●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.9.1:1 ~ W-pI.9.5:3

Lesson 9 

I see nothing as it is now.
  • as : 「〜のままに」
❖ "I see nothing ~ "「私は何も、今、そのあるがままに見てはいない」。今見ているものを見たままに知覚していない、という意味ではない。時間を超越した実相的なヴィジョンとして、今、目の前にあるものを把握していない、という意味である。実相的には、本当は目の前には何もない。しかし、過去の経験を基盤にして、時間を絡(から)めた幻想として、見たいものを投射によってそこに現実化し、自分の知覚を騙して見ているだけなのだ。たとえて言うなら、超リアルな3D映像をスクリーンに映し出し、あたかも、ものが今そこにあるかのように知覚しているが、本当は、そこには何もない。私は、実は何も真実を見てはいないのだ。真実の『空(くう)』を見てはいない。



1. This idea obviously follows from the two preceding ones. But while you may be able to accept it intellectually, it is unlikely that it will mean anything to you as yet. 
  • obviously [άbviəsli] : 「明らかに、はっきりと、当然、言うまでもなく」
  • follow [fάlou] : 「次に起きる、結果として起きる」
  • follow from : 「〜に続いて起こる、〜から得られ」
  • preceding [prisíːdiŋ] : 「〜に先行する、先立つ」
  • be able to : 「〜することができる、〜し得る、〜が可能である」
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • intellectually [ìntəléktʃuəli] : 「知的に、頭では」
  • unlikely [ʌnláikli] : 「ありそうもない、疑わしい、起こりそうもない」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • as yet : 「今のところは」
❖ "This idea obviously ~ "「このものの見方は、前出の見方から結果されるものである」。前回は、自分は、対象の過去を見ているだけだ、というものであった。過去という幻想を見ているだけなので、実在するものを見ているわけではない。"But while you may ~ "「しかし、頭の中では受け入れることが出来たかもしれないと思っている間は、あなたにとって、今のところ、それは何かの意味があるとは見えないだろう」。理屈で、ああそうなのかと思ってみても、だからどうなのさ、ということになって、その事実のもつ重要な意味が理解出来ないだろう。



However, understanding is not necessary at this point. In fact, the recognition that you do not understand is a prerequisite for undoing your false ideas. 
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • understanding [ʌ̀ndərstǽndiŋ] : 「理解、把握」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • at this point : 「現在のところ、現段階では」
  • in fact: 「実際に、実のところ、それどころか」
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • prerequisite [prirékwəzit] : 「必要条件、必須条件、要件」
  • undoing [ʌndúiŋ] : 「ほどくこと、解くこと、取り消し」
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、本物でない、偽の」
❖ "However, understanding ~ "「しかし、今の時点で、理解する必要はない」。"In fact, the recognition ~ "「事実、あなたが理解していないと認識することは、あなたの誤った考えを取り消しにするための必須条件でさえある」。真実を理解できない自分を認めること。それが、修正への第一歩だ。下手にわかったフリをするほど、理解を遅らせることはない。



These exercises are concerned with practice, not with understanding. 
  • concern [kənsə́ːrn] : 「〜に関係する、〜と関係がある」
  • be concerned with : 「〜に関係している、携わっている、〜に関心がある」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習」
❖ "These exercises are ~ "意訳する、「今日のエクササイズは、理解に集中するのではなく、その練習に重きを置くべきだ」。無理に理解しようとすることに集中すべきではなく、淡々と練習するだけでいい。理解などは、その後、自然に訪れるものだから。



You do not need to practice what you already understand. It would indeed be circular to aim at understanding, and assume that you have it already.
  • practice [prǽktis] : 「〜を実行する、順守する、実践する」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際に」
  • circular [sə́ːrkjulər] : 「回りくどい、分かりにくい、循環の、循環する」
  • aim [éim] : 「意図する、するつもりである」
  • aim at : 「〜を狙う、〜に狙いを定める、〜を目指す」
  • assume [əsjúːm] : 「〜と仮定する、思い込む、見なす、〜を前提とする」
❖ "You do not need ~ "「あなたには、既に理解していることなど、練習する必要がないではないか」。理解出来ないから練習するのであって、練習を通して、やがて自然に理解が及んでいくのである。たとえば、理屈で理解が出来たらからと言って、はたして、泳ぎが出来るか? 泳ぎを練習して、そして初めて、泳ぎが理解出来るのだ。物事を理解するには、ちゃんと順番がある。"It would indeed ~ "意訳する、「理解することを目的とし、すでに理解をものにしている思い込んでいては、まったく埒(らち)が明かないではないか」。真実を知っていると思い込んでいて、しかも真実を知りたいと思うことは自己矛盾である。一歩も先に進めない。その場で堂々巡り(circular)するようなものだ。



2. It is difficult for the untrained mind to believe that what it seems to picture is not there. 
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「困難な、厳しい」
  • untrained [ʌntréind] : 「訓練されていない、練習を積んでいない、未熟な」
  • picture [píktʃər] : 「〜を描写する、〜を頭の中に描く、想像する」
❖ "It is difficult for ~ "「描かれたものが(本当は)そこにはないと信じることは、訓練されていない心には困難である」。心がその外部に投射して映し出した映像を、本当はそこに何もないのだと理解することは、投射した心にとっては非常に難しいことである。心は自分自身を騙そうとしているのだから、騙そうとしている心が騙されまいとすることは難しいのだ。エゴの狡猾さをつくづく感じてしまう。



This idea can be quite disturbing, and may meet with active resistance in any number of forms. 
  • quite [kwáit] : 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • disturbing [distə́ːrbiŋ] : 「心をかき乱すような、動揺させる」
  • meet with : 「〜と会う」
  • active [ǽktiv] : 「活発な、能動的な、大変な、激しい」
  • resistance [rizístəns] : 「抵抗、反対、妨害」
  • any number of : 「〜がいくらも、どっさり、いくつでも、いくらでも」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
❖ "This idea can be ~ "「今日のものの見方は、まったくイラつかせる可能性がある」。"and may meet ~ "「実際、いろんな形で、抵抗感を生むだろう」。本当はそこにないと言われても、実際目に見えているじゃないか、触ればちゃんと触覚が感じられるじゃないか、なのにどうして、これが存在していないと言えるんだ? そっちの方が自分を騙しているようなものじゃないか。こうして、苛立ちを覚えるのだ。
そんな時は、催眠術を思い出そう。催眠にかけられた人に、「あなたはおいしいモモを手に持っていて、それを食べると、とってもおいしいですよ」と言ってみよう。彼は、有りもしないモモをかじって、とってもおいしいと言う。さらに、催眠から解かれて言うには、自分は実際にモモを手にし、そのモモを実際に食べたし、とっても甘くておいしかったのだと言う。本当にモモはあったのだ、と証言するのである。知覚とは、そういうものである。それほど、感覚は不確かで、騙されやすいものなのだ。ところで、催眠でモモを食べよと言われた被験者は、モモの甘さや質感をどこで手に入れたのだろう? もちろん、過去の経験なのだ。時間依存した経験なしに、モモをその場に再現することは不可能だ。今のあなたは、まさにこれと同じような状況にある。エゴの巧妙な催眠術に、まんまとかけられているのである。そして、その状況を現実だ信じて疑わない。



Yet that does not preclude applying it. No more than that is required for these or any other exercises. 
  • preclude [priklúːd] : 「排除する、除外する、邪魔する」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める」
❖ 苛立ちがあったとしても、"Yet that does not ~ "「しかし、苛立ちが、(今日のものの見方の)適用を排除することはない」。苛立ちを除外しようとせず、苛立ちがあっても、とにかく練習してみることだ。"No more than ~ "「適用してみること以上のことを、このエクササイズも、また他のエクササイズも要求してはいない」。苛立ちや抵抗感を排除してから練習せよ、とは要求していない。理解してから練習せよ、とも要求していない。とにかくエクササイズを実行して、ものの見方を適用してみよ、と求められているだけである。まず、実行ありき。



Each small step will clear a little of the darkness away, and understanding will finally come to lighten every corner of the mind that has been cleared of the debris that darkens it.
  • small [smɔ́ːl] : 「小さい、小規模の、少ない、少数の」
  • step [stép] : 「一歩、歩み、段」
  • clear [klíər] : 「取り除く、除去する、一掃する、片付ける」
  • clear away : 「消し去る、取り払う、除去する、一掃する」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に、とうとう」
  • lighten [láitn] : 「〜を明るくする、〜の色を薄くする」
  • corner [kɔ́ːrnər] : 「角、隅、端、へり」
  • debris [dəbríː] : 「がらくた、破片、残骸、岩屑、がれき類」
  • darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
❖ "Each small step will ~ "「小さなステップを重ねることが、闇を少しずつ消し去ってくれるのだ」。継続は力なり。"and understanding will ~ "「そして、最終的に、理解が、心を暗くしていたガラクタが取り除かれた心の隅から隅まで照らしてくれるようになるだろう」。幻想によって闇の中に放置されていた心が、やがて、日々の練習によってその闇が徐々に払拭され、実相の光によって照らし出される日が来る。その日が来るまで、黙々とレッスンに勤(いそ)しむべし。



3. These exercises, for which three or four practice periods are sufficient, involve looking about you and applying the idea for the day to whatever you see, remembering the need for its indiscriminate application, and the essential rule of excluding nothing. 
  • practice period : 「練習期間、(ここでは練習回数)」
  • sufficient [səfíʃənt] : 「十分な、満足な、足りる」
  • involve [invάlv] : 「含む、取り込む」
  • look about : 「周りを見回す、見て回る」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • need [níːd] : 「必要、要求、必要なもの、必需品」
  • indiscriminate [ìndiskrímənət] : 「差別しない、無差別の」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用」
  • essential [isénʃəl] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、欠くことのできない」
  • rule [rúːl] : 「規則、ルール、規定、法則、規範」
  • exclude [iksklúːd] : 「〜を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
❖ "These exercises, ~ "「今日のエクササイズは、日に3〜4回の回数で十分だが、あなたの周りを見渡してみることと、見たものなら何にでも今日の見方を適用させてみることを含んでいる」。いつも通りの手順で進めばいい。"remembering the need ~ "「区別や差別をせずに適用することが必要であることと、そして、何も除外しないというルールが必須であることを覚えておこう」。前出のエクササイズに求められていることと同様である。



For example:

        I do not see this typewriter as it is now. 
        I do not see this telephone as it is now. 
        I do not see this arm as it is now.
  • for example [iɡzǽmpl] : 「例えば、例として」
  • typewriter [táipràitər] : 「タイプライター」
❖ "For example: ~ "「たとえば、私はこのタイプライターを、今、あるがままには見てはいない」。"I do not see ~ "「私はこの電話機を、今、あるがままには見ていない」。"I do not see ~ "「私はこの腕を、今、あるがままには見ていない」。実相的には(本当は、現実的には)、今、それはそこに存在していないにもかかわらず、私は、過去の経験に基づいて、幻想としてそれを見ているに過ぎない、という意味を込めて宣言すればいい。



4. Begin with things that are nearest you, and then extend the range outward:

        I do not see that coat rack as it is now. 
        I do not see that door as it is now. 
        I do not see that face as it is now.
  • begin with : 「〜から始める」
  • nearest : 「最寄りの、最も近い」
  • extend [iksténd] : 「広げる、伸ばす、拡張する、拡大する」
  • range [réindʒ] : 「域、範囲、距離、限界」
  • outward [áutwərd] : 「外側へ、外へ」
  • coat rack : 「コート掛け」
❖ "Begin with things ~ "「身近なものから始め、その後、外側に範囲を広げなさい」。"I do not see ~ "「私はあのコート掛けを、今、あるがままに見てはいない」。"I do not see ~ "「私はあのドアを、今、あるがままには見てはいない」。"I do not see ~ "「私はあの顔を、今、あるがままには見てはいない」。




5. It is emphasized again that while complete inclusion should not be attempted, specific exclusion must be avoided. 
  • emphasize [émfəsàiz] : 「強調する、力説する」
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて、この場合もやはり」
  • while [hwáil] : 「その上、さらに、おまけに」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」
  • inclusion [inklúːʒən] : 「含めること、包含、含有、包括」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • specific [spisífik] : 「具体的な、詳しい、曖昧でない」
  • exclusion [iksklúːʒən] : 「排除、除外、排他、排斥」
  • avoid [əvɔ́id] : 「避ける、回避する、逃れる」
❖ "It is emphasized ~ "「that以下をもう一度強調しておこう」。"that while complete ~ "「さらに、完璧にすべてを網羅しようと試みてはいけなし、特別なことを排除しようとすることは避けなくてはならない」ということをもう一度強調しておこう。これも、前回同様だ。幻想は、形こそ異れ、すべて幻想であることには変わりなく、その意味で、幻想には序列はないのだ。



Be sure you are honest with yourself in making this distinction. You may be tempted to obscure it.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • honest [άnist] : 「正直な、誠実な、素直な 」
  • be honest with oneself : 「自分自身に正直である」
  • distinction [distíŋkʃən] : 「差異、区別」
  • tempt [témpt] : 「〜する気にさせる、〜を誘惑する」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、見えなくする」
❖ "Be sure you are ~ "「このような区別をしようとするときは、あなた自身に正直であることを確信しなさい」。区別しそうになったら、率直に、まだまだ修業が足らんな、と思えばいいのだ。へ理屈をこねずに、自分に正直であればいい。言われた通りに、淡々とエクササイズを実行すること。"You may be tempted ~ "「(さもなければ)、あなたは、対象を曖昧にしてしまいたい誘惑に駆られてしまうかもしれないから」。これは特別扱いしてしまおう、などと思えば、その対象の幻想性、空性を曖昧にしてしまうことになる。幻想を実在と信じ込ませようと策略するエゴの手中にはまってしまいかねない。
 
 
 


Notification

My photo


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

Powered by Blogger.