●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.108.1:1 ~ W-pI.108.10:3

Lesson 108



To give and to receive are one in truth.

  • receive [risíːv] : 「受け取る、聞く、知る」
  • in truth : 「実のところ、実際には」

❖ "To give and ~ "「与えることと受け取ることは、本当は一つである」。与えることと得ることは、実相的に同一である。一方が増え、他方が減ることはない。これは、教えることと学ぶことと同様だ。教えることと学ぶことは同一であって、ともに真実に近づいて行く。真実を分かち合えば、真実は拡張増大するのみである。



1. Vision depends upon today's idea. The light is in it, for it reconciles all seeming opposites. 

  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • depend [dipénd] upon : 「〜によって決まる、〜次第である、〜に頼る」
  • reconcile [rékənsàil] : 「調停する、調和させる、調整する」
  • seeming [síːmiŋ] : 「外観上の、外見だけの、見せ掛けの、うわべの」
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」

❖ "Vision depends ~ "「ヴィジョンは、今日のものの見方によって決まる」。肉体的な知覚を超越するヴィジョン、つまり、真実を見通すヴィジョンを得るには、今日のものの見方が大きく関わる、ということ。"The light is ~ "「今日のものの見方の中には光がある」。"for it reconciles ~ "「なぜなら、それは、あらゆる表面的な対立を和解させるからだ」。光とは、幻想の闇を照らして、闇を消滅させる真実の力のこと。たとえば、与えることと得ることは、表面的には全く相反することのように見えるだろうが、真実の光を当てて見れば、それが同一であると理解出来る。これが、ヴィジョンによるものの見方であり、今日のテーマである。



And what is light except the resolution, born of peace, of all your conflicts and mistaken thoughts into one concept which is wholly true? 

  • except [iksépt] : 「ただし、〜ということを除いて」
  • resolution [rèzəlúːʃən] : 「決心、決意、解明、解消、決議」
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する、産声を上げる」
  • be born of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、摩擦、葛藤、軋轢」
  • mistaken [mistéikən] : 「mistake の過去分詞形」
  • mistake [mistéik] : 「思い違いする、間違える」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • concept [kάnsept] : 「概念、観念」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」

❖ "And what is ~ "意訳する、「あなたがもっているコンフリクト、そして誤った考えのすべてを、完全に正しいたった一つの概念に解消しようとする決意、それは平和を求める心から生まれる決意なのだが、それを除いて、いったいどんな光があるだろうか」。あなたを苦しめる葛藤、コンフリクトは、たとえば、与えることと得ることは相反するものであって、与えれば減り、得るために奪わなければならないとする誤った考えから生まれる。あなたは奪われることを恐れ、奪えば罪の意識に苛まれる。心の平和は決して得られない。しかし、そんな考えは誤りであり、与えれば益々得ることが出来、得ることで他者に与えることが出来るのだという考え方、つまり、実相的に与えること得ることは同一であって、分かち合いこそが唯一の真実なのだ。そういう正しい考え方に修正しようと決意することがヴィジョンによる決意であって、誤った幻想に光を当てて闇を消すことにつながるのである。それこそ、心の平和を求める決意である。



Even that one will disappear, because the Thought behind it will appear instead to take its place. 

  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、なくなる、消滅する」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
  • take one's place : 「〜の代わりをする、〜と交代する」

❖ "Even that one ~ "「その決意さえ、やがて消える」。"because the Thought ~ "意訳する、「なぜなら、決意の裏にある本当の思いが、決意に代わって現れて来るからだ」。決意とは動機であって、その裏には正しい思いが存在する。目的を達成しようと決意し、それが果たされたなら、もう決意は必要ない。しかし、決意を促した正しい思いはいつまでもあなたの心に残り続ける。この思いこそ、ホーリー・スピリットの思いであり、エゴの思考システムに取って代わる考え方である。



And now you are at peace forever, for the dream is over then.

  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • over [óuvər] : 「を過ぎて、が終わって」

❖ "And now you ~ "「今やあなたは、永遠に平和の内にある」。"for the dream ~ "「なぜなら、そのとき夢は終わるからだ」。幻想に過ぎないエゴの考えに真実の光を当てて、それを消滅させてしまえば、あなたの苦と痛みの悪夢は終わり、あなたは永遠の心の平和を得ることが出来る。



2. True light that makes true vision possible is not the light the body's eyes behold. 

  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る、なし得る」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」

❖ "True light that ~ "「本当のヴィジョンを可能にする光は、肉体の目がとらえる光ではない」。真実を見通すことを可能とする実相的な光は、肉体的な目が知覚出来る光ではない。いわゆる心の目だけがとらえることの出来る光が実相的な光であり、この光に照らし出された光景がヴィジョンである。あるいは、真実の光が照らし出した光景を認識出来る能力をヴィジョンと考えてもいい。



It is a state of mind that has become so unified that darkness cannot be perceived at all. 

  • state [stéit] : 「状態、形勢、情勢、状況」
  • unified [júːnəfàid] : 「一つにまとめられた、統一された、統合された」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」

❖ "It is a state ~ "「それは、心が統一され、闇がまったく知覚出来なくなった、その心の状態のことである」。エゴとホーリー・スピリットに分裂していたあなたの心が、ホーリー・スピリットただ一つに統一され、エゴが描き出していた幻想の闇が消滅したとき、その状態の心だけが真実の光を見ることが出来る。心の目はヴィジョンを見るのである。



And thus what is the same is seen as one, while what is not the same remains unnoticed, for it is not there.

  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • while [hwáil] : 「〜なのに、〜とはいえ、しかし一方」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである、相変わらず〜である」
  • unnoticed [ʌ̀nnóutist] : 「気付かれない、注目されない」

❖ "And thus what ~ "意訳する、「こうして、同じものは一つのものとして見られ、同じでないものは、そこに存在してはいないので、あるかのように見られることはない」。たとえば、与えることと得ることは実相的には同じことなので、分かち合いという一つのこととして認識される。また、教えることと学ぶことも、真実を分かち合うので、同一である。一方、与えれば減り、得れば増えるという見方は、幻想世界の表面的な違いを見ているだけであって、心の目から見れば、そんな違いは存在しない。得るために奪い、奪われて失う、などいう弱肉強食的なエゴの思考も幻想である。



3. This is the light that shows no opposites, and vision, being healed, has power to heal. 

  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する」
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」

❖ "This is the light ~ "「これは、正反対のものなど存在しないことを示す光である」。この幻想世界は分離を象徴する二元論の世界であり、愛と憎悪、善と悪、喜びと悲しみ、光と闇、等々の二項対立する概念がひしめき合う世界である。しかし、真実の光は、そんな対立する分離概念を消し去る。闇は光の存在しない状態であって、闇自体が存在しているのではない。光が差せば、存在していない闇は必然的に消えるのだ。憎悪も同様であって、愛の存在が憎悪を消す。"and vision ~ "「(知覚は)ヒーリングされたので、ヴィジョンはヒーリングするパワーをもっている」。憎悪や悪、悲しみ、闇、肉体、物質、等々が存在していると主張してきた知覚が修正され、それが幻想に過ぎないと認識出来たとき、知覚はヒーリングされてヴィジョンに生まれ変わる。そして、そのヴィジョンは、愛や善や、喜び、光をもたらすヒーリングのパワーをもつのだ。



This is the light that brings your peace of mind to other minds, to share it and be glad that they are one with you and with themselves. 

  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」
  • glad [ɡlǽd] : 「満足して、うれしく思う」

❖ "This is the light ~ "「これは、〜するために、あなたの心の平和を他者の心へと運んでくれる光である」。"to share it ~ "「平和を分かち合い、他者があなたと一体であり、そして他者自身とも一体であることを喜ぶために、」あなたの心の平和を他者の心へと運んでくれる光である。対立概念は消滅し、あなたと他者という分離も消える。あなたと他者は自他一如であると知る。あなたの心の平和は他者の心の平和となるのである。なお、他者が他者自身と一体であるとは、エゴが消滅し、本当の自分自身に回帰出来た、という意味合い。あなたが本当のあなた自身であるホーリー・スピリットと一体になれたとき、自他一如である他者もまた本当の自分自身であるホーリー・スピリットと一体になれるのだ。



This is the light that heals because it brings single perception, based upon one frame of reference, from which one meaning comes.

  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • based [béist] : 「〜に拠点のある、〜をベースにした」
  • based on : 「〜に基づいている」
  • frame of reference [réfərəns] : 「 関係枠、基準系、準拠枠、視点」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」

❖ "This is the light ~ "「これは、ヒーリングする光である」。実相世界に目覚めさせるパワーをもった光である。"because it brings ~ "「なぜなら、この光はたった一つの知覚をもたらすからだ」。たった一つの知覚とは、真実だけを見ることが出来る知覚のことで、ヴィジョンのこと。たとえば、エゴの知覚は、あなたが罪と罰を背負った肉体的な存在だと見る。しかし、ヴィジョンは、罪と罰は幻想であって、あなたが純粋な無辜の神の子であると見る。あなたはヒーリングされ、救われるのだ。"based upon ~ "「そのたった一つの知覚(ヴィジョン)は、たった一つの基準系に基盤を置き、そこから、たった一つの意味が生まれてくる」。たった一つの基準系とは、ホーリー・スピリットの思考システムのこと。エゴの思考システムが消滅し、あなたはホーリー・スピリットの思考システムだけを基準にして物事を見ることが出来るようになる。そして、この思考システムが生み出す意味は、すべて真実であるという一点に集約される。愛も喜びも、善も美も、平和、静寂、慈しみ、等々は、真実の多面的な様相であって、すべては真実という単一の意味に還元される。つまり、真実のすべては神という一点に収斂(しゅうれん)するのだ。真実の総体が叡智(knowledge)であり、その叡智を宿す実相全体が神である。



4. Here are both giving and receiving seen as different aspects of one Thought whose truth does not depend on which is seen as first, nor which appears to be in second place. 

  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
  • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」

❖ "Here are both ~ "意訳する、「ここに、真実が、どちらが一番目かということに依存するでもなく、また、どちらが二番目にありそうだということに依存するわけでもないという、たった一つの思考の異なった側面として、与えることと受け取ることの両者が見て取れる」。簡単に言えば、優先順位や発生順位によって真実が決まるのではない、ということ。この世では、与えれば失い、得れば増えるように見え、あたかも得ることが与えることより優先順位が高いように思われるだろうが、だからと言って、得ることが真実であるというわけではない。たった一つのホーリー・スピリットの思考システムでは、与えることも得ることも同一であり、どちらも真実である。ただ、この世の視点に立って見れば異なって見えるだけであって、分かち合いというたった一つの真実の異なった側面を見ているだけなのだ。



Here it is understood that both occur together, that the Thought remain complete. 

  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に、同時に」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」

❖ "Here it is ~ "「ここに、与えることと受け取ることの両者がともに起こり、一つの思考が完全に保たれることが理解される」。分かち合いという一つの考え方が、与えることと得ることが同時に起こることで現実化し、その両者が同一であるから、分かち合いは完全な形を保ち続けることが出来る。



And in this understanding is the base on which all opposites are reconciled, because they are perceived from the same frame of reference which unifies this Thought.

  • basis [béisis] : 「土台、基礎、基盤、基準、原理」
  • unify [júːnəfài] : 「〜を一つのまとまりにする、統一する」

❖ "And in this ~ "「このように理解することの中に、対立するすべてのものが和解出来る基盤がある」。与えることと得ることは、一方が失い他方が増えるから対立しているように見えるだろうが、分かち合いという考え方の基盤に立てば、両者は同一なのだから、二つは和解出来る。



5. One thought, completely unified, will serve to unify all thought. 

  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、十分に、全面的に、全く」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、果たす、〜に仕える」

❖ "One thought ~ "「一つの思考に完全に統一されれば、それは、あらゆる思考を統一する役割をする」。与えることと得ることを一つの分かち合いという考え方に統一出来れば、たとえば、教えることと学ぶことも真実の分かち合いという考え方に統一出来る。愛や喜びの分かち合いも然りである。ホーリー・スピリットの思考システムにおいては、真実は分かち合われることで拡張増大し、誰かが失うことも犠牲にされることもない。分かち合われた真実は共鳴し合いながら、さらなる真実を形作っていく。これが、実相的な創造である。



This is the same as saying one correction will suffice for all correction, or that to forgive one brother wholly is enough to bring salvation to all minds. 

  • correction [kərékʃən] : 「訂正、矯正、修正、是正」
  • suffice [səfáis] : 「十分である」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する、勘弁する」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」

❖ "This is the same ~ "「これは、一つの修正だけで、すべての修正を満たすと言うことと同じである」。"or that to forgive ~ "「あるいは、一人の同胞を完全に赦すことは、すべての人の心に救いをもたらすのに十分だと言うことと同じである」。実相世界の分かち合いという一つの真実が、幻想世界では与えることと得ることに分離させられ、失うことや儲けることなどの幻想を生み出す結果となる。しかし、そんな幻想の一つでも修正出来、幻想を消滅出来れば、数々の幻想は芋づる式に消滅して、すべての誤りが修正される。つまり、分離を解消出来れば、幻想は消滅するのだ。同様に、あなたと他者は分離によって引き離された神の子の側面に過ぎない。実相的には自他一如なのだ。もしあなたが、一人の同胞を目の前にして、彼の存在が分離による幻想なのだと認識し、その幻想を赦して手放すことが出来れば、幻想は消滅する。こうして、あなたも同胞も、そして芋づる式にすべての同胞が、幻想という悪夢から救い出されることが可能となる。



For these are but some special cases of one law which holds for every kind of learning, if it be directed by the One Who knows the truth.

  • special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • case [kéis] : 「場合、状況」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • hold [hóuld] : 「有効である、適用できる」
  • kind [káind] : 「種類」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • direct [dirékt] : 「〜を管理する、指示命令する、定める」

❖ "For these are ~ "「なぜなら、これらは、あらゆる種類の学びに適用出来るたった一つの法の、特別なケースに過ぎないからだ」。この幻想世界は、分離に分離を重ねて、種々雑多な対立概念を生み出した。だから、特別なケースである与えることと得ることの幻想性を赦しによって消滅させ、分かち合いという真実に統一することを学べば、赦しによって幻想は消滅するという一つの法を、あなたはいろいろなケースに適用することが出来るのだ。"if it be directed ~ "意訳する、「ただし、その法が、真実を知っている神(ホーリー・スピリット)によって定められるものでなくてはならない」。法と言っても、この世の法やエゴの法であってはならない。実相世界の真実の法、神が定め、ホーリー・スピリットが運用する法でなくてはならない。



6. To learn that giving and receiving are the same has special usefulness, because it can be tried so easily and seen as true. 

  • usefulness [júːsfəlnis] : 「役に立つこと、実用性」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • easily [íːzili] : 「気楽に、安易に、簡単に、楽に」

❖ "To learn that ~ "「与えることと受け取ることが同一であると学ぶことは、特に有用である」。"because it ~ "「なぜなら、それは容易に出来るし、それは真実だと知ることが出来るからだ」。



And when this special case has proved it always works, in every circumstance where it is tried, the thought behind it can be generalized to other areas of doubt and double vision. 

  • prove [prúːv] : 「証明する、〜が…であることを示す」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • work [wə́ːrk] : 「正しく機能する、役に立つ」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「環境、状況、周囲の事情」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に、〜の裏側に、〜の陰に」
  • generalize [dʒénərəlàiz] : 「〜を一般化する、総合する」
  • area [έəriə] : 「地域、地帯、場所、エリア」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑、懸念、心配、不安」
  • double [dʌ́bl] : 「二重の、2層の」

❖ "And when this ~ "「そして、この特別なケースが、それが試みられる環境すべてで、いつも正しく機能するとわかれば、その背後にある考え方は、疑いをもつことや二重に見えてしまうような別の領域へと、一般化出来る」。与えることと得ることは、どんな時でもどんな状況でも、分かち合いとして同一なのだとわかれば、この特別なケースを一般化して、いろいろな状況に適応出来る。たとえば、つい真実を疑ってしまう時とか、真実と虚偽の両方を同時に見てしまうときとかに役立つだろう。なぜなら、与えることと得ることが同一であるという特別なケースの背後には、一般化され得る一つの思考があるからだ。それは、分離を象徴する幻想世界においてのみ異なったものとして認識されることは、実相世界では単一の真実として統合され得るという考えである。たとえば、愛することと愛されることへの疑い、つまり、愛しているのに愛されないという痛みは幻想に過ぎないと見破ることが出来る。また、たとえば、自分は正しくもあり(無辜であり)、正しくもない(罪がある)、などという二重の評価は、一方が真実で他方は錯覚だと認識することが出来る。要するに、この世の多元的な価値評価は、叡智の光に照らして見れば、純粋な一元の真実に還元され得るのである。



And from there it will extend, and finally arrive at the one Thought which underlies them all.

  • extend [iksténd] : 「伸びる、広がる」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に、とうとう」
  • arrive [əráiv] : 「着く、到着する、達する」
  • underlie [ʌ̀ndərlái] : 「〜の基礎にある、下に横たわる、根底にある」

❖ "And from there ~ "「特別なケースは、そこから拡張し、最後には、あらゆる思考の根底にあるたった一つの考え方に帰着する」。つまり、真実のみが実在し、虚偽は幻想であって実在しない、という考え方。分離は幻想であって、両面価値をもっているかに見える事象は、一方の正しい価値に統合出来る、という考え方。二元論世界は幻想であって、純粋一元論世界が実在であり真実だという考え方。



7. Today we practice with the special case of giving and receiving. We will use this simple lesson in the obvious because it has results we cannot miss. 

  • simple [símpl] : 「簡素な、簡略した、易しい、難しくない」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、疑う余地のない、見え透いた」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
  • miss [mís] : 「逃す、見逃す、〜を見落とす」

❖ "Today we ~ "「今日、私たちは、与えることと受け取ることという特別なケースを練習する」。"We will use ~ "「私たちは、心を明確にして、この簡単なレッスンを利用する」。"because it has ~ "「なぜなら、与えることと受け取ることは、私たちが何かを失うという結果を生み出さないからだ」。与えても失うことはないという真実に目覚めれば、与えることで益々得ることが出来、得ることで益々与えることが出来るという単純な法則を学ぶことが出来る。



To give is to receive. Today we will attempt to offer peace to everyone, and see how quickly peace returns to us. 

  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する」
  • quickly [kwíkli] : 「速く、すぐに」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る、返還する」

❖ "To give is ~ "「与えることは、受け取ることである」。"Today we will ~ "「今日、私たちは、みんなに平和を差し出し、その平和がすぐに私たちの下(もと)に帰ってくるのを目にする試みを行うことになる」。



Light is tranquility, and in that peace is vision given us, and we can see.

  • tranquility [træŋkwíləti] : 「静けさ、静寂、平穏、平和」

❖ "Light is ~ "「光は静寂であり、その平和の中で、ヴィジョンは私たちに与えられ、そして、私たちは見ることが可能となる」。与えることと得ることは同一である。真実を分かち合うのだ。その分かち合われる真実が光であり、心に平和が生まれる。平和は穏やかで静かだ。幻想の黒雲は消滅する。こうして、あなたは、真実を目撃するヴィジョンを獲得出来るのだ。



8. So we begin the practice periods with the instruction for today, and say:

        To give and to receive are one in truth. 
        I will receive what I am giving now.

  • instruction [instrʌ́kʃən] : 「指図、指示、命令」

❖ "So we begin ~ "「そこで私たちは、次のように言って、今日の指示通りに練習を始める」。"To give and ~ "「与えることと受け取ることは、本当は一つである」。"I will receive ~ "「私は、今与えているものを受け取ることになる」。



Then close your eyes, and for five minutes think of what you would hold out to everyone, to have it yours. 

  • hold out : 「差し出す、提供する、提出する」

❖ "Then close ~ "「その後目を閉じて、5分間、あなたのものとするために、あなたはみんなに何を差し出したいのか、考えなさい」。



You might, for instance, say:

        To everyone I offer peace of mind. 
        To everyone I offer gentleness.

  • for instance [ínstəns] : 「例えば、例として」
  • gentleness [dʒéntlnis] : 「優しさ、穏やかさ」

❖ "You might ~ "「たとえば、次のように言えばいい」。"To everyone ~ "「みんなに、私は心の平和を差し出す」。"To everyone ~ "「みんなに、私は優しさを差し出す」。



9. Say each one slowly and then pause a while, expecting to receive the gift you gave. And it will come to you in the amount in which you gave it. 

  • pause [pɔ́ːz] : 「中止する、ためらう、休止する、一息つく」
  • a while [hwáil] : 「しばらくの間、ちょっとの間」
  • expect [ikspékt] : 「予期する、期待する、待つ、楽しみにする」
  • amount [əmáunt] : 「量、総計、総量」

❖ "Say each one ~ "「一つ一つ、ゆっくりと唱え、その後、あなたが与えた贈り物を受け取るのを楽しみしながら、しばらく休止する」。あなたがみんなに与えた、心の平和と優しさという贈り物が、今度はみんなからあなたに戻されてくる。それを静かに待つ。"And it will ~ "「そして、贈り物は、あなたが与えた分だけあなたに戻ってくるだろう」。



You will find you have exact return, for that is what you asked. It might be helpful, too, to think of one to whom to give your gifts. 

  • find [fáind] : 「気付く、理解する、発見する、見いだす」
  • exact [iɡzǽkt] : 「正確な、的確な」
  • return [ritə́ːrn] : 「返礼、お返し、返答、応答」
  • helpful [hélpfəl] : 「役立つ、助けになる、有益な」

❖ "You will find ~ "「あなたは、正確に同じ分だけ戻って来たことに気付くだろう」。"for that is ~ "「なぜなら、それは、あなたが求めたことだからだ」。あなたは心の平和と優しさを同胞と分かち合うことを願ったので、分かち合いの原理通りに、平和と優しさはあなたに戻ってくる。"It might be ~ "「あなたが贈り物を与えた人のことに思いを馳せるのも、また、役に立つかもしれない」。具体的な誰かを想定して、その人に平和と優しさを与える、と思い描くのもよい。



He represents the others, and through him you give to all.

  • represent [rèprizént] : 「代表する、代わりを務める」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」

❖ "He represents ~ "「その人は他者を代表しており、彼を通して、あなたはみんなに贈り物を与えるのである」。



10. Our very simple lesson for today will teach you much. Effect and cause will be far better understood from this time on, and we will make much faster progress now. 

  • cause [kɔ́ːz] and effect [ifékt] : 「因果、原因と結果」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
  • progress [prάɡres] : 「前進、進展」

❖ "Our very simple ~ "「今日のためのとてもシンプルなレッスンは、多くのことをあなたに教えてくれるだろう」。"Effect and cause ~ "「今後、結果と原因に関して、より良く知解出来るだろうし、今や、より早く前進して行けるだろう」。原因と結果に関する理解とは、たとえば、与えることが原因で得ることが結果という時間経過が関わる事象に対して、時間の存在しない実相世界の解釈は、そのどちらも同時に起こり得ることであって、同一なのだという理解。




Think of the exercises for today as quick advances in your learning, made still faster and more sure each time you say, "To give and to receive are one in truth."

  • quick [kwík] : 「迅速な、速い、即座の、素早い」
  • advance [ædvǽns] : 「前進、進歩」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な、確固とした」

❖ "Think of the exercises ~ "意訳する、「あなたが学ぶ過程において、今日のエクササイズは進歩を加速してくれるのだと思いなさい」。"made still faster ~ "「それは、『与えることと受け取ることは、本当は一つである』とあなたが唱えるたびに、どんどん進歩を加速し、ますます確実なものにしてくれるのだと思いなさい」。
 
 
 



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