terror [térər] : 「恐怖」
  • enormous [inɔ́ːrməs] : 「巨大な、膨大な」
  • vengeful [véndʒfəl] : 「執念深い、復讐のための」
  • pitiless [pítilis] : 「情け容赦のない、無慈悲な」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • demand [dimǽnd] : 「求める、要求する」
  • obscurity [əbskjúərəti] : 「暗がり、曖昧」
  • invest [invést] : 「〜に注ぎ込む、〜を投資する」
❖ "It holds no ~ "「今やそれは、まったく恐ろしくない」。たとえば、紙に描かれた地獄絵がどんなに恐ろしげであっても、単なる絵だと知れば、まったく怖くない。"for what was ~ "意訳する、「なぜなら、巨大化させられ、執念深く、憎しみを抱いて無慈悲だったものは、そこに注ぎ込もうとした恐れが曖昧にされてしまうからだ」。ここの"demands obscurity"「曖昧さを求める」という部分を、「曖昧にされる」と意訳してみた。あなたが心に描いた地獄絵は誇張され、悪魔やら鬼やら、憎悪やら無慈悲やらが登場して、いかにも恐ろしさを誘おうとしているかのようだが、実在する真実の光にさらして見れば、それは、あなたの心の闇を絵に描いただけの幻想だと気付く。薄っぺらな絵に恐れを抱くことなどない。恐れは曖昧にされ、やげて消えてしまい、"It holds no ~ "「今やそれは、まったく恐ろしくない」、となる。地獄絵を例としたが、これを将来の不安とか肉体的な病などに置き換えてみてもいいだろう。



Now it is recognized as but a foolish, trivial mistake.
  • foolish [fúːliʃ] : 「愚かな、分別のない」
  • trivial [tríviəl] : 「ささいな、取るに足りない」
❖ "Now it is ~ "「今やそれは、単なる愚かで取るに足らない誤りだと認識される」。恐れはささいな幻想だと知ることになる。



12. Before we close our eyes in sleep tonight, we reaffirm the choice that we have made each hour in between. 
  • reaffirm [riəfə́ːrm] : 「再確認する」
  • in between : 「間に、中間に」
❖ "Before we close ~ "「今夜、目を閉じて眠りにつく前に、私達が(今日一日)1時間ごとに下した選択を再確認する」。



And now we give the last five minutes of our waking day to the decision with which we awoke. 
  • awoke [əwóuk] : 「awakeの過去形」
  • awake [əwéik] : 「目が覚める、起きる」
❖ "And now we ~ "「今私達は、(今朝)目覚めたときに下した決意に、目を覚ましていた一日の最後の5分間を与える」。



As every hour passed, we have declared our choice again, in a brief quiet time devoted to maintaining sanity. 
  • declare [diklέər] : 「〜を宣言する」
  • brief [bríːf] : 「短時間の、短い、簡潔な」
  • devote [divóut] : 「充てる、向ける、ささげる」
  • maintain [meintéin] : 「 〜を保持する、維持する、保つ」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "As every hour ~ "「一時間が経過するたびに、私達の選択を再び宣言してきたし、静かな短い時間ではあったが、正気さを保つことに専心した」。



And finally, we close the day with this, acknowledging we chose but what we want:

        Heaven is the decision I must make.

        I make it now, and will not change my mind, 
        because it is the only thing I want.
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に」
  • acknowledge [æknάlidʒ] : 「認める、認識する、受け入れる」
❖ "And finally ~ "「そして最後に、次のように言って一日を締めくくり、私達が本当に望むことを受け入れる」。"Heaven is the ~ "「天の王国は、私が決定しなくてはならない決断である」。"I make it ~ "「今、私はその決断を下し、心を変えたりすまい」。"because it is ~ "「なぜなら、それこそが唯一私の望むことだからだ」。
 
 
 




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