●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.126.1:1 ~ W-pI.126.11:7

Lesson 126 



All that I give is given to myself.
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
❖ "All that I ~ "「私が与えたものはすべて、私自身に与えられる」。実相世界では、与えることと得ることは同一である。与えて減ることはなく、与えても得ても、ともに増える。分かち合いの原理である。ホーリー・スピリットの思考システムの基本法則。したがって、与えて減るようなら、それは幻想である。エゴの思考システムが機能していると思えばいい。



1. Today's idea, completely alien to the ego and the thinking of the world, is crucial to the thought reversal that this course will bring about. 
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、全面的に、全く」
  • alien [éiljən] : 「性質の異なる、異質な」
  • thinking [θíŋkiŋ] : 「考え、考えること、思考」
  • crucial [krúːʃəl] : 「極めて重要な」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思想」
  • reversal [rivə́ːrsəl] : 「逆転、逆戻り、反転、破棄」
  • bring about : 「〜をもたらす、〜を引き起こす」
❖ "Today's idea ~ "「今日のものの見方は、エゴや世界の考え方と全く異質であって、それは、このコースがあなたにもたらす思考の逆転にとって極めて重要である」。世界の見方では、与えれば減り、得れば増える。エゴは『得るために奪え』と言い、ホーリー・スピリットは『得るために与えよ』と言う。思考の逆転である。思考システムの逆転をうながしてくれるのがこのコース。



If you believed this statement, there would be no problem in complete forgiveness, certainty of goal, and sure direction. 
  • statement [stéitmənt] : 「発言、意見、声明、陳述」
  • problem [prάbləm] : 「問題、課題」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性、間違いないこと」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的、目指すもの」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な」
  • direction [dirékʃən] : 「方角、方向、目的意識、目標」
❖ "If you believed ~ "「もしあなたが、この宣言を信じるなら、完全な赦しにとって何の問題もないだろうし、目的への確信、確かな方向性、そこにも問題は生じない」。幻想から実相へ目覚めるという方向性、実相への回帰という目的性、その手段となる赦し、それが今日の宣言ではっきりと打ち立てられる。



You would understand the means by which salvation comes to you, and would not hesitate to use it now.
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • hesitate [hézətèit] : 「ためらう、躊躇する」
❖ "You would ~ "「救いがあなたのものとなる方法をあなたは理解するだろうし、」つまり、赦しを理解出来るようになるし、"and would ~ "「その手段を今利用するのに躊躇することもない」。今すぐにでも、幻想を認識し受け流して赦すことが躊躇なく出来る。真実を行うに憚(はばか)ることなかれ、である。



2. Let us consider what you do believe, in place of this idea. 
  • consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する」
  • in place of : 「〜の代わりに、〜の代理で」
❖ "Let us consider ~ "「あなたが、このものの見方の代わりに信じている考えをよく考えてみよう」。あなたが信じているエゴの思考システムの考えを検討する。



It seems to you that other people are apart from you, and able to behave in ways which have no bearing on your thoughts, nor yours on theirs. 
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • be able to : 「〜することができる、〜する能力がある」
  • way [wéi] : 「やり方、考え方、習わし」
  • bear [bέər] : 「負う、〜を身につける、持つ、有する」
  • bear on : 「〜に影響する、〜に関係する、〜を圧迫する」
❖ "It seems to you ~ "「あなたにとって、他者はあなたから分離しているように見え、あなたの思考に影響を与えることはないと信じることが出来るし、あなたの思考も他者の思考に影響を与える可能性がないと信じることが出来ると思っている」。肉体的に分離しているのだから、考えていることは秘密にされていると思っている。



Therefore, your attitudes have no effect on them, and their appeals for help are not in any way related to your own. 
  • attitudes [ǽtitjùːd] : 「態度、考え方」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響」
  • appeal [əpíːl] : 「懇願、要請」
  • in any way : 「何らか、多少なりとも」
  • related [riléitid] : 「 関係のある、関連した」
❖ "Therefore, your ~ "「したがって、あなたの考えは他者に結果を残すことはなく、彼らが助けを求めて懇願しても、それは少しもあなたの懇願と関係がないと思ってしまう」。他者が救いを求めてアピールすることは、実はあなた自身が救いを求めているのだと考えることが出来ない。あなたは他者に自分の姿を投影しているのであって、他者の姿はあなたの姿である。あなたの思いが他者の姿を形作っている。



You further think that they can sin without affecting your perception of yourself, while you can judge their sin, and yet remain apart from condemnation and at peace.
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらに深く」
  • sin [sín] : 「罪を犯す」
  • affect [əfékt] : 「影響を与える、〜に作用する」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • condemnation [kὰndemnéiʃən] : 「激しい非難、糾弾」
  • at peace : 「平和に、心穏やかで」
❖ "You further think ~ "「さらにあなたは、あなた自身に対する見方に影響を与えることなく、他者が罪を犯せると考えている」。他者が罪を犯したって、何の影響も受けることなく、自分は以前と同様に正しいと考えてしまう。"while you can ~ "「その間、あなたは他者の罪を判断することが出来、その糾弾から距離を置いたまま、平和でいられると思ってしまう」。他者の行為の善悪を判断し、たとえ悪いと判断してその罪を糾弾しても、自分にはまったく影響はなく、むしろ正しい行いをしたのだと考えて、心は安泰だ。自分は正義であって、他者の罪を糾弾する権利があり、その正しい行いによって自分の平和は保たれる、と考える。



3. When you "forgive" a sin, there is no gain to you directly. 
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • gain [géin] : 「利益、得ること、獲得、利得」
  • directly [diréktli] : 「直接に、真っすぐに」
❖ "When you ~ "「あなたが罪を『赦した』としても、直接あなたに利益は生まれない」と考えている。



You give charity to one unworthy, merely to point out that you are better, on a higher plane than he whom you forgive. 
  • charity [tʃǽrəti] : 「慈善、思いやり、心配り」
  • unworthy [ʌnwə́ːrði] : 「値しない、価値のない」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • point out : 「〜に注目させる、〜を指摘する」
  • plane [pléin] : 「水準、次元、程度」
❖ "You give charity ~ "「あなたが、(あなたにとって)価値のない他者に思いやりの気持ちを施すのは、単に、あなたが優位に立っていることを指摘したいがためだ」。"on a higher ~ "「あなたが赦しを与える他者よりも高いレベルにいることを示したいがためなのだ」。自尊心を満たすために、自分より哀れだと思われる他者に慈善を施そうとする。偽善である。他者の罪を赦すと言って、他者の罪の存在を確定し、優位に立った自分が他者を赦そうとするのだ。



He has not earned your charitable tolerance, which you bestow on one unworthy of the gift, because his sins have lowered him beneath a true equality with you. 
  • earn [ə́ːrn] : 「得る、獲得する」
  • charitable [tʃǽrətəbl] : 「気前が良い、寛大な、寛容な」
  • tolerance [tɑ́lərəns] : 「我慢、寛容、容認、寛大」
  • bestow [bistóu] : 「〜を授ける、与える、贈る」
  • lower [lóuər] : 「下げる、落とす」
  • beneath [biníːθ] : 「〜の真下に」
  • equality [ikwɑ́ləti] : 「平等、等しいこと、同等」
❖ "He has not ~ "「他者は、あなたの寛容な思いやりを得ることはない」。あなたは慈善を施したつもりでも、他者はあなたの思いやりを得たとは思わない。"which you bestow ~ "意訳する、「あなたは、贈り物を受けるに値しない他者に思いやりを授けたつもりになっているだけだ」。"because his sins ~ "意訳する、「なぜなら、彼が犯した罪ゆえに、本当はあなたと同等な場所からその下へと自分を貶めたと思うからだ」。だから、罪ある他者を慈善の心で赦すと言っても、罪を犯した他者は下等な存在で、上等な自分がそれを赦す、という構造になってしまうのである。



He has no claim on your forgiveness. It holds out a gift to him, but hardly to yourself.
  • claim [kléim] : 「要求、〜の正当な資格」
  • have a claim on : 「〜を要求する権利がある」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」
  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
❖ "He has no ~ "「彼は、あなたの赦しを求める正当な資格などない」とあなたは心密かに思っている。なぜなら、あなたよりずっと下等な価値のない人間だから。"It holds out ~ "「赦しは彼に贈り物をもたらすが、決してあなた自身にはもたらさない」とあなたは思っている。罪を犯した下等な他者を赦してやれば、彼は罪の意識から解放されて、それなりの恩恵を得ることが出来るだろうが、あなたは何も得られない。せいぜい、自分は上等な人間なのだと評価し、善を施した善人であると自己評価するだけだ。自分の偽善を責めるだけの良識があるなら、初めから偽りの赦しなど施そうとしないだろうから。



4. Thus is forgiveness basically unsound; a charitable whim, benevolent yet undeserved, a gift bestowed at times, at other times withheld. 
  • basically [béisikəli] : 「基本的に、根本的に」
  • unsound [ʌ̀nsáund] : 「不健康な、不健全な」
  • whim [hwím] : 「思い付き、気まぐれ」
  • benevolent [bənévələnt] : 「親切な、善意ある」
  • undeserved [ʌ̀ndizə́ːrvd] : 「受けるに値しない、不相応な」
  • at times : 「時々、時たま、時には」
  • at other times : 「普段は、またある時には」
  • withhold [wiðhóuld] : 「差し控える、保留する」
❖ "Thus is forgiveness ~ "「このように、赦しは基本的に不健全である」。もちろん、ここの『赦し』はエゴによる偽の赦しのこと。"a charitable whim ~ "「気まぐれな寛大さ、親切ではあるが受けるに値しないもの、時々授かる贈り物であるが普段は与えられないもの」。



Unmerited, withholding it is just, nor is it fair that you should suffer when it is withheld. 
  • unmerited [ʌ̀nméritid] : 「値しない、不相応の」
  • just [dʒʌ́st] : 「正しい、公正な、当然の」
  • fair [fέər] : 「公平な、公正な、正しい」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
❖ "Unmerited, withholding ~ "「(受けるに)値しないのだから、与えないのは正当であり、与えられないからと言って苦痛を感じてしまうのは正しくない」というのがエゴの赦し。エゴの偽の赦しは、いわばケチなおもちゃのようなものなので、もらうに値するものではなく、そんなものを与えなくてもいいし、もらえないからと言って苦痛を感じる必要もない。



The sin that you forgive is not your own. Someone apart from you committed it. 
  • commit [kəmít] : 「犯す」
❖ "The sin that ~ "「あなたが赦した罪はあなた自身の罪ではない」とあなたは考える。"Someone apart ~ "「あなたとは別の誰かが罪を犯したのだ」とあなたは考える。



And if you then are gracious unto him by giving him what he does not deserve, the gift is no more yours than was his sin.
  • gracious [ɡréiʃəs] : 「親切な、優しい」
  • deserve [dizə́ːrv] : 「〜の価値がある、〜にふさわしい」
  • no more A than B : 「AでないのはBでないのと同じ」
❖ "And if you ~ "意訳する、「そこで、もし、罪を犯した者にふさわしくない赦しを彼に与えることで、あなたが彼に優しを示せるとしたら、罪が彼の罪ではないのと同様に、その贈り物である赦しもあなたのものではない」。意味の取りにくい部分だが、罪を犯したと思っている他者にとって受けるにふさわしくない赦しとは、エゴの偽物の赦しのこと。彼が必要としている赦しは、罪など幻想であって存在しなかったのだという本物の赦しである。しかし、あなたはエゴ的偽物の赦しを彼に与え、いかにも自分は罪を犯した者に対して優しい慈悲を示したと満足するのである。しかし、彼の罪が幻想に過ぎないのと同様に、そんな偽の贈り物(赦し)も幻想に過ぎず、本当のあなた自身が与えた贈り物だなどとは言えない。



5. If this be true, forgiveness has no grounds on which to rest dependably and sure. 
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、基礎、基盤」
  • rest [rést] : 「〜を休ませる、〜を置く」
  • dependably [dipéndəbli] : 「信頼できて、頼りになって」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な、確固とした」
❖ "If this be ~ "「もしこれが正しかったら、」つまり、罪を犯した者にふさわしくないエゴ的赦しを彼に与えることで、あなたが彼に本物の優しを示すことが出来るなら、"forgiveness has ~ "「赦しは、信頼して依って立つことの出来る基盤をもっていないことになる」。幻想である偽りの赦しを与えて、実相の慈悲を示すことが出来るなら、いったい実相的赦しは幻想以外の何を基盤にして成り立っているだろうか。エゴが作り出した幻想の基盤、これほど信頼の置けないものはないはずだ。



It is an eccentricity, in which you sometimes choose to give indulgently an undeserved reprieve. 
  • eccentricity [èksəntrísəti] : 「奇行、異常なこと」
  • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
  • indulgently [indʌ́ldʒəntli] : 「寛大に、優しく」
  • undeserved [ʌ̀ndizə́ːrvd] : 「受けるに値しない、不相応な」
  • reprieve [ripríːv] : 「執行の延期、一時的救済」
❖ "It is an ~ "「それは異常なことである」。実相的赦しが幻想を基盤にしているなら、それは異常事態だ。おもちゃの赦しが本物の赦しだとしたら、これは異常だ。"in which you ~ "「その異常な状況にあって、あなたは、受けるに値しない一時的救済を寛大にも与えるという選択を時々してしまうのだ」。一時的救済とは、偽の赦しのこと。罪を犯したことは既成の事実として、しかし、その罪を許してあげますよ、という赦しのこと。結局、幻想と実相のレベル・コンフュージョンを起こしているのである。偽善的行為の偽善性を見抜けずに、それが本当の善行だと信じてしまっているわけだ。行為の幻想性を見抜けずに、正しい行いをしていると勘違いしている。おもちゃを本物だと思い込んでいる。ガラス玉をダイヤモンドだと信じ込んでいる。自己愛を慈悲だと勘違いしている。



Yet it remains your right to let the sinner not escape the justified repayment for his sin. 
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • sinner [sínər] : 「罪人、罪を犯した人」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、のがれる」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する」
  • repayment [ripéimənt] : 「恩返し、報酬、払い戻し」
❖ "Yet it remains ~ "一時的救済を与えたとしても、「しかし、犯した罪に対する正当な報復から罪を犯した者が逃れられないようにする権利はあなたに残される」。犯した罪に対する正当な報復とは、罰のこと。一時的救済を寛大にも与えたにもかかわらず、あなたは、罪の償いをしろと命ずる権利を保持したままだ。偽りの赦しとは、そんなものだ。



Think you the Lord of Heaven would allow the world's salvation to depend on this? 
  • Lord [lɔ́ːrd] : 「神」
  • heaven [hévən] : 「天国、天」
  • allow [əláu] : 「許す、許可する」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
❖ "Think you ~ "「天の王国の神が、世界の救いをこんなものに託すことを許すと、あなたは考えるだろうか」。神は、エゴの主導する偽物の赦しに世界の救いを託すわけがない。



Would not His care for you be small indeed, if your salvation rested on a whim?
  • care [kέər] : 「世話、介護、監督、保護」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、実際には」
  • rest on : 「〜に依存する、〜に基礎を置く、〜にある」
  • whim [hwím] : 「思い付き、気まぐれ」
❖ "Would not ~ "意訳する、「もしあなたの救いが思い付きの上に基礎を置いているなら、あなたに目を注ぐ神の思いは、いかにも小さいと言わざるを得ないのではないか」。思い付きのまま偽りの赦しを施して自己満足しているあなたを見て、神は悲しく思わないだろうか。なぜなら、神は、あなたに本当の赦しを実行してもらい、世界を救ってほしいと願って、あなたに目をかけているのだから。



6. You do not understand forgiveness. As you see it, it is but a check upon overt attack, without requiring correction in your mind. 
  • check [tʃék] : 「抑制、制止、検査」
  • overt [ouvə́ːrt] : 「あからさまな、公然の」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • require [rikwáiər] : 「求める、〜に要求する」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
❖ "You do not ~ "「あなたは赦しを理解していない」。"As you see ~ "「あなたが赦しを考える時、あなたは赦しを公然とした攻撃を抑止するためのものと見ていて、あなたの心の修正を求めようとはしない」。あなたは、罪を犯した他者に対して、心の中では公然とその罪を断罪し攻撃したいと思っている。しかし、その気持ちを抑制して、罪を赦すことによって慈悲深い自分を演じた方が得策だと計算する。そんな偽善的な心を正そうとすることもしないし、そもそも罪は幻想なのだと知って、誤った認識を修正することもしない。



It cannot give you peace as you perceive it. It is not a means for your release from what you see in someone other than yourself. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • release [rilíːs] : 「救出、解放」
  • other than : 「〜以外の」
❖ "It cannot give ~ "意訳する、「あなたが赦しをそのように見ている限り、赦しはあなたに平和を与えることは出来ない」。"It is not ~ "意訳する、「そんな赦しは、あなたが、あなた自身以外の誰かの中にあなたが見るものからあなたを解放してくれる手段にはなり得ない」。ここの"what you see ~ "「あなた自身以外の誰かの中にあなたが見るもの」とは、あなたが他者の心の中を覗いて知覚した内容、という意味合い。他者が罪を犯したなら、あなたはその他者の心の中に、罪を生み出した悪を知覚する。しかし、自分の心の中の偽善性を知覚しようとはしない。もっぱら、他者の弱点を知覚しようとするだけなのだ。ところが、それはあなたが他者に投射した幻想であって、知覚はするものの、本当は実在しない。偽の赦しは、そんな知覚がもたらす幻想からあなたを解放する道具になってくれはしない。



It has no power to restore your unity with him to your awareness. It is not what God intended it to be for you.
  • restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる」
  • unity [júːnəti] : 「単一性、一つである状態、調和」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、意識性 」
  • intend [inténd] : 「〜するつもりである、〜を意図する」
❖ "It has no power ~ "「(偽りの)赦しは、あなたが他者と単一であることを意識に対して回復させるパワーなどもっていない」。あなたは、他者と自分は肉体で隔てられ、分離した存在だと意識してきたが、それは幻想であって、本当は神の子として単一の存在である。偽りの赦しは、その真実に気付かせてくれるようなパワーをもっていない。"It is not what ~ "直訳すると、「それは、神が、あなたにとってそれがそうあってほしいと意図したことではない」。ここの"it"は、読み方によっていろいろな意味に解釈できるが、すべてを含んで前文全体と捉えてみよう。前文は、神があなたに望んでいることではない、という意味。



7. Not having given Him the gift He asks of you, you cannot recognize His gifts, and think He has not given them to you. 
  • ask of : 「〜に要求する」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める」
❖ "Not having ~ "「神があなたに求める贈り物を神に捧げていないので、あなたは、神からの贈り物を認識出来ないし、神はあなたに贈り物をまだ与えてくれないと思う」。神はすでに、あなたに贈り物を与えている。あなたがそれを知らないだけだ。神の子が神から分離するとき、神の子は神から継承した神の属性のすべてを神に投げ返した。神の贈り物を捨てたのだ。そして、そのいきさつのすべてを忘れてしまった。



Yet would He ask you for a gift unless it was for you? Could He be satisfied with empty gestures, and evaluate such petty gifts as worthy of His Son? 
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜とは違って」
  • satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、かなえる」
  • empty [émpti] : 「空の、空っぽの」
  • gesture [dʒéstʃər] : 「身ぶり、手まね」
  • evaluate [ivǽljuèit] : 「〜を評価する」
  • petty [péti] : 「わずかな、小さい、けちな」
  • worthy [wə́ːrði] : 「尊敬すべき、価値ある」
❖ "Yet would He ~ "「しかし、贈り物があなたのためにならないと分かりながら、神はあなたに贈り物を求めるだろうか」。たとえば、愛には愛で応え、神はあなたに愛という贈り物を求めるだろう。しかし、あなたが誰かに憎しみを抱き、さらなる憎悪を求めて神に憎悪の心を捧げても、神は憎悪で応えることはない。憎悪はあなたのためにならないと神はわかっているからだ。"Could He be ~ "「神は、空っぽのまねごとで満足し、そんなケチな贈り物が神の子にふさわしいと評価出来るだろうか」。要するに、神は神の子とおもちゃのやり取りはしない。なぜなら、神の子にはもうおもちゃはふさわしくないと思っているからだ。神はケチなガラス玉のやり取りはしない。本物のダイヤモンドを求め、そして与えるのである。



Salvation is a better gift than this. And true forgiveness, as the means by which it is attained, must heal the mind that gives, for giving is receiving. 
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • attain [attain] : 「達する、手に入れる」
❖ "Salvation is ~ "「救いは、こんなものよりずっと良い贈り物である」。"And true ~ "「そして、本当の赦しは、救いを得るための手段として、与える心をヒーリングするに違いない」。"for giving ~ "「なぜなら、与えることは得ることだからだ」。他者の幻想性を赦すことで、あなたの心は、与えることと得ることは同一であると認識出来る心に修復される。そこに、救いが生まれる。



What remains as unreceived has not been given, but what has been given must have been received.
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、残存する」
  • unreceived [ʌ̀nrisíːvd] : 「受け取られていない」
❖ "What remains ~ "「受け取られないままになっているものは、与えられてはいない」。"but what has ~ "「しかし、与えられたものは、確実に受け取られているのだ」。さて、禅問答のような文章である。神はすでにあなたに贈り物を与えた。そして、神の子として、あなたはその贈り物を確実に受け取った。しかし、あなたの意識は、まだ神から贈り物を受け取っていないし、神は与えてくれないと言い張る。実相世界では、神と神の子は贈り物を分かち合っている。それに気付かない幻想世界のあなたが、神との分かち合いを拒んでいるのだ。その夢から目覚めることが救いであり、分かち合いに気付く心が再生される。そのためには、赦しが必須だ、というわけである。



8. Today we try to understand the truth that giver and receiver are the same. 
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる」
  • giver [ɡívər] : 「与える人、贈与者」
  • receiver [risíːvər] : 「受取人、受信者」
❖ "Today we try ~ "「今日私たちは、与える者と受け取る者は同一なのだという真実を理解するように努める」。



You will need help to make this meaningful, because it is so alien to the thoughts to which you are accustomed. 
  • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
  • alien [éiljən] : 「性質の異なる、異質な」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思想」
  • accustomed [əkʌ́stəmd] : 「〜に慣れて、習慣の」
❖ "You will need ~ "「このことを意味あるものにするには助けが必要だ」。"because it is ~ "「なぜなら、その考えは、あなたが慣れ親しんだ考え方とあまりにも違うからだ」。



But the Help you need is there. Give Him your faith today, and ask Him that He share your practicing in truth today. 
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信念」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
  • practice [prǽktis] : 「練習する、実践する、実施する」
  • in truth : 「実のところ、実際には」
❖ "But the Help ~ "「しかし、あなたが必要とする助け人がいる」。もちろん、ホーリー・スピリットのこと。"Give Him your ~ "「今日、ホーリー・スピリットを固く信じなさい」。"and ask Him ~ "「そして、今日、ホーリー・スピリットが実際あなたと練習を分かち合ってくれるように頼みなさい」。いわば、今日はあなたとホーリー・スピリットの共同練習、共同作業。



And if you only catch a tiny glimpse of the release that lies in the idea we practice for today, this is a day of glory for the world.
  • tiny [táini] : 「とても小さい、ちっぽけな」
  • glimpse [ɡlímps] : 「気配、しるし、一目」
  • release [rilíːs] : 「救出、解放」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • glory [ɡlɔ́ːri] : 「栄光、称賛、名誉、恵み」
❖ "And if you ~ "「そして、もし、今日のために私たちが練習するものの見方の中にある解放の姿をほんの少しでもちらっと見ることが出来れば、」"this is a day ~ "「今日は、世界にとって光栄な一日となる」。あなたの解放が世界の解放へとつながるからだ。世界に恵みをもたらすからだ。それは、幻想からの解放であり、真実への目覚めである。



9. Give fifteen minutes twice today to the attempt to understand today's idea. 
  • attempt [ətémpt] : 「試み、企て」
❖ "Give fifteen ~ "「今日のものの見方を理解する試みのために、今日は二回、15分を割り当てなさい」。



It is the thought by which forgiveness takes its proper place in your priorities. 
  • take one's place : 「〜の代わりをする、地位を占める」
  • priority [praiɔ́ːrəti] : 「優先、優先事項、重要度の高いもの」
❖ "It is the thought ~ "「それは、赦しが、あなたの優先事項の中の適切な場所に取り入れられるようにしてくれる考え方である」。あなたの優先事項とは、何が一番大切で、次に何を優先的に考えていけばいいか、等々の、生きる上での格付けのようなもの。当然、赦しを最重要優先課題にせよ、という意味合いである。今日のテーマを練習していけば、それが理解出来るわけだ。



It is the thought that will release your mind from every bar to what forgiveness means, and let you realize its worth to you.
  • bar [bάːr] : 「制約、障害」
  • worth [wə́ːrθ] : 「価値」
❖ "It is the thought ~ "「それは、赦しが意味することに対する障害のすべてからあなたの心を解放し、赦しの価値をあなたに気付かせてくれる考え方である」。赦しが意味することに対する障害とは、赦しが意味する真実を否定するエゴの思考システムのこと。今日のテーマは、エゴの思考システムからあなたを解放し、ホーリー・スピリットの思考システムにあなたを導いてくれる。その鍵を握るのが赦しであり、その価値をあなたは学ぶことになる。



10. In silence, close your eyes upon the world that does not understand forgiveness, and seek sanctuary in the quiet place where thoughts are changed and false beliefs laid by. 
  • silence [sáiləns] : 「静けさ、静寂、沈黙」
  • seek for : 「〜を探し求める」
  • sanctuary [sǽŋktʃuèri] : 「避難所、聖域、神聖な場所」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、虚偽の、偽の」
  • laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「置く、横たえる」
❖ "In silence ~ "「静けさの中で、赦しを理解しない世界に対して目をつぶり、考え方を変化させたり、誤った信念を排除したり出来る静かな場所の中に聖域を見つけなさい」。ここは詩的表現なので、場所を具体的に特定する必要はないのだが、あえて言うなら、静かな場所の中の聖域とは、静まった心の中の、ホーリー・スピリットが宿る部分。



Repeat today's idea, and ask for help in understanding what it really means.  Be willing to be taught. 
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • be willing to : 「進んで〜する」
  • taught [tɔ́ːt] : 「teachの過去・過去分詞形」
❖ "Repeat today's ~ "「今日のテーマを繰り返し述べ、それが本当に意味することを理解出来るように手助けを求めなさい」。ホーリー・スピリットがあなたを導いてくれるように頼むめばいい。"Be willing ~ "「進んで教えてもらいなさい」。



Be glad to hear the Voice of truth and healing speak to you, and you will understand the words He speaks, and recognize He speaks your words to you.
  • be glad to : 「〜してうれしい」
❖ "Be glad to ~ "「真実と、そしてあなたに向けられたヒーリングの話しを語る声に、喜んで耳を傾けなさい」。ホーリー・スピリットの話す声に集中すること。"and you will ~ "「そうすれば、あなたは、ホーリー・スピリットが話す言葉が理解出来、ホーリー・スピリットがあなたに向けてあなたの言葉を話しているのだと認識出来るだろう」。あなたの心はホーリー・スピリットと一体化し、ホーリー・スピリットの言葉は本当のあなた自身の言葉と同化した。そこにもはや区別はない。



11. As often as you can, remind yourself you have a goal today; an aim which makes this day of special value to yourself and all your brothers. 
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび」
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的、目指すもの」
  • aim [éim] : 「目標、目的」
  • value [vǽljuː] : 「価値、値打ち」
❖ "As often as ~ "「出来るだけ頻繁に、今日は目標があるのだと、あなた自身に思い出させなさい」。"an aim which ~ "「今日の日を、あなた自身にとってもあなたの同胞すべてにとっても、特別な価値のある日にしてくれる目標である」。



Do not let your mind forget this goal for long, but tell yourself:

        All that I give is given to myself.

        The Help I need to learn that this is true is 
        with me now. And I will trust in Him.
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • trust in : 「〜を信頼する、〜を信用する」
❖ "Do not let ~ "「長いこと、心がこの目標を忘れてしまわないようにしなさい」。"but tell ~ "「次のように、あなた自身に向かって告げなさい」。"All that I ~ "「私が与えたものはすべて、私自身に与えられる」。"The Help I ~ "「これが正しいと学ぶために私が必要な助け人は、今、私とともにいる」。"And I will ~ "「そして、私はホーリー・スピリットを信頼しよう」。



Then spend a quiet moment, opening your mind to His correction and His Love. And what you hear of Him you will believe, for what He gives will be received by you.
  • spend [spénd] : 「使う、費やす」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
❖ "Then spend ~ "「その後、静かな時を過ごし、ホーリー・スピリットが正してくれることやホーリー・スピリットの愛に対して、あなたの心を開きなさい」。"And what you ~ "「あなたは、あなたがホーリー・スピリットから聞いたことを信じるようになる」。"for what He ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットが与えたものは、あなたによって受け取られるだろうからだ」。与えることと受け取ることは同一である。ホーリー・スピリットが与えた言葉は、あなたが受け取って、今度はあなたが与える言葉になる。あなたとホーリー・スピリットは一体化するのだ。当然、そこに疑いや不信が生じる可能性はない。ACIMはこの関係性を『神聖な関係性』と名付けている。
 
 
 



Notification

My photo


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

Powered by Blogger.