●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.1.1:1 ~ W-pI.1.4:3


Lesson 1 



Nothing I see in this room [on this street, 
from this window, in this place] means anything.
  • place [pléis] : 「場所、個所、地域、土地、広場、立場、境遇」
  • mean [míːnz] : 「重要性を持つ、大事である、大切である」
❖ "Nothing I see ~ "「この部屋で私が目にするもの、(あるいは、この通りで目にするもの、この窓から見えるもの、この場所にあるもの)、そのすべては何の意味がない」。"Nothing Means Anything"「何の意味もない、重要ではない」とは、存在価値がない、無価値である、つまらないものだ、という意味合いではない。実相的な意味がない、つまり、真実ではない、という意味である。実在出来るのは真実だけだから、真実でないものは幻想、錯覚に過ぎないということだ。目の前に存在しているかに見える諸々の物体は、実は心が生み出した幻想に過ぎず、知覚があたかも存在するかのように見せかけているだけであって、実相的には(現実的には)実在するものではない。知覚が騙(だま)されているだけなのだ。



1. Now look slowly around you, and practice applying this idea very specifically to whatever you see:
          This table does not mean anything. 
          This chair does not mean anything. 
          This hand does not mean anything. 
          This foot does not mean anything. 
          This pen does not mean anything.
  • slowly [slóuli] : 「ゆっくり、のろのろと」
  • around [əráund] : 「〜の周りに、〜の周囲に」
  • practice [prǽktis] : 「〜を実行する、練習する、実践する」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • idea [aidíə] : 「考え、着想、アイデア、発想」
  • specifically [spisífikəli] : 「特に、明確に、はっきりと、具体的に」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
❖ "Now look slowly ~ "「さあ、あなたの周りをゆっくり見渡しなさい」。"and practice applying ~ "「そして、この(意味はないという)見方を、あなたが目にするものすべてに、極めて具体的に適用する練習をしなさい」。あなたが目にする物すべてに、差別なく、具体的に、意味がない、重要ではないと、その見方を当てはめてみなさい。"This chair does ~ "「このテーブルは意味がない」。"This chair does ~ "「この椅子は意味がない」。"This hand does ~ "「この手は意味がない」。"This foot does ~ "「この足は意味がない」。"This pen does ~ "「このペンは意味がない」。お気付きと思うが、意味がない対象は物体だけでなく、あなた自身の手足に及ぶ。つまり、あなた自身の肉体も、意味はなく重要ではない。心が生み出した幻想に過ぎないのだ。肉体は存在しないなどと、のっけから、信じられない見方、考え方、思想ではあるが、信じられないなら、そのままでいい。こだわらずに、へえ〜、そういうものなんだ、と受け流してしまえばいい。つまり、自分の肉体も、机の上のペン同様に、意味のないものに過ぎなんだと了解するだけでいい。考え過ぎないように。ありもしないものにこだわることがいけないのである。



2. Then look farther away from your immediate area, and apply the idea to a wider range:

          That door does not mean anything. 
          That body does not mean anything.
          That lamp does not mean anything. 
          That sign does not mean anything. 
          That shadow does not mean anything.
  • farther [fάːrðər] : 「もっと遠くへ、もっと先に」
  • away from : 「〜から離れて」
  • immediate [imíːdiət] : 「すぐ前の、直近の、すぐ次の」
  • area [έəriə] : 「地域、地帯、場所、エリア」
  • wide [wáid] : 「範囲が広い、広い」
  • range [réindʒ] : 「範囲、距離、限界、領域」
  • wider range : 「より広い範囲」
❖ "Then look farther ~ "「次に、あなたの間近な領域から離れてものを見て、より広い範囲に、(意味はないという)ものの見方を当てはめてみなさい」。距離感さえも幻想である。実相世界には時間も空間も存在しない。目の前の物体も、少し離れた物体も、もちろん肉体を含めて、すべて幻想であり意味はない。実相的実在ではない。"That door does ~ "「あのドアは意味がない」。"This"が"That"に変化していることに留意すること。"That body does ~ "「あの肉体は意味がない」。"That lamp does ~ "「あのランプは意味がない」。"That sign does ~ "「あの標識は意味がない」。"That shadow does ~ "「あの影は意味がない」。最後の"shadow"「影」が印象的である。つまり、すべては影なのだ。あなたの心が外部に投射したイメージがあなたの目に見えているだけである。あなたは『影』を見ているのだ。影に意味があるだろうか? 実体など何もない。スクリーン写し出された映画の映像、つまり影に過ぎないのである。そういうスタンスで、ものを見なさい、ということである。もちろん、物に限らず、"body"「肉体」も、である。ただし、四六時中、そういう見方をする必要はない。エクササイズを実行する時だけ、そういう見方をするだけでいい。普段は、普段通りに見て、感じて、振る舞えばいいのである。たとえば、あなたの友人を目の前にして、「あなたはそこに存在してはおらず、あなたは意味がない」などと言って、はたして意味があるか? 医者に行け、と言われるのが落ちだ。



3. Notice that these statements are not arranged in any order, and make no allowance for differences in the kinds of things to which they are applied. 
  • notice [nóutis] : 「〜に気が付く、〜に言及する、〜について簡単に話す」
  • statement [stéitmənt] : 「述べること、発言すること、発言、意見」
  • arrange [əréindʒ] : 「〜をきちんと並べる、整える、配置する」
  • in order : 「順番に、順々に、整って、整理されて」
  • allowance [əláuəns] : 「認めること、許容、容認」
  • make no allowance for : 「〜を考慮に入れない、〜を酌量しない」
  • difference [dífərəns] : 「相違、相違点、異なる部分、区別、差別」
  • kind [káind] : 「種類」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
❖ "Notice that ~ "「that以下に注意すること」。お定まりの言い方で、「that以下に留意せよ」、「that以下を注意書きにします」という意味合いである。"that these statements ~ "「これらを口に出すのに、順序立ててアレンジすることはない」。「ランプ」の次には「標識」にしなくてはならない、などという順番はない。"make no allowance ~ "「発言を適用するものの種類に差別を赦してはいけない」。どんな種類の物でも、目に止まったものを差別することなく、順序立てることなく、「意味はない」と言えばいいのだ。



That is the purpose of the exercise. The statement should merely be applied to anything you see. 
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
❖ "That is the purpose ~ "「これが、このエクササイズの目的である」。"The statement ~ "「発言は、あなたが目にするものなら何にでも、ただ単に当てはめるだけでいい」。目にする物を評価したり、価値判断したりしないことが、このエクササイズの目的である。なぜなら、目にする物はすべて幻想であり、幻想という点ですべて等しいからだ。



As you practice the idea for the day, use it totally indiscriminately. 
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • totally [tóutəli] : 「全く、完全に、全体的に、全体として」
  • indiscriminately [ìndiskrímənətli] : 「見境なく、無差別に」
❖ "As you practice ~ "「あなたが、この見方を日々練習するに当たり、まったく無差別にそれを適用しなさい」。差別化しないで、目にするものなら何でも「意味がない」と言えばいいのだが、簡単そうでいて、実はそうでもない。「ランプは意味がない」、それはいいとして、もし目にしたものが、家族の写真であったらどうだろう? 恋人から贈られたプレゼントだったらどうか? 母の形見のネックレスだったらどうか? 物には、人それぞれに思いが込められているものがある。だから、次のように考えるべきだろう。たとえば、母の形見のネックレスは、あなたにとって思い入れのある大切な物ではある。物として見ればネックレスは意味はないが、熱い思いはそれとは別のものであって、思いが真実であって、物そのものはその影に過ぎない。したがって、エクササイズを実行するときは、物への思い入れはしばし意識から外してしまって、心を空(くう)なる状態にして、物を物として眺めればいいのだ。
ワークブックは、物は意味はないと言っているが、だからといって、それを捨ててしまえ、燃やしてしまえ、破壊してしまえ、などとは一言も言ってはいない。そんなことをしたら逆効果である。否定は、否定されたものを現実化させてしまうからだ。これを誤れば、どこぞの宗教の原理主義者のように、破壊行為が意味あることのように見えてきてしまうだろう。



Do not attempt to apply it to everything you see, for these exercises should not become ritualistic. 
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • ritualistic [rìtʃuəlístik] : 「儀式を偏重する、儀式主義の、儀式的な」
❖ "Do not attempt ~ "「あなたが目にするものすべてに、この見方を適応しようなどと企(くわだ)ててはいけない」。これまた、原理主義者が陥る過ちである。目にする物すべて、100も200も、すべてに対して「意味はない」と宣言する必要はないのだ。"for these exercises ~ "「なぜなら、このエクササイズは、決して儀式化すべきではないからだ」。意味もわからないお経を長々と唱えていればいい、などという儀式的なものにすべきではない。儀式的に「意味はない」と唱えることこそ、意味がないではないか。ワークブックは、あなたを盲目的に追従させようとする怪しい宗教ではない。だから、あなたも、自分を盲目的な儀式に引きずり込まないように自己制御する必要がある。
とは言え、あまり難しく考える必要はない。もっと気軽に、短時間に、リラックスして、ちょっと目に止まった物を「本当は意味がないんだね」と言ってやればいいのだ。



Only be sure that nothing you see is specifically excluded. One thing is like another as far as the application of the idea is concerned.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している」
  • specifically [spisífikəli] : 「特に、明確に、はっきりと、具体的に」
  • exclude [iksklúːd] : 「を排除する、締め出す、〜を除く、除外する」
  • like [láik] : 「似ている、類似の、類似した、同様の、同種の」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • as far as : 「〜に関する限りは」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「〜に関係する、〜と関係がある、〜にかかわる」
❖ "Only be sure that ~ "「あなたが目にするものはすべて、特別に除外しないように、ただそれだけを確認しなさい」。目にしたものが奇麗なものでも汚いものでも、差別や区別をしたり、除外したりしなければいい。気軽に、あっさりと、「壁のシミは意味がない」式に、エクササイズを実行すればいい。"One thing is like ~ "「この見方を適用することに関する限り、ある物と他の物は同じなのだ」。すべて、あなたの心が投射によって生み出した幻想である。そこに違いなどない。くどいようだが、母の形見のネックレスと壁のシミは、物としては同じである。しかし、母への思慕の念は、それはそれとして、心の中にしまっておけばいいのだ。こだわりをもってはいけない。



4. Each of the first three lessons should not be done more than twice a day each, preferably morning and evening. 
  • twice [twáis] : 「2回、2度」
  • preferably [préfərəbli] : 「好んで、望ましくは、できれば、なるべく」
❖ "Each of the first ~ "「最初のレッスン3つは、それぞれ、日に2回を越えて練習すべきではない」。"preferably morning ~ "「朝晩の2回が望ましい」。四六時中、あれも意味はない、これも意味はない、と唱えまくってはいけない。何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし、である。



Nor should they be attempted for more than a minute or so, unless that entails a sense of hurry. A comfortable sense of leisure is essential.
  • minute [mínit] : 「分、わずかな時間、寸刻」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
  • hurry [hʌ́ri] : 「急ぐ必要、急ぎたいこと」
  • comfortable [kʌ́mfərtəbl] : 「くつろいだ、ゆったりした、安心している」
  • leisure [léʒər] : 「余暇、暇、気晴らし、娯楽、ゆったりした気楽さ」
  • essential [isénʃəl] : 「絶対必要な、絶対不可欠な、最も重要な、肝心な」
❖ "Nor should they ~ "「また、急(せ)かされるような感じがしない限り、エクササイズは、1〜2分以上試みるべきではない」。短時間でやらなくちゃ、と気が急(せ)いてしまわない限り、エクササイズは数分で終えるべきだ。"A comfortable sense ~ "「ゆったりとした気楽さの、心地よい感覚こそが、肝要である」。何事も、過ぎたるは及ばざるがごとし、なのだが、少々、老婆心を述べさせてもらおう。ACIMの『Text』をお読みになった方はお気付きかも知れないが、ACIMは"meditation"「瞑想」を特に強く推してはいない。否定もしていなが、かと言って肯定的でもない。瞑想を、真実に至るまた別の方法論として捉えているからだろう。しかし、ワークブックのエクササイズは、明らかに瞑想の領域に足を踏み入れている。
瞑想はすばらしいのだが、非常に危険でもある。特に、瞑想のやり過ぎは、時として精神に異常をもたらすことがある。めまい、鬱、幻覚、幻聴、吐き気、不眠、妄想、等々。瞑想にのめり込んで四六時中瞑想状態に浸(つか)かりきれば、そんな危険が迫る。だから、瞑想は個人の独学によらず、達人の指導を受けて実行すべきだと言われているのだ。
このワークブックのエクササイズも瞑想に近い。しかも、個人によるエクササイズである。したがって、のめり込みは非常に危険なのだ。日に二回、たった数分のエクササイズを実行すべきだと書いてあるのは、実に正当なアドバイスなのである。このアドバイスを軽々しく捉えてはいけない。ちょうど、ランニングを始めた自分を想像してみればいい。まさか初日から10キロ20キロを走ったりはしまい。そんなことをしたら、確実に足の故障を引き起こす。初めは軽いウォーキングから始め、徐々に早足歩きをし、1キロ2キロの軽いランニングに移り、数年をかけて10キロ20キロと距離を伸ばし、最終的に40キロのフルマラソンに対応出来る体を作っていくのである。ワークブックが最短360日のプログラムを組んでいる理由がおわかりだろう。しかも、ワークブックを360日で完了させる必要もないのだ。ゆっくり、のんびり、日数をかけて、リラックスして、楽しんで、エクササイズを味わっていくに限る。
 
 
 



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