●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.27.1:1 ~ W-pI.27.4:6

Lesson 27



Above all else I want to see.
  • above all else : 「何にもまして」
❖ "Above all else ~ "「何にもまして、私は見たい」。幻想に惑わされることなく、真実を見たいと強く望むのである。幻想を幻想として、真実を真実として見極めるヴィジョンを希求するのだ。



1. Today's idea expresses something stronger than mere determination. It gives vision priority among your desires. 
  • express [iksprés] : 「表す、示す、述べる、伝達する、表現する」
  • strong [strɔ́ːŋ] : 「力強い、強力な、強い、力がある」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • determination [ditə̀ːrmənéiʃən] : 「決断、決意」
  • vision [víʒən] : 「洞察力、想像力、展望、視覚、視力」
  • priority [praiɔ́ːrəti] : 「優先、優先事項、重要度の高いもの」
  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の中の、〜の間で」
  • desire [dizáiər] : 「熱望、切望、欲望、要求、依頼」
❖ "Today's idea expresses ~ "「今日のものの見方は、単なる決心よりももっと強い何かを表す」。"It gives vision ~ "意訳する、「今日は、あなたの願望の中でヴィジョンを得ることが最優先されることを宣言するのである」。"vision"「ヴィジョン」とは、肉体的な知覚を超越した、真実を直覚的に見抜く視力のこと。実相的な本当の知覚だ。そのヴィジョンを得ることを最優先に望むこと、それが今日のテーマ。



You may feel hesitant about using the idea, on the grounds that you are not sure you really mean it. 
  • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
  • hesitant [hézətənt] : 「ためらって、怖じ気づいて、弱気で、気後れして」
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、理由」
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
  • mean [míːn] : 「本気で〜と言っている、本気である」
❖ "You may feel ~ "「あなたは、〜なので、今日の練習にためらいを感じるかも知れない」。"on the grounds ~ "「あなたは、実際本気だと確信がもてないので、」今日の練習にためらいを感じるかも知れない。あなたはまだ、ヴィジョンの何たるかを知らないから、自分が本当にヴィジョンを希求しているのかどうか自信がないのだ。



This does not matter. The purpose of today's exercises is to bring the time when the idea will be wholly true a little nearer.
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である、大きな違いがある」
  • purposes [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • near [níər] : 「近い場所へ、近くへ、近くに」
❖ しかし、"This does not ~ "「これは問題ではない」。"The purpose of ~ "「今日のエクササイズの目的は、ヴィジョンを得たいという思いが完全に真実になる時を、少しだけ近づけることにある」。ヴィジョンの何たるかがわからなくても、それを強く望むことで、ヴィジョンがあなたのものになるという真実の時は確実に近づいてくる。



2. There may be a great temptation to believe that some sort of sacrifice is being asked of you when you say you want to see above all else. 
  • great [ɡréit] : 「大きい、大きな、巨大な、主要な」
  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
  • some sort of : 「ある種の、何がしかの、何らかの」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、犠牲にすること、いけにえ」
  • ask [ǽsk] : 「求める、要求をする」
  • above all else : 「何にもまして」
❖ "There may be ~ "「あなたが、何にもまして(真実を)見たいと望むとき、何かしらの犠牲があなたに求められるのだと信じたくなる大きな誘惑に駆られるかも知れない」。エゴの思考システムに毒されているので、得るためには何かを奪われると信じてしまう。エゴはあなたの耳元で、ヴィジョンなどを望んだら、この世の富を失ってしまうと囁(ささや)くのである。



If you become uneasy about the lack of reservation involved, add:

        Vision has no cost to anyone.
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • uneasy [ʌníːzi] : 「不安な、心配な、不安定な」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落 」
  • reservation [rèzərvéiʃən] : 「条件を設けること、条件、限定、保留」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、巻き込む、関与させる」
  • add [ǽd] : 「加える、付け足す、言い足す、書き加える」
  • cost [kɔ́st] : 「費用、経費、原価、費用、経費、原価」
❖ "If you become uneasy ~ "「もしあなたが、条件が含まれていないことに不安を感じるようになったら、次の様に付け足せばいい」。ヴィジョンを得るための交換条件が何もないことに不安を感じたなら、つまり犠牲を伴わないことにかえって不安を感じたなら、次のように言えばいい。"Vision has no ~ "「ヴィジョンは誰にも犠牲を強いたりしない」。



If fear of loss still persists, add further:

        It can only bless.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
  • loss [lɔ́s] : 「失うこと、喪失、紛失」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
  • persist [pərsíst] : 「存続する、持続する、続く、生き残る」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお、さらに深く」
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、〜を神聖にする、清める、〜を賛美する」
❖ "If fear of loss still ~ "「それでも喪失の恐れが続くようなら、さらに次のように付け加える」。"It can only ~ "「ヴィジョンはただ祝福出来るのみ」。ヴィジョンは、あなたが本来持っていた真実の知覚であり、外から持ち込むものではない。つまり、眠っていたヴィジョンが目覚めるだけであり、大げさに言えば、死んだものが生き返るのである。まさに、祝福に値するのだ。



3. The idea for today needs many repetitions for maximum benefit. 
  • need [níːd] : 「〜を必要とする、〜する必要がある」
  • repetition [rèpətíʃən] : 「繰り返し、反復、再上演、再現」
  • maximum [mǽksəməm] : 「最大の、最高の、極大の、上限の」
  • benefit [bénəfit] : 「便益、恩恵、利益」
❖ "The idea for today ~ "「最大限に有効性を引き出すために、今日のものの見方は何度も繰り返し述べる必要がある」。



It should be used at least every half hour, and more if possible. You might try for every fifteen or twenty minutes. 
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • at least : 「少なくとも、最少に見ても」
  • every [évri] : 「〜ごとに、〜おきに、毎〜」
  • half [hǽf] : 「半分の、半分に切った、二つ割りにした」
  • hour [áuər] : 「1時間」
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、とてもあり得ない、できない」
  • if possible : 「可能なら、できたら」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • fifteen [fìftíːn] : 「15、15個、15人、15歳、15」
  • twenty [twénti] : 「20、20個、20人、20歳、20時」
  • minute [mínit] : 「分、わずかな時間、寸刻」
❖ "It should be used ~ "「少なくとも30分毎に、出来ればもっと多く、繰り返し述べるべきだ」。"You might try ~ "「15分ごと、あるいは20分ごとに繰り返してもよい」。今日のエクササイズはきつい。四六時中、忘れる間もなく繰り返さなくてはならない。



It is recommended that you set a definite time interval for using the idea when you wake or shortly afterwards, and attempt to adhere to it throughout the day. 
  • recommend [rèkəménd] : 「〜を推奨する、〜を推薦する、〜を薦める」
  • definite [défənit] : 「限定された、明確な、的確な、確かな」
  • interval [íntərvəl] : 「隔たり、間隔、合間」
  • time interval : 「時間間隔」
  • wake [wéik] : 「目が覚める、眼を覚ます」
  • shortly [ʃɔ́ːrtli] : 「間もなく、すぐに、近いうちに、近々」
  • afterwards [ǽftərwərdz] : 「あとで、後で、後に、後ほど、その後」
  • shortly afterward : 「その後間もなく、程なく」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • adhere [ædhíər] : 「着実に実行する、決心を変えない、固執する」
  • throughout [θruːáut] : 「〜の間中、〜の初めから終わりまで」
❖ "It is recommended ~ "「that以下が推奨される」。"that you set ~ "「あなたが朝起きたとき、あるいは、そのちょっと後にでも、今日のものの見方を練習する時間的な間隔を明確にセットしておき、一日を通して頑(かたく)なにそれを実行すること」が推奨される。かなりきつそうだが、案ずるより産むが易し。とにかくトライしてみよう。



It will not be difficult to do this, even if you are engaged in conversation, or otherwise occupied at the time. 
  • difficult [dífikʌ̀lt] : 「困難な、厳しい、苦しい、つらい」
  • even if : 「たとえ〜でも」
  • engage [inɡéidʒ] : 「〜を従事させる、を参加させる」
  • be engaged in : 「〜に従事している、〜に携わっている」
  • conversation [kὰnvərséiʃən] : 「会話、話し合い、対談、雑談、座談」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと」
  • occupy [άkjupài] : 「占領する、従事させる、忙しくさせる」
  • at the time : 「あの時、その頃、当時は、当時の、その時点で」
❖ "It will not be ~ "「たとえ会話に専念していようが、あるいは当座何かに没頭していようが、これならそう難しくないだろう」。時間を決めて、癖のように繰り返し述べるようにすればいい。



You can still repeat one short sentence to yourself without disturbing anything.
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • short [ʃɔ́ːrt] : 「短い、短期間の」
  • sentence [séntəns] : 「文、センテンス」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずして」
  • disturb [distə́ːrb] : 「乱す、かき乱す、不安にさせる、動揺させる」
❖ こうすれば、"You can still repeat ~ "「何かを煩わすこともなく、短いセンテンスを繰り返し述べることが出来るだろう」。誰かと会話していても、心の中で「何にもまして、私は見たい」と短いセンテンスを唱えるだけだから、会話を乱したり、他者を煩(わずら)わすこともない。



4. The real question is, how often will you remember? How much do you want today's idea to be true? 
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、疑問、問い、質疑、課題、問題」
  • often [ɔ́ːfən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
❖ "The real question ~ "「現実的な問題は、あなたがどのくらい覚えているかである」。どのくらい忘れずに実行出来るか。"How much do ~ "「どのくらい、今日の練習を本物にしたいとあなたが望んでいるか、ということである」。



Answer one of these questions, and you have answered the other. 
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • other [ʌ́ðər] : 「その他、ほかのもの、他方」
❖ "Answer one of ~ "「この二つの問いの一つに答えなさい」。"and you have ~ "「そうすれば、他の問いに答えたことになる」。忘れなければ、あなたの願いは本物だし、あなたの願いが本物なら、忘れることはないだろう。



You will probably miss several applications, and perhaps quite a number. 
  • probably [prάbəbli] : 「十中八九は、恐らく」
  • miss [mís] : 「逃す、見逃す、〜を見落とす」
  • several [sévərəl] : 「数個の、いくつかの」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用」
  • perhaps [pərhǽps] : 「たぶん、もしかすると、ことによると」
  • quite a number : 「かなり多数」
❖ "You will probably ~ "「多分あなたは、いくつかの適用練習は逃してしまうかもしれないし、もしかしたら、かなりの数の練習を怠ってしまうかもしれない」。九分九厘、そうなる。だが、めげてはいけない。急ぎの旅ではないのだ。振り出しに戻ればいい。



Do not be disturbed by this, but do try to keep on your schedule from then on. 
  • disturb [distə́ːrb] : 「〜を不安にさせる、乱す、動揺させる」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • keep on : 「〜し続ける、〜することを継続する」
  • schedule [skédʒuːl] : 「予定、スケジュール、計画、日程」
  • from then on : 「その時からずっと、それ以降」
❖ "Do not be ~ "「これに心をかき乱されてはいけない」。"but do try to keep ~ "「(忘れていたら)それ以降、(決めた)スケジュールを続けるようにすればいいのだ」。そして、今日うまくいかなかったら、明日またやればいい。段々慣れてくるはずだ。



If only once during the day you feel that you were perfectly sincere while you were repeating today's idea, you can be sure that you have saved yourself many years of effort.
  • once [wʌ́ns] : 「一度、一回、いったん」
  • during [djúəriŋ] : 「〜の間ずっと、〜の期間に、〜の間に」
  • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
  • perfectly [pə́ːrfiktli] : 「完全に、完璧に、すっかり、全く」
  • sincere [sinsíər] : 「誠実な、正直な、偽りのない、心の底からの」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • save [séiv] : 「〜を節約する、割り引く、出費を減じる」
  • effort [éfərt] : 「尽力、努力、試み、取り組み」
❖ "If only once during ~ "「一日を通して、今日のものの見方を繰り返し述べている過程で、たった一度でも、あなたが完全に誠実であると感じられたら、」本当に、自分は心から何にもまして真実を見たいと望んでいるのだと誠実に信じられたなら、"you can be sure ~ "「何年もの努力を節約出来たと確信することが出来るだろう」。これが、ACIMが、真実に目覚めるための最速最短のコースであると言われる所以(ゆえん)である。修業の時間を節約出来るのだ。むしろ、幻想の時間を縮めてしまう、と言った方がいいかもしれない。あなたは気付くことはないだろうが、これもまた、奇跡なのだ。
 
 
 



W-pI.26.1:1 W-pI.26.9-:3

Lesson 26



My attack thoughts are attacking my invulnerability.
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • invulnerability [invʌ̀lnərəbíləti] : 「傷つかないこと、弱さがないこと」
❖ "My attack thoughts ~ "「私の攻撃的な思いは、傷つくことない私を攻撃する」。"invulnerability"「傷つくことのないこと、傷つけられ得ないこと」とは、幻想が実相的存在を傷つけることは不可能だ、という意味。夜見る夢の中で、あなたがモンスターに襲われて殺されかけても、夢から覚めれば、あなたはまったくの無傷だ。あなたの実相的存在は、どんな幻想によっても傷つけられることはない。ところが、もしあなたが攻撃的な思いを抱いて、他者を攻撃し傷つけることが可能であると信じれば、その思いは現実化して、傷つけられ得ないあなたの存在を危うくしてしまう。あなたの思いが、あなた自身を攻撃してしまうことになる。



1. It is surely obvious that if you can be attacked you are not invulnerable. 
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
  • obviously [άbviəsli] : 「明らかに、はっきりと、明白に、明瞭に」
  • invulnerable [invʌ́lnərəbl] : 「傷つくことのない、不死身の」
❖ "It is surely obvious ~ "「that以下は、確かに明白である」。"that if you can ~ "「もしあなたが攻撃され得るなら、あなたは傷つけられる可能性がある」ということは、確かに明白である。あなたが攻撃的な思いを抱くことは、あなたが他者を傷つけることが可能であると信じているからだ。裏返せば、あなたは他者から攻撃され、傷つけられる可能性があると信じていることになる。思いは現実化し、あなたは傷つけられ得る存在になってしまう。実相的真実が、幻想の黒雲に覆われてしまうのだ。



You see attack as a real threat. That is because you believe that you can really attack. 
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • threat [θrét] : 「脅迫、脅し、脅威」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、真に受ける、確信する、信頼する」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
❖ "You see attack ~ "「あなたは、攻撃を現実的な脅威と見なしている」。攻撃に対する脅威が現実に存在出来るものと信じている。本当は、実相的に脅威など存在しない。"That is because ~ "「それは、あなたは現実的に攻撃出来ると信じているからだ」。他者を攻撃し、あるいは攻撃され得ると信じるから、攻撃への恐れが現実化して、リアルな脅威になってしまうのだ。卑近な例であるが、冷戦時代のアメリカとソ連の核弾頭競争を思い出せばいいだろう。



And what would have effects through you must also have effects on you. 
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効き目、効力」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
❖ "And what would have ~ "「あなたを通して結果を生むものは、あなたの上に影響を与える」。あなたは他者に対して攻撃し、他者を傷つけるという結果を期待するだろうが、それは自分に跳ね返って来て、あなたはあなた自信を攻撃し、あなた自身を傷つける結果に終わる。あなたと他者は分離などしていない。自他一如であるから、他者を攻撃することはあなたを攻撃することであり、他者を傷つけ得ると信じることは、自分が傷つけられ得ると信じることである。あなたと他者は鏡像関係にある。あなたが鏡の前でナイフを突きつければ、鏡の中のあなたはあなたにナイフを突きつける。



It is this law that will ultimately save you, but you are misusing it now. 
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「最後に、最終的に」
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • misuse [misjúːz] : 「誤用する、悪用する、乱用する」
❖ "It is this law that ~ "「この法則が、究極的にはあなたを救うことになるが、今は、その法則を誤って用いている」。もしあなたが、実相的な存在として、誰からも傷つけられることが不可能なのだと信じることが出来れば、あなたは攻撃的な思いを放棄し、恐れや脅威から救われ得る。自他一如という法則を正しく使うことが出来るのだ。しかし、今は、分離という概念が自他一如を覆い隠し、あなたは他者を敵と見なしている。鏡の中のあなたに花束を差し出せば、鏡の中のあなたはあなたに花束を差し出してくれる。これが、自他一如という法則の正しい使い方である。



You must therefore learn how it can be used for your own best interests, rather than against them.
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる、〜を覚える、知る」
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • best [bést] : 「最高の、最も良い、最善の、絶好の」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、影響力、利益、利害」
  • rather than : 〜「よりはむしろ、かえって」
  • against [əɡéinst] : 「〜に反対して、〜に逆らって、〜にそむいて」
❖ "You must therefore ~ "「したがって、あなたは、その法則に逆らうよりはむしろ、どうすればその法則を、あなた自身に最も有益になるように使うことが出来るか、学ぶ必要がある」。実相的に傷つけられることはないこと、そして、攻撃も恐れも幻想なのだと知る必要がある。自他一如という法則を知り、あなたに最も有益なことにそれを使う方法を学ばねばいけない。ナイフの代わりに花束を差し出すことを学ばなくていけない。



2. Because your attack thoughts will be projected, you will fear attack. 
  • project [prάdʒekt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
❖ "Because your attack ~ "「あなたの攻撃的な思いが投影されるから、あなたは恐れるのである」。他者を攻撃し得るという思いが他者に投影され、他者もあなたを攻撃し得ると信じる。かくして、あなたは他者の攻撃を恐れることになる。自他一如の誤った使い方なのだ。"project"「投影する」とは、あなた自身を鏡に映し、鏡の中のあなたをイメージとして作り出すこと。



And if you fear attack, you must believe that you are not invulnerable. 
  • invulnerable [invʌ́lnərəbl] : 「傷つくことのない、不死身の」
❖ "And if you fear ~ "「そしてもし、あなたが攻撃を恐れるなら、あなたは、傷つけられるかもしれないと信じることになる」。傷つけられ得ないという実相的真実が、幻想の攻撃性によってかき消されてしまうのだ。お気付きと思うが、これがエゴの思考システムの発想である。エゴは、攻撃される前に攻撃せよ、奪われる前に奪えと教える。傷つけられる前に傷つけよ、と囁(ささや)くのだ。



Attack thoughts therefore make you vulnerable in your own mind, which is where the attack thoughts are. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • vulnerable [vʌ́lnərəbl] : 「弱い、脆弱な、傷つきやすい、攻撃されやすい」
❖ "Attack thoughts therefore ~ "「したがって、攻撃的な思いは、攻撃的な思いが存在するあなたの心の中で、あなたを傷つけられ得る存在にする」。心の中に攻撃的な思いが生じたら、それは、傷つけられ得ないという実相的真実を放棄したものと思っていい。したがって、あなたは、傷つけられ得るという幻想を生きることになる。



Attack thoughts and invulnerability cannot be accepted together. They contradict each other.
  • accept [æksépt] : 「承認する、認める、容認する、受け入れる」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に、同時に」
  • contradict [kὰntrədíkt] : 「〜と矛盾する、相反する」
  • each other : 「お互い」
❖ "Attack thoughts ~ "「攻撃的な思いと傷つけられ得ないという真実は、同時に受け入れることは不可能だ」。"They contradict ~ "「両者は、互いに矛盾するからだ」。幻想と実相を同時に認めることは不可能だ。攻撃を認めるなら、傷つけられ得ないという実相は放棄しなくてはいけないし、傷つけられ得ないという実相は、攻撃性をかき消してしまう。



3. The idea for today introduces the thought that you always attack yourself first. 
  • introduce [ìntrədjúːs] : 「取り入れる、導入する、招く、紹介する」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
❖ "The idea for ~ "「今日のものの見方は、あなたは常に、自分自身を最初に攻撃するのだという考えを導入する」。あなたが心の中に攻撃的な思いを浮かべた瞬間、あなたは自分自身の傷つけられ得ないという実相を放棄したことになり、つまりは、あなた自身を攻撃したことになる。実相を放棄し、幻想を信じることは、自分自身に対する第一攻撃なのだ。



If attack thoughts must entail the belief that you are vulnerable, their effect is to weaken you in your own eyes. 
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効き目、効力」
  • weaken [wíːkən] : 「弱める、弱体化させる」
❖ "If attack thoughts ~ "「もし、攻撃的な思いが、あなたが傷つけられ得ると信じる思いを引き起こすなら、それは、あなたの目から見て、あなたを弱める結果になる」。実相的な視点から見れば、あなたは傷つけられることはなく、その意味では、あなたは強い。しかし、攻撃的な思いを抱けば、あなたは傷つけられ得ることを信じたことになり、あなたの視点(幻想的な視点)から見れば、あなたは弱体化させられる。



Thus they have attacked your perception of yourself. And because you believe in them, you can no longer believe in yourself. 
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "Thus they have attacked ~ "「こうして、攻撃的な思いは、あなた自身の知覚を攻撃してしまうのだ」。攻撃的な思いは、あなたを幻想的な視点に留め置き、実相的な視点から遠ざける。こうして、あなたの知覚は真実を見極めることが出来なくなる。攻撃的な思いは、あなたの知覚を狂わすのだ。"And because you ~ "「そして、あなたは、攻撃的な思いを信じているので、もはやあなた自身を信じることが出来なくなるのである」。攻撃的な思いを抱くことで、あなたは自分が傷つけれれ得るという誤った知覚を信じてしまう。こうして、あなたは、あなたが実相的には決して傷つくことなどない神の子であるという自分自身を信じることが出来なくなってしまう。



A false image of yourself has come to take the place of what you are.
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、虚偽の、本物でない、偽の」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像、心象、象徴」
  • take the place of : 「〜の代わりをする、〜に取って代わる」
❖ "A false image of ~ "「あなた自身の誤ったイメージが、本当のあなた自身に取って代わる」。攻撃され傷つけられ得る肉体をもった自分というイメージが、攻撃されることも傷つけられることもない心の存在という真実に取って代わる。幻想に生きることが、実相に生きることを払拭してしまうのだ。無明を生きるとは、そういうことである。光を避けて、闇の中に彷徨(さまよ)うのである。



4. Practice with today's idea will help you to understand that vulnerability or invulnerability is the result of your own thoughts. 
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
❖ "Practice with today's idea ~ "「今日のものの見方を練習することは、傷つけられ得ることも傷つけられ得ないことも、あなた自身の思いの結果であると、あなたが理解する助けになるだろう」。攻撃的な思いを取るか、それを捨てるか、あなたの心の思い一つで、傷つけられることも傷つけられないことも決定する。幻想を選ぶか実相を選ぶか、あなたの心一つなのだ。



Nothing except your thoughts can attack you. Nothing except your thoughts can make you think you are vulnerable. 
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
❖ "Nothing except your ~ "「あなたの思いを除いて何ものも、あなたを攻撃することは出来ない」。あなたを攻撃出来るものは、あなたの思いだけである。あなたはあなたを攻撃するだけなのだ。"Nothing except ~ "「あなたの思いを除いて何ものも、あなたは傷つけられ得るとあなたに思わせることは出来ない」。あなたの幻想を信じる思いが、あなたを弱体化させるのだ。



And nothing except your thoughts can prove to you this is not so.
  • prove [prúːv] : 「証明する、〜が…であることを示す」
❖ "And nothing except ~ "「そして、あなたの思いを除いて何ものも、それはそうではないのだと、あなたに証明して見せることは出来ない」。幻想を信じるのも心なら、幻想を否定するものもまた、あなたの心である。実相を否定するもの心なら、実相を取り戻すものまた、あなたの心である。そして、すべてはあなたの自由意思による選択に委ねられている。闇の中を彷徨うことを選択したのはあなたである。光を求めるのも、またあなたの選択なのだ。



5. Six practice periods are required in applying today's idea. 
  • period [píəriəd] : 「終わり、終止符、完結文」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、〜に要求する、命じる」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
❖ "Six practice periods ~ "「今日のものの見方を適用するにあたって、6回の練習が求められる」。



A full two minutes should be attempted for each of them, although the time may be reduced to a minute if the discomfort is too great. Do not reduce it further.
  • full [fúl] : 「いっぱいの、満ちた、最大限の、充実した、活動的な」
  • minute [mínit] : 「分、わずかな時間、寸刻」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • although [ɔːlðóu] : 「〜ではあるが、〜だけれども」
  • reduce [ridjúːs] : 「少なくする、減らす、縮小する」
  • discomfort [diskʌ́mfərt] : 「不快感、不快症状、戸惑い、不安感」
  • great [ɡréit] : 「大きい、すてきな、素晴らしい」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお、さらに深く」
❖ "A full two minutes ~ "「毎回、たっぷり2分間の練習をすべきである」。"although the time ~ "「不快感が大きくなったら、時間を1分間に短縮してもいいが、それ以上に短くしてはいけない」。



6. The practice period should begin with repeating the idea for today, then closing your eyes and reviewing the unresolved questions whose outcomes are causing you concern. 
  • begin with : 「〜から始める」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • close [klóuz] : 「閉じる、閉める」
  • review [rivjúː] : 「もう一度見る、見直す、洗い直す、振り返る」
  • unresolved [ʌnrizάlvd] : 「決心していない、解決していない、消散していない」
  • question [kwéstʃən] : 「質問、疑問、問い、質疑、課題、問題」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「関心事、懸案、心配、不安」
❖ "The practice period ~ "「練習は、今日のものの見方を繰り返し述べることから始め、その後目を閉じて、あなたに懸念を起こさせる未解決の問題を洗い出す」。



The concern may take the form of depression, worry, anger, a sense of imposition, fear, foreboding or preoccupation. 
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • depression [dipréʃən] : 「落ち込み、意気消沈、絶望、鬱」
  • worry [wə́ːri] : 「不安、心配、気掛かり、気苦労、懸念、憂慮」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
  • imposition [ìmpəzíʃən] : 「強制、押し付け、義務、負担」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
  • foreboding [fɔ̀ːrbóudiŋ] : 「予感、虫の知らせ、前兆」
  • preoccupation [priὰkjupéiʃən] : 「没頭、夢中にさせるもの」
❖ "The concern may ~ "「懸念は、落ち込みや、不安、怒り、強制感、恐れ、嫌な予感、こだわりなどの形をとるかもしれない」。つまり、嫌な感じがするものはすべて、あなたの懸念として洗い出せばいい。



Any problem as yet unsettled that tends to recur in your thoughts during the day is a suitable subject. 
  • problem [prάbləm] : 「問題、課題、困難な状況」
  • unsettled [ʌnsétld] : 「未解決の、未決定の、不安定な」
  • tend [ténd] : 「〜しがちである、〜する傾向がある」
  • recur [rikə́ːr] : 「再発する、繰り返される、再び起こる」
  • during [djúəriŋ] : 「〜の間ずっと、〜の期間に、〜の間に」
  • suitable [súːtəbl] : 「ふさわしい、適切な」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「対象、題材、被写体、主題、題目」
❖ "Any problem as yet ~ "「一日中、あなたの思いの中に繰り返される傾向にある未解決の問題は、今日のものの見方の格好の対象となる」。つまり、あなたの心配事をエクササイズの対象にすればいい。



You will not be able to use very many for any one practice period, because a longer time than usual should be spent with each one. Today's idea should be applied as follows:
  • be able to : 「〜することができる、〜し得る、〜が可能である」
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • usual [júːʒuəl] : 「通常の、通例の、普通の、いつもの」
  • spent [spént] : 「spendの過去・過去分詞形」
  • spend [spénd] : 「使う、費やす」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • as follows : 「次の通りのように」
❖ "You will not be ~ "「どの練習においても、多くの懸念を取り扱うことは出来ないだろう」。"because a longer ~ "「なぜなら、一つ一つの懸念に対して、いつもより多くの時間が費やされるべきだからだ」。心配事をじっくり考えよ、ということ。懸念がいっぱいありそうに見えても、よく見ると、根っこは同じだということがよくある。つまり、あなたの懸念の多くは、あなたの攻撃的な思いに原因があると気付けばいい。あなたの幻想に捕われた思いが、懸念の多くを生み出しているのだ。"Today's idea should ~ "「次のように、今日のものの見方を適用する」。



7. First, name the situation:

        I am concerned about ______.
  • name [néim] : 「〜に名をつける、〜の名前を挙げる」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • be concerned about : 「〜について心配している、〜に気遣っている、〜に思いやられる」
❖ "First, name ~ "「最初に、状況の名前をあげる」。"I am concerned ~ "「私は、〜について懸念を抱いている」。



Then go over every possible outcome that has occurred to you in that connection and which has caused you concern, referring to each one quite specifically, saying:

        I am afraid ______ will happen.
  • go over : 「調べる、検査する、捜索する、探査する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • connection [kənékʃən] : 「関係、関連、つながり」
  • in that connection : 「その点について、その点に関して」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、招く、〜の原因になる」
  • concern [kənsə́ːrn] : 「関心事、懸案、心配、不安」
  • refer [rifə́ːr] to : 「〜に言及する、〜に注意を向ける」
  • quite [kwáit] : 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • specifically [spisífikəli] : 「特に、明確に、はっきりと、具体的に」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • happen [hǽpən] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
❖ "Then go over every ~ "「その後、その状況に関連して、あなたに起こる可能性のある結果、つまり、あなたに懸念を抱かせる可能性のあるあらゆる結果を調べる」。"referring to each ~ "「そして、次のように言って、極めて具体的に一つ一つに言及する」。"I am afraid ~ "「私は、〜が起きはしないかと恐れている」。あなたがどんな状況にあって、どんな懸念を抱くに至ったか、精査する。言葉に出すことで明白化させるのだ。



8. If you are doing the exercises properly, you should have some five or six distressing possibilities available for each situation you use, and quite possibly more. 
  • properly [prάpərli] : 「適切に、ちゃんと、正確に、正しく、厳密に」
  • distressing [distrésiŋ] : 「悩ませる、苦しめる、悩ませる」
  • possibility [pὰsəbíləti] : 「可能性、実現性」
  • available [əvéiləbl] : 「利用できる、入手できる、得られる」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • possibly [pάsəbli] : 「もしかすると、ひょっとしたら、多分」
❖ "If you are doing ~ "「もしあなたが、エクササイズを適切に実行しているなら、あなたが考えている各状況に対して、5つか6つの悩みが手に入るはずだし、」"and quite possibly ~ "「もっとある可能性も極めて高い」。



It is much more helpful to cover a few situations thoroughly than to touch on a larger number. 
  • helpful [hélpfəl] : 「役立つ、助けになる、有益な、参考になる」
  • cover [kʌ́vər] : 「取り上げる、取り扱う、対象にする、含める」
  • thoroughly [θə́ːrouli] : 「完全に、すっかり、徹底的に、じっくり、とことん」
  • touch on : 「〜にタッチする、〜について触れる、〜に接近する」
❖ "It is much more ~ "「数多くの悩みに対処するよりも、少ない状況を完全にカバーした方がより役に立つ」。多くの悩みの表面だけをなぞるより、少数の悩みと状況を徹底的に調べた方がいい。



As the list of anticipated outcomes for each situation continues, you will probably find some of them, especially those that occur to you toward the end, less acceptable to you. 
  • list [líst] : 「リスト、一覧表、表、目録、羅列」
  • anticipated [æntísəpèitid] : 「予想された、予期される」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • continue [kəntínjuː] : 「続く、継続する」
  • probably [prάbəbli] : 「十中八九は、恐らく」
  • find [fáind] : 「気付く、理解する、発見する、見いだす」
  • especially [ispéʃəli] : 「特に、著しく、殊のほか、とりわけ」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • toward the end : 「終わり頃に、末頃に、終盤に近づくにつれて」
  • acceptable [ækséptəbl] : 「受け入れることができる、容認できる」
❖ "As the list of ~ "「各状況に対して、予期される結果をリストアップして行くにしたがい、その中のいくつかは、特に終わりに近づくにしたがい起こるのだが、あなたにとって受け入れがたいものだと気付くかもしれない」。たとえば、あなたの娘にかなり親密なボーイフレンドが出来たとしよう。そんな状況にあって、あなたは不安を感じる。娘が男に騙されて、結果的に娘は破滅してしまうのではないかと懸念する。しかし、よくよく心を精査していくと、あなたの心の中に、娘のボーイフレンドに対する不信感と、同時に攻撃的な思いが潜んでいることに気付く。娘に近づこうとする男は、娘にとって危険な敵であり、事の次第では男を攻撃してやろうという思いが湧いてくるのだ。ところが、さらに心を見つめていけば、もしかしたら、騙しているのは男ではなく娘である可能性もあるわけで、そもそも、騙すとか騙されるとかいう攻撃的な思いが不安を煽(あお)っていることに気が付く。あなたに攻撃的な思いがあるから、娘は傷つく可能性があると感じてしまうのだ。



Try, however, to treat them all alike to whatever extent you can.
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する、受け止める」
  • alike [əláik] : 「同様に、一様に」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも、どんなものが〜でも」
  • extent [ikstént] : 「範囲、規模、広がり、程度、度合い」
❖ "Try, however ~ "「しかしながら、出来るだけ同じ程度に、状況に対する予期される結果を同等に扱うように」。善し悪しの判断を中断して、可能性のある結果を網羅していけばよい。その中から、あなたの攻撃的な思いが浮かび上がって来るだろう。



9. After you have named each outcome of which you are afraid, tell yourself:

        That thought is an attack upon myself. 
  • after [ǽftər] : 「〜した後で、〜してから」
  • name [néim] : 「〜に名をつける、〜の名前を挙げる」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
❖ "After you have ~ "「あなたに恐れを抱かせる結果の名前を一つ一つあげた後で、あなた自身に次のように告げる」。"That thought is ~ "「そんな思いは、私自身への攻撃である」。あなたに攻撃的な思いがあるから、傷つく可能性が生まれ、傷つく可能性があるから恐れる。結局、自分で自分を攻撃しているようなものなのだ。



Conclude each practice period by repeating today's idea to yourself once more.
  • conclude [kənklúːd] : 「〜を完結する、終える、無事に済ませる」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • once more : 「もう一度繰り返して」
❖ "Conclude each ~ "「もう一度、今日のものの見方を繰り返し述べることで、各練習を終える」。つまり、"My attack thoughts are attacking my invulnerability"「私の攻撃的な思いは、傷つくことない私を攻撃する」と宣言して、練習を終えればいい。
 
 
 



W-pI.25.1:1 ~ W-pI.25.6:8

Lesson 25



I do not know what anything is for.
  • anything [éniθìŋ] : 「何でも、どんなものでも」
❖ "I do not know ~ "「何であれ、それが何のためにあるのか、私は知らない」。この世界に存在するものが、一体何のためにあるのか、あなたは知らない。この世界のものは、あなたの心が、思いを外部に投影して作り上げたイメージである。なぜそんなものを作り上げたのか、その目的は何なのか、幻想の存在意義は何なのか、あなたは知らない。



1. Purpose is meaning. Today's idea explains why nothing you see means anything. 
  • purposes [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • explain [ikspléin] : 「〜を説明する、明らかにする」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、重要性を持つ、大事である」
❖ "Purpose is ~ "「目的こそが意味である」。ものが存在する目的が、そのものの存在意義を表す。"Today's idea explains ~ "「今日のものの見方は、なぜ、あなたが目にするものすべては何も意味がないのか、それを説明している」。この世界のものすべては、あなたの心が作り上げたイメージ、幻想に過ぎない。その意味では、それだけで、ものには存在意義などないと言える。しかし、なぜ存在意義のないものを幻想したのか、その目的がわからなくては、幻想から本当に目覚めることは出来ないのだ。さらに、幻想に対して、幻想から目覚めるための道具であるという目的を与えてることによって、幻想に存在意義が生まれるというからくりが理解出来ないのである。



You do not know what it is for. Therefore, it is meaningless to you. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味が分からない、無意味な」
❖ "You do not know ~ "「あなたが目にするものは、何のためにあるのか、あなたは知らない」。ものの存在意義、その目的をあなたは知らない。"Therefore, it is ~ "「したがって、あなたが目にするものは、あなたにとって意味がないのだ」。目的を持たないものは、幻想であろうがなかろうが、あなたにとっては意味がない。卑近な例になるが、猫は小判が何のためにあるのか知らないから、小判は猫にとって意味がないのだ。



Everything is for your own best interests. That is what it is for; that is its purpose; that is what it means. 
  • best [bést] : 「最高の、最も良い、最善の、絶好の」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、影響力、利益」
❖ "Everything is for ~ "「あらゆるものは、あなた自身にとって最も有益なことのためにある」。"your own best interests"「あなた自身にとって最も有益なこと」とは、真実、実相のこと。綿菓子にも満たない幻想(虚偽)が、あなたにとって有益だとは、誰が言えよう。つまり、この幻想世界のものすべては幻想に過ぎないから、あなたにとっては有益ではなく、意味もない。しかし、その幻想を、真実に目覚めるために利用するなら、突然、無意味な幻想はすべて、あなたにとって最も有益なものに変身するのだ。"That is what ~ "「それこそが、ものが何のためにあるかということであり、その目的であり、それが意味することである」。幻想世界のものは、幻想から目覚めるための道具であると見て取ることが出来たとき、そのとき初めて、幻想のものは何のためにあるのか、その目的、存在意義が明確になるのである。



It is in recognizing this that your goals become unified. It is in recognizing this that what you see is given meaning.
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「認める、受け入れる、〜を認識する」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • unified [júːnəfàid] : 「一つにまとめられた、統合された」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
❖ "It is in recognizing ~ "「あなたの目的が統一されるのは、この認識においてである」。幻想は、幻想から目覚めるための道具であると認識出来たとき、あなたの目的意識は実相に向けて統一される。"It is in recognizing ~ "「あなたが目にするものに意味が与えられるのは、この認識においてである」。幻想は、幻想から目覚めるための道具であると認識出来たとき、あなたが目にするものはすべて何のために存在するのか、それが理解出来る。幻想に意味が与えられるのだ。



2. You perceive the world and everything in it as meaningful in terms of ego goals. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
  • in terms of : 「〜に関して、〜の観点から」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
❖ "You perceive the world ~ "「エゴの目的から見れば、あなたは、この世界も世界のものもすべて、意味があると知覚している」。この世界は単なる幻想であるから、その観点から見れば、意味などない。しかし、あなたは反論するだろう。金は物を買えるから意味があり、メシは空腹を満たすから意味があり、地位は人を支配出来るから意味があると。幻想を幻想の視点から眺めると、幻想は大いに意味があるように見えるのだ。幻想の視点、それが、エゴの目的に叶った視点である。
神の子が神から分離した後、その分離を象徴する形で、神の子は、この世界を心の外部に投影して偽創造した。この世界は分離の象徴なのだ。したがって、人も物もすべて分離して存在することとなる。その神の子は、分離の象徴としてエゴという偶像を祭り上げた。エゴは分離を維持する使命を担ったのだ。したがって、エゴは幻想を幻想と見えないように、幻想に幻想の意味を与えて神の子を幻想に縛りつける。金は幻想だが、幻想の物を買うことが出来るように見せることで、金に実在感を与え、物に実在感を与える。ともに、存在の意味があるように見せかけるのだ。腹を空(す)かす肉体もまた幻想に過ぎないのだが、メシを与えることで命らしきものを維持させ、実在感をもたらすように仕組む。他者を支配することで、存在感を与えることに成功する。争い、奪い、殺すことで、分離世界はますます騒々しく活動的にさえ見えるようになるのだ。非常にリアルに見える。エゴの策略である。こうしてエゴは、神の子をエゴの視点に縛りつけ、よもや幻想から目覚めたいなどという野望を持たないように、あなたを幻想の中に封じ込めるのだ。真実はエゴの最大の敵である。あなたが真実に目覚めたりしたら、エゴは消滅してしまうからだ。



These goals have nothing to do with your own best interests, because the ego is not you. 
  • have nothing to do with : 「〜と関係がない」
❖ "These goals have ~ "「これらエゴの目的は、あなた自身の最も有益なこととは無関係である」。"because the ego ~ "「なぜなら、エゴはあなたではないのだから」。エゴの目的はエゴにとって有益なのであって、エゴとはまったく異る神の子であるあなたにとっては有益ではない。エゴの幻想は、あなたの真実ではないのだ。幻想に閉じこめようとするエゴの目的は、幻想から目覚めようとするあなたにとっては、有益どころか、かえって害なのである。



This false identification makes you incapable of understanding what anything is for. As a result, you are bound to misuse it. 
  • false [fɔ́ːls] : 「正しくない、誤った、虚偽の、偽の」
  • identification [aidèntifəkéiʃən] : 「同一であること、識別、同定」
  • incapable [inkéipəbl] of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
  • understand [ʌ̀ndərstǽnd] : 「理解する、分かる、把握する」
  • as a result [rizʌ́lt] : 「結果として、結果的に」
  • be bound [báund] to : 「〜しなければならない、〜する運命にある」
  • misuse [misjúːz] : 「誤用する、悪用する、乱用する」
❖ "This false identification ~ "「この誤った自己同一化は、ものが何のためにあるかということを理解不能にしている」。あなたが自分をエゴと同一化している限り、幻想世界の存在が何のためにあるのか、あなたは理解出来ない。"As a result ~ "「その結果、あなたは、ものを誤用せざるを得ないのだ」。幻想に過ぎないものを、幻想を強化するために使ってしまうのである。幻想から目覚めるための道具であるという見方が出来ないのだ。



When you believe this, you will try to withdraw the goals you have assigned to the world, instead of attempting to reinforce them.
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • withdraw [wiðdrɔ́ː] : 「取りやめる、断つ、引っ込める」
  • assign [əsáin] : 「〜を割り当てる、指定する、任命する」
  • instead [instéd] of : 〜の代わりに
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • reinforce [rìːinfɔ́ːrs] : 「強化する、補強する、増強する」
❖ "When you believe ~ "「あなたが、こういったこと(事実)を信じることが出来たとき、あなたは、エゴの目的を強化しようと試みる代わりに、あなたが世界に割り当てた(エゴの)目的を取り下げようと努めるだろう」。あなたはエゴの策略にまんまと騙されて、幻想を実在だと信じ、幻想を強化するために、分離を象徴する世界を受け入れている。これは誤りなのだと、虚偽なのだと信じることが出来るようになれば、あなたはエゴの思考システムを取り下げて、ホーリー・スピリットの思考システムに移行することが出来るのだ。



3. Another way of describing the goals you now perceive is to say that they are all concerned with "personal" interests. 
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • describe [diskráib] : 「言い表す、説明する、描写する、表現する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • be concerned [kənsə́ːrnd] with : 「〜に関係している、〜に関心がある」
  • personal [pə́ːrsənl] : 「個人の、個人的な、私事の、私的な」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、影響力、利益、利害」
❖ "Another way of ~ "「あなたが今知覚している目的を、別の言い方をすれば、次のようになる」。"that they are all ~ "「目的はすべて、『個人的な』利益に関係していると言える」。エゴがあなたに強いている目的は、あなたと同胞を分離したままに維持することであり、言い換えれば、あなたを『個人的な』利益に縛りつけて、あなたを他者から分離しておこうという目的なのだ。したがって、あなたは物に対して所有権を主張することになる。あれは彼の物だが、これは私の物だと宣言し、それを犯す者はあなたの攻撃の対象となるのである。こうして、物の所有権を主張することで、あなたと他者は完全な分離の状態を保つ。エゴの巧妙な策略だ。



Since you have no personal interests, your goals are really concerned with nothing. 
  • since [síns] : 「〜なので、〜だから」
  • really [ríəli] : 「実際には、確かに、本当に」 
❖ しかし、実相的な視点に立つと、"Since you have no ~ "「あなたは個人的な利益など持つことはないので、あなたの目的は、実際は、無と関係していることになる」。エゴの策略で、あなたは他者と分離していると信じているが、実相的な視点に立ってみれば、あなたと他者は自他一如である。同体であり、分離などしていない。したがって、本当は、個人的な利益などということはあり得ないのだ。個人的な所有を可能にするものなど存在しないから、それを得ようとする目的は、実際、無を求めようとしている目的である。



In cherishing them, therefore, you have no goals at all. And thus you do not know what anything is for.
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大事にする、〜を大切にする、可愛がる」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
❖ "In cherishing them ~ "「したがって、無を求める目的を大切にしている限り、あなたは、まったく目的を持っていないと言える」。分離を維持するための目的は、真実に照らして見れば、まったくの無である。無を求める目的など無意味であるから、あなたは目的などもっていないと言えるのだ。"And thus you do not ~ "「こうして、あなたは、ものが何のためにあるのか、知ることは出来ないのである」。目的のないものは、何のためにあるのか、あなたには知る由(よし)もない。
こう考えたらどうであろう。パソコンのゲームを想定してみよう。パソコン上の仮想空間に、あなたは対戦相手を多数もち、仮想的な物を仮想的な金で売り買い出来るゲームである。あなたは、仮想的な分離した相手と金と物を奪い合い、攻撃し、騙し、仮想的な金と物をどんどんため込む。あなたは、ゲーム上では、仮想的な金や物を得るという目的をもっているように感じるだろうが、一度、ゲームを終えてパソコンの電源をオフにしたらどうなるか? 仮想的な金や物を得るという目的は、目的自体が仮想であり、現実的には無であることに気付くはずだ。あなたはゲーム上で、無を求める目的をもっていただけなのだ。ゲームを終えてみると、あなたは目的など何ももっていないのである。こうして、あなたは、目的をもたない仮想空間の金や物が何のためにあるのか、知ることなど出来ないのだ。
このパソコン上の仮想空間が、今あなたが生きて活動していると信じるこの幻想世界である。そして、ACIMは、そんな仮想的なパソコン・ゲームから早く抜け出して、パソコンの電源を切りなさいと教える。ゲーム上の目的など無に過ぎないと教える。ゲーム上の対戦相手も、あなたの敵も、そんなものは現実には存在しないと教える。実在するのは、神の子であるあなた一人なのだ。



4. Before you can make any sense out of the exercises for today, one more thought is necessary. 
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
  • make sense [séns] : 「意味をなす、道理にかなう」
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
❖ "Before you can make ~ "「今日のエクササイズを有意義なものにする前に、もう一つの考え方が必要とされる」。



At the most superficial levels, you do recognize purpose. Yet purpose cannot be understood at these levels. 
  • superficial [sùːpərfíʃəl] : 「表面的な、うわべだけの、見掛けの」
  • level [lévəl] : 「地位、階級、段階、レベル、高さ、高度、深さ」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • purposes [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
❖ "At the most superficial ~ "「最も表面的なレベルでは、あなたは目的を認識出来る」。この世界の幻想レベルでは、あなたは目的らしきものを持っている。"Yet purpose cannot ~ "「しかし、このレベルでは、目的は理解することが不可能なのだ」。たとえば、この幻想世界のレベルに生きている限り、奪ってでも盗んででも金や物を得ることを、生きる目的として認識出来る。しかし、その目的の裏に隠された本当の意味、つまり、エゴの、分離を維持するという目的は、このレベルに止まる限り理解することは出来ない。あるいは、幻想を使って幻想から目覚めるという、ホーリー・スピリットの目的を理解することは出来ないのだ。



For example, you do understand that a telephone is for the purpose of talking to someone who is not physically in your immediate vicinity. 
  • for example [iɡzǽmpl] : 「例えば、例として」
  • physically [fízikəli] : 「物理的に、物的に、肉体的に、身体的に」
  • immediate [imíːdiət] : 「すぐ前の、直近の、すぐ次の」
  • vicinity [visínəti] : 「近所、近辺、付近」
❖ "For example ~ "「たとえば、あなたは、電話は、あなたの身近に物理的に存在していない誰かと話しをする目的をもっているのだと、確かに理解している」。



What you do not understand is what you want to reach him for. And it is this that makes your contact with him meaningful or not.
  • reach [ríːtʃ] : 「達する、至る、手が届く、〜に連絡する」
  • contact [kάntækt] with : 「〜との接触」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、意味深長な、重要な」
❖ "What you do not ~ "「あなたが理解していないことは、なぜ彼に(電話で)連絡をとっているのか、ということである」。"And it is this that ~ "「これによって、彼との接触が意味があるか、ないかが決まるのである」。ここでは電話を例に使って説明しているのだが、電話では意味が判然としないかもしれない。先のように、金と物を使って説明してみよう。あなたは、金はあなたが所有していない物を自分の物にするという目的をもっていると、確かに理解している。しかし、あなたは、なぜ金で物を所有しなくてはならないのか、その点を理解していないのである。金で物を買って、しばしの所有感に満足するだけなら、金を使うことは、実相的な意味がない。しかし、金や物に対する欲、物欲を断ち切るために、その金を利用するなら、金は俄然意味をもってくるのだ。
仏教では、物欲を滅することを第一に勧める。除夜の鐘に象徴されるように、煩悩を滅するのである。物をもって、物欲を滅するのである。愛をもって、愛欲を滅するのである。つまり、幻想から目覚める目的で、煩悩を滅するのだ。幻想に捕われた心を解放するのである。仏教で教える『諦観』は、単に物を諦めることではない。物をもって欲を断ち切る能動的な意味があるのだ。欲にまみれた情念を断ち切るのである。



5. It is crucial to your learning to be willing to give up the goals you have established for everything. 
  • crucial [krúːʃəl] : 「極めて重要な」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • be willing to : 「〜する意思がある、〜に前向きである」
  • give up :  「あきらめる、断念する、降伏する」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
❖ "It is crucial to ~ "「あなたの学びにとって、あなたがすべてに対して確立した目的を喜んで諦めることが極めて重要である」。あなたが実相的な真実を学ぶにあたって、エゴが押し付けた目的、すなわち分離を加速させる目的を放棄することが必須である。これが『諦観』である。



The recognition that they are meaningless, rather than "good" or "bad," is the only way to accomplish this. The idea for today is a step in this direction.
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証、真価を認めること」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
  • rather than : 〜「よりはむしろ、かえって」
  • accomplish [əkάmpliʃ] : 「成し遂げる、果たす、成就する」
  • step [stép] : 「段、階段、一歩、歩み、ステップ」
  • direction [dirékʃən] : 「方角、方向、向き、目的意識、目標」
❖ "The recognition that ~ "「エゴ的な目的は、『良し』『悪し』と言うよりは、意味がないのだと認識することは、学びを成し遂げる唯一の方法である」。エゴ的な目的は、善し悪しの評価を越えて、それは幻想であり意味がない。それを踏(ふ)まえた上で、ホーリー・スピリットの思考システムに則った真実の学びを成就するべきである。それしか方法はないのである。"The idea for today ~ "「今日のものの見方は、その方向に向けた一つのステップである」。



6. Six practice periods, each of two-minutes duration, are required. 
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • duration [djuréiʃən] : 「継続、持続」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、〜に要求する」
❖ "Six practice periods ~ "「各々2分間、6回の練習が求められる」。



Each practice period should begin with a slow repetition of the idea for today, followed by looking about you and letting your glance rest on whatever happens to catch your eye, near or far, "important" or "unimportant," "human" or "nonhuman." 
  • begin with : 「〜から始める」
  • slow [slóu] : 「遅い、のろい、ゆったりした」
  • repetition [rèpətíʃən] : 「繰り返し、反復、再上演、再現」
  • followed by : 「続いて〜がある、その後に〜が続く」
  • look about : 「周りを見回す、周囲に気を付ける、目を配る」
  • glance [ɡlάːns] : 「ひと目、ちらりと見ること、一瞥」
  • rest [rést] : 「〜を休ませる、〜を置く」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも」
  • happen [hǽpən] : 「たまたま〜する、偶然〜する」
  • catch [kǽtʃ] : 「捕まえる、捕らえる」
  • near [níər] : 「近い場所へ、近くへ、近くに」
  • far [fάːr] : 「遠く離れて、遠くに、遠くへ」
  • important [impɔ́ːrtənt] : 「重要な、重大な、大切な」
  • unimportant [ʌnimpɔ́ːrtənt] : 「重要でない、取るに足りない」
  • human [hjúːmən] : 「人、人間」
  • non-human [hjúːmən] : 「人間以外の動物」
❖ "Each practice period ~ "「各練習は、今日のものの見方をゆっくり繰り返し述べることから始める」。"followed by ~ "「引き続いて、周りを見渡し、たまたまあなたの目に止まった物なら何でも、近くにあろうが遠くにあろうが、『大切であろう』が『大切でなかろう』が、『人であろう』が、『人でなかろう』が、何にでも目を止めて見ること」。



With your eyes resting on each subject you so select, say, for example:

        I do not know what this chair is for. 
        I do not know what this pencil is for. 
        I do not know what this hand is for.
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「対象、題材、被写体、主題」
  • select [səlékt] : 「〜を選択する、〜を選ぶ」
❖ "With your eyes resting ~ "「あなたがそうやって選んだ対象一つ一つに目を止めて、たとえば、次のように言いなさい」。"I do not know ~ "「私は、この椅子が何のためにあるのか知らない」。"I do not know ~ "「私は、このペンシルが何のためにあるのか知らない」。"I do not know ~ "「私は、この手が何のためにあるのか知らない」。ここまで来ればお分かりだろうが、物の存在理由を知らないと宣言することは、暗に、エゴの押し付けた物の存在理由を拒否する姿勢を示すことも意味している。物の存在理由を知らない自分に、本当の理由、実相的な真実の理由を教えて欲しいという願いも含まれる。それに答えて、ホーリー・スピリットはあなたに実相的なヴィジョンを与えてくれるのである。



Say this quite slowly, without shifting your eyes from the subject until you have completed the statement about it. 
  • quite [kwáit] : 「かなり、なかなか、とても、非常に」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずして」
  • shifting [ʃíft] : 「転移、移動」
  • until [əntíl] : 「〜する時まで」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、仕上げる、終える」
  • statement [stéitmənt] : 「発言、意見、声明、陳述、供述」
❖ "Say this quite slowly ~ "「そのように宣言し終わるまで、あなたの目を対象化から移すことなく、極めてゆっくり宣言しなさい」。



Then move on to the next subject, and apply today's idea as before.
  • move on to : 「〜に進む」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
  • as before : 「すでに述べたように、前述同様に、従来通り」
❖ "Then move on to ~ "「その後、次の対象に移り、前と同様に、今日のものの見方を適用しなさい」。
 
 
 



W-pI.24.1:1 ~ W-pI.24.7:2

Lesson 24



I do not perceive my own best interests.
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • best [bést] : 「最高の、最も良い、最善の、絶好の」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、利益、利害」
❖ "I do not perceive ~ "「私にとって最も有益なことを、私は知覚していない」。あなたにとって最も有益で大切なこと、すなわち真実や実相を、あなたはまだ知らない。あなたが有益だと思っているもの、利益に繋がると思っているものは、金であったり、地位であったり、権力であったりするかも知れない。しかし、それはこの幻想世界における幻想であり、虚偽である。物質レベルの望みに翻弄されて、精神レベルの大切なものをないがしろにしているのだ。



1. In no situation that arises do you realize the outcome that would make you happy. 
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
  • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • happy [hǽpi] : 「幸福な、満足な、幸せな」
❖ "In no situation that ~ "「どんな状況が生じても、そこに、あなたは、あなたを幸せにする結果を認識することはない」。「幸せにする結果」とは、「最も有益なこと」、すなわち、真実。どんな状況が生じても、幻想の中に埋もれている限り、その状況の結果が真実を結果として生み出すかどうかさえ認識することが出来ない。眠っていては何もわからないのだ。『まどろむは愚なり』とはそういうこと。幻想の中でまどろんでいるのだ。



Therefore, you have no guide to appropriate action, and no way of judging the result. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • guide [ɡáid] : 「指導者、案内人、指針」
  • appropriate [əpróupriət] : 「適した、適切な、適当な、妥当な」
  • action [ǽkʃən] : 「活動、行動、活力、動き、動作」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
❖ "Therefore, you have ~ "「したがって、あなたは、適切な行動をとるための指針をもっていないし、」"and no way ~ "「結果を判断する方法ももっていない」。真実も認識出来ないし、幻想を見ていることさえわからない状態で、どうして適切な行動をとることが出来るだろう。ましてや、行動の結果がどうなるか、その判断も出来ない。つまり、行き当たりばったりの生き方しか出来ないわけだ。行き当たりばったりの欲望に走り、行き当たりばったりの結果を招いて失望するのである。



What you do is determined by your perception of the situation, and that perception is wrong. 
  • determine [ditə́ːrmin] : 「決定する、決心させる」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • wrong [rɔ́ːŋ] : 「間違った、誤っている、不適切な、悪い」
❖ "What you do ~ "「あなたがなすことは、あなたが状況を知覚することで決定されるが、その知覚は誤っている」。あなたが状況をどう見るかで、あなたの行動は決まる。しかし、その状況の見方が誤っているから、適切な行動がとれないのだ。たとえば、あなたは貧しいという状況を、それは金がないせいだと知覚する。そこで、あなたは金儲けが貧しさを解消し、あなたを幸せにしてくれと思う。しかし、その知覚は誤りだ。物や金で本当の幸せは得られないし、心の貧しさが金で解決されるわけがない。幻想的な状況を幻想の視点で眺めているから誤る。幻想の状況を、実相的な視点で眺めて、その状況を幻想として認識し、受け入れ受け流して赦すことで、その幻想的状況を消滅させなくては意味がない。ガラス玉のきらびやかさに目を奪われている限り、ダイヤを手に入れることは出来ないのだ。



It is inevitable, then, that you will not serve your own best interests. 
  • inevitable [inévətəbl] : 「防げない、避けられない、当然の」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、果たす、〜に仕える」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、影響力、利益、利害」
❖ "It is inevitable ~ "「そこで、あなたが、あなた自身にとって最も有益なことに寄与しないということは避けられない」。難しい言い回しをしているが、要するに、自分の置かれた状況を幻想的視点から知覚してばかりいるから、いつもはずれクジを引いてばかりいる、ということ。あなたにとって最も有益な、真実という当たりクジを引けないのだ。あなた自身を、ガラス玉を捨ててダイヤに向かわせることが出来ないのだ。



Yet they are your only goal in any situation which is correctly perceived. Otherwise, you will not recognize what they are.
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • correctly [kəréktli] : 「正しく、正確に、正確に言えば」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する、〜を把握する」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと」
❖ "Yet they are your ~ "「しかし、あなたにとって最も有益なことは、正しく知覚された状況にあっては、唯一の目的である」。あなたが置かれた状況を正しく知覚出来たなら、あなたにとって最も有益なこと、すなわち、幻想(ガラス玉)ではなく真実(ダイヤ)こそが、あなたにとって唯一の目的として認識される。"Otherwise, you will ~ "「さもなければ、あなたは、それらが何であるか、認識することはないであろう」。状況を正しく知覚出来ないなら、何があなたにとって最も有益な真実(ダイヤ)なのか、あなたは認識することさえ出来ない。



2. If you realized that you do not perceive your own best interests, you could be taught what they are. 
  • taught [tɔ́ːt] : 「teachの過去・過去分詞形」
  • teach [tíːtʃ] : 「〜を教える、指導する、学ばせる、悟らせる」
❖ "If you realized that ~ "「もし仮に、あなたが、あなた自身の最も有益なことを知覚出来ないと認識したなら、あなたはそれが何なのか、あなたは教えてもらうことが出来るのだ」。あなたにとって最も有益な真実が何なのか、あなたが知覚出来ないと認識出来たなら、いつでも、ホーリー・スピリットが、それは何なのか、あなたに教えてくれる。自分の知覚に誤りがあると自覚出来たなら、いつでもホーリー・スピリットがその知覚を修正してくれるのだ。



But in the presence of your conviction that you do know what they are, you cannot learn. 
  • presence [prézns] : 「存在すること、存在、居ること」
  • in the presence : 「存在下で、面前で、いるところで」
  • conviction [kənvíkʃən] : 「信念、確信」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる、〜を覚える」
❖ "But in the presence ~ "「しかし、最も有益なことが何なのか知っていると確信する心が存在すれば、あなたは学ぶことは不可能だ」。有益な真実なんてもう知っていると、頑固に信じているうちは、あなたはホーリー・スピリットから学ぶことは出来ない。学んで知るためには、まず第一に、自分が無知であることを素直に認め、第二に、学んで知ることを求めなくてはならない。無知であることに心を閉ざしてしまえば、いったいどこから真実は入り込めるだろう。



The idea for today is a step toward opening your mind so that learning can begin.
  • step [stép] : 「段、階段、一歩、歩み、ステップ」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • so that : 「〜できるように、〜するために、その結果」
  • begin [biɡín] : 「 始まる、始める、開始する」
❖ "The idea for today ~ "「今日のものの見方は、あなたが学びをスタート出来るようにするために、あなたの心を解放の方向に向かわせるステップである」。無知であることに心を閉ざしてしまわずに、その心を解放して、真実に向けた一歩を踏み出さなくてはいけない。それが、最も有益なものを手に入れるための第一のステップなのだ。無知を知って、知を得るのである。誤りを知って、正すのである。



3. The exercises for today require much more honesty than you are accustomed to using. 
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、〜に要求する」
  • much more : 「さらに多くの、いっそう多くの」
  • honesty [άnisti] : 「正直、誠実、公正」
  • accustomed [əkʌ́stəmd] : 「〜に慣れて、習慣の」
❖ "The exercises for ~ "「今日のエクササイズは、いつにも増して、より正直であることが求められる」。ごまかしは禁物、ということ。正直に、自分の無知を認め、知覚の誤りを認めることが求められる。その地点に立って初めて、修正への道が開かれる。



A few subjects, honestly and carefully considered in each of the five practice periods which should be undertaken today, will be more helpful than a more cursory examination of a large number. 
  • few [fjúː] : 「少ない、わずかの、少しの」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「対象、題材、被写体、主題、題目」
  • honestly [άnistli] : 「正直に、誠実に、本当に、正当に」
  • carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • practice period : 「練習期間」
  • undertaken [ʌ̀ndərtéikn] : 「undertakeの過去分詞形」
  • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「企てる、〜に着手する、〜に取り掛かる」
  • helpful [hélpfəl] : 「役立つ、助けになる、有益な、参考になる」
  • cursory [kə́ːrsəri] : 「大急ぎで行う、いいかげんな、ぞんざいな」
  • examination [iɡzæ̀mənéiʃən] : 「検査、調査、試験」
  • large [lάːrdʒ] : 「大きい、広い、多い、多数の」
❖ "A few subjects, honestly ~ "「今日のものの見方を実行する5回の各練習において、より少ない対象を正直に注意深く考える方が、多くの対象をぞんざいに調べるよりもずっと有益である」。今日は数にこだわらずに、深さを意識して掘り下げていく。



Two minutes are suggested for each of the mind-searching periods which the exercises involve.
  • minute [mínit] : 「分、わずかな時間、寸刻」
  • suggest [səgdʒést] : 「〜を提案する、示唆する、暗示する」
  • searching [sə́ːrtʃiŋ] : 「捜査、検索、探索、検査」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、巻き込む、関与させる」
❖ "Two minutes are ~ "「練習に含まれる心の各探査に、2分間を割り当てることが提案される」。固い言い回しは気にしないこと。心の中の探査に、2分間を費やしなさい、ということ。



4. The practice periods should begin with repeating today's idea, followed by searching the mind, with closed eyes, for unresolved situations about which you are currently concerned. 
  • begin with : 「〜から始める」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • follow [fάlou] : 「〜に続く、〜の次に来る」
  • closed [klóuzd] : 「閉ざされた、閉じた」
  • unresolved [ʌnrizάlvd] : 「決心していない、解決していない」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • currently [kə́ːrəntli] : 「現在は、現在のところ、今や、目下」
  • be concerned about : 「〜について心配している、〜に気遣っている」
❖ "The practice periods ~ "「練習は今日のものの見方を繰り返し述べることから始め、引き続いて、目を閉じて、あなたが現在心配している未解決の状況を心の中に探査する」。



The emphasis should be on uncovering the outcome you want. 
  • emphasis [émfəsis] : 「注目、重要視、重点を置くこと、強調」
  • uncover [ʌnkʌ́vər] : 「あらわにする、暴く、暴露する、〜から覆いをとる」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果、所産」
❖ "The emphasis should ~ "「あなたが望む結果を露(あらわ)にすることに重点を置くべきだ」。目的地が決まらなければ、出発のしようがない。あなたは本当はどうありたいのか、それを自覚すること。



You will quickly realize that you have a number of goals in mind as part of the desired outcome, and also that these goals are on different levels and often conflict.
  • quickly [kwíkli] : 「速く、すぐに」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • a number of : 「多数の、たくさんの、多くの、いくつかの」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • as part of : 「〜の一部として」
  • desired [dizáiərd] : 「望まれた、切望された、求められる」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • level [lévəl] : 「地位、階級、段階、レベル、高さ、高度、深さ」
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • conflict [kənflíkt] : 「対立する、矛盾する」
❖ "You will quickly ~ "「あなたはすぐにも、望まれる結果として多くの目的を心に抱いていると知ることになる」。"and also that ~ "「そしてまた、それらの目的が異るレベルにあり、時として対立していることを認識するだろう」。望みも目的も、あれもこれもで、いっぱいある。例えば、大金持ちになって何不自由なく暮らせれば幸せだろうと願い、しかし、本当の心の平和も得たいと望む。物質的レベルの望みと精神的レベルの望みが、時として衝突を起こす。幻想的視点から抜け出せないときの特徴だ。幻想レベルの目的と実相レベルの目的が、時としてコンフリクトを起こして、あなたは混乱することになる。エゴの思考システムとホーリー・スピリットの思考システムが対立するのだ。



5. In applying the idea for today, name each situation that occurs to you, and then enumerate carefully as many goals as possible that you would like to be met in its resolution. 
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • name [néim] : 「〜に名前をつける、〜の名前を挙げる」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • then [ðén] : 「その次に、それから、次に、その」
  • enumerate [injúːmərèit] : 「列挙する、一覧表にする、数える、数え上げる」
  • carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る、なし得る」
  • as A as possible : 「できるだけAの」
  • would like to : 「〜したい」
  • met [mét] : 「meetの過去・過去分詞形」
  • meet [míːt] : 「合う、満足させる、かなえる、満たす」
  • resolution [rèzəlúːʃən] : 「決心、決意、解明、解消、決議」
❖ "In applying the idea ~ "「今日のものの見方を適用するに当たって、あなたの心に浮かんだ各状況の名前を挙げ、その後、その状況に適用させたいとあなた思う目的を出来るだけ沢山、注意深く列挙していきなさい」。心に浮かぶ状況把握と、その状況をどのようにしたいのか、着地点を注意深く考える。急がず、焦らず、じっくりと眺める。



The form of each application should be roughly as follows:

        In the situation involving ______, I would like ______ 
        to happen, and ______ to happen,

and so on. 
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用」
  • roughly [rʌ́fli] : 「粗雑に、大ざっぱに、おおよそ、大体、概略で」
  • as follows : 「次の通りで」
  • involve [invɑ́lv] : 「〜を含む、伴う、巻き込む、関与させる」
  • would like A to do : 「Aに(強制的に)〜させたい」
  • happen [hǽpən] : 「起こる、発生する、降り懸かる」
❖ "The form of each ~ "「適用形態は、およそ次のようにすればよい」。"In the situation ~ "「〜を含む状況にあって、私は〜が起きて欲しいと思うし、〜も起きて欲しい、等々」。たとえば、『会社で上司から嫌がらせを受けている状況にあるが、私は、その嫌がらせが終わって欲しいと思っているし、上司が私を誤解しているなら、その誤解を解いて欲しい』。『心に不安を感じている状況にあるが、私は、この不安の根源がどこにあるのか知りたいと思うし、不安の根源を断ち切りたいと思う』。『彼との関係がうまく行っていない状況にあって、何が原因なのか私は知りたいし、関係改善には何が必要なのか知りたい』。そして、望む結果がどうであればよいか、想像すればいい。上司と仲直りするとか、不安は単なる取り越し苦労に過ぎないと知るとか、彼と再びよりを戻すとか、そんな状況改善を想像すればよい。



Try to cover as many different kinds of outcomes as may honestly occur to you, even if some of them do not appear to be directly related to the situation, or even to be inherent in it at all.
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • cover [kʌ́vər] : 「取り上げる、取り扱う、対象にする、含める」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • kind [káind] : 「種類」
  • honestly [άnistli] : 「正直に、誠実に、本当に、正当に」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
  • even if : 「たとえ〜でも」
  • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • directly [diréktli] : 「直接に、真っすぐに、そのまま」
  • related [riléitid] to : 「〜に関連している、〜に結びついている」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • inherent [inhíərənt] : 「生まれつきの、生来の、特有の、固有の」
  • inherent in : 「〜につきものの、〜に固有の、生来の」
  • at all : 「全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
❖ "Try to cover as many ~ "「たとえ、(願う)結果のいくつかが状況とは直接関係がないように見えても、あるいは、まったく状況から導き出されたものではないように見えても、あなたの心に浮かんだ結果は浮かんだだけ全部、出来るだけ多くの異る種類の結果を、正直に露(あらわ)にするように努めなさい」。たとえば、先の例で、自分の仕事がうまく行って、おまけに同僚の彼女にもてたいという結果が心に浮かんだら、それが上司の嫌がらせと関係がないことだとしても、構わずに明白に受け止めればいい。不安を探査して、ふと旅行に行きたい心が生じたら、不安と無関係だと思っても構わずに、旅への思いを素直に受け止めればいい。こうすることで、あなたの思いがいかに行き当たりばったりがわかる。つまり、大して重大なことなど考えていないのだ。幻想的な思いは、それがどんなにあなたを悩ませているように感じても、幻想は幻想に過ぎず、大したことではないのである。



6. If these exercises are done properly, you will quickly recognize that you are making a large number of demands of the situation which have nothing to do with it. 
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • done [dʌ́n] : 「doの過去分詞」
  • properly [prάpərli] : 「適切に、ちゃんと、正確に、正しく」
  • a large number of : 「多数の、多くの、たくさんの」
  • demand [dimǽnd] : 「求めるもの、要求、要望、必要、需要」
  • have nothing to do with : 「〜と関係がない、〜と関係関連がない」
❖ "If these exercises ~ "「これらのエクササイズが適切に行われたなら、あなたはすぐに、that以下であることを認識するだろう」。"that you are making ~ "「状況とまったく関係のない多くの要求を状況に求めている」ことを確認するだろう。状況に対する要求が多過ぎるだけでなく、その方向性が狂っているのだ。本当に必要なもの、本当に向かいたい方向がわかっていない。見えていないのだ。だから、たとえば、心が死にかけているのに、薬物に走る愚か者がいる。



You will also recognize that many of your goals are contradictory, that you have no unified outcome in mind, and that you must experience disappointment in connection with some of your goals, however the situation turns out.
  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的地、目的、目指すもの」
  • contradictory [kὰntrədíktəri ] : 「相反する、矛盾する、正反対の」
  • unified [júːnəfàid] : 「一つにまとめられた、統一された」
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • disappointment [dìsəpɔ́intmənt] : 「失望、落胆、失意」
  • in connection [kənékʃən] with : 「〜に関連して」
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • turn out : 「〜になる、〜に進展する、〜に成り行く」
❖ "You will also recognize ~ "「あなたはまた、あなたがもつ多くの目的が対立していることに気付くであろうし、」"that you have no ~ "「一つに統一された結果を心に抱いていないともわかるだろうし、」"and that you must ~ "「たとえ状況に進展があっても、あなたの目的に関して、あなたは失望を経験せずにはいられないと認識するだろう」。幻想レベルの要求とその目的、結果、そして、実相レベルの要求とその目的、結果とが、互いにコンフリクトを起こし、一番大切な目的は何なのかという正しい目的意識を失ってしまうのだ。あなたの置かれた状況に変化が生じても、あなたは失望するのが関の山だ。なぜなら、行きたい方向性が定かでないからだ。



7. After covering the list of as many hoped-for goals as possible, for each unresolved situation that crosses your mind say to yourself:

        I do not perceive my own best interests in this situation,

and go on to the next one.
  • list [líst] : 「リスト、一覧表、表、目録、羅列」
  • hoped-for : 「待ち望まれた」
  • unresolved [ʌnrizάlvd] : 「決心していない、解決していない」
  • cross [krɔ́s] : 「〜を横断する、渡る、〜を横切る」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • interest [íntərəst] : 「興味、関心、趣味、影響力、利益、利害」
  • go on: 「〜を続ける、〜し続ける、続いて〜する」
❖ "After covering ~ "「あなたの心に過(よぎ)る解決されていない各状況に対して、可能な限り多くの望まれる目的のリストをカバーした後に、次のように、あなた自身に言いなさい」。"I do not perceive ~ "「この状況下にあって、私にとって最も有益なことを、私は知覚していない」。"and go on ~ "「そして、次に移りなさい」。
 
 
 


W-pI.23.1:1 ~ W-pI.23.7:5

Lesson 23



I can escape from the world I see by giving up attack thoughts.
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける」
  • give up :  「あきらめる、断念する、降伏する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想」
❖ "I can escape from ~ "「私は、攻撃的な思いを諦めることで、私が目にしている世界から脱出することが出来る」。攻撃的な思いは、分離感から生まれる。あなたが他者から分離していると感じるので、その他者を恐れて防衛態勢に入り、攻撃を仕掛けるのだ。奪われる前に奪え、殺される前に殺せ、というエゴの思考システムに支配されているのである。そして、この分離と攻撃という概念によって、この分離を象徴する幻想世界は維持されており、エゴは安泰だ。しかし、エゴの世界は虚偽であり、あなたに苦と痛み、恐れと罪の意識を強いる。もしあなたが、そんな闇の幻想世界から抜け出したいと心から願うのであれば、まず第一に、あなたの攻撃的な思いを諦めなくてはならない。攻撃的思考を滅すれば、分離も滅する。分離が滅すれば幻想も滅するのだ。滅するとは、それは虚偽だと認識し、受け入れ受け流して赦すことである。赦せば、まさに幻想は滅せられ、消滅するのだ。



1. The idea for today contains the only way out of fear that will ever succeed. 
  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」
  • way out of : 「〜から抜け出る道」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
❖ "The idea for today ~ "「今日のものの見方は、恐れから抜け出す方唯一の方法、しかも必ず成功するただ一つの方法を含んでいる」。攻撃的思考が滅せられれば、分離感も消滅し、攻撃と復讐と防御という悪循環から抜け出せる。恐れを抱いて生きる意味などなくなるのだ。



Nothing else will work; everything else is meaningless. But this way cannot fail. 
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • work [wə́ːrk] : 「正しく機能する、役に立つ」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味が分からない、無意味な」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
❖ "Nothing else ~ "「その他の方法では、決してうまく行かない」。"everything else ~ "「その他の方法はすべて意味がないのだ」。闇を滅するには光が必要であり、光以外のものは闇を消滅させることは出来ない。同様に、幻想を滅するには実相が必要であり、実相的方法以外の方法は役に立たないのである。幻想を幻想で滅しようとしても、それは意味がない。闇を闇で払拭することは意味がないのだ。闇夜に目隠しをして何の役に立つだろう。



Every thought you have makes up some segment of the world you see. 
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • make up : 「作り上げる、作り出す、考え出す、捏造する」
  • segment [séɡmənt] : 「部分、区分、断片、切片」
❖ "Every thought ~ "「あなたが心に抱く思いのすべてが、あなたが目にする世界の断片を作り挙げている」。あなたは、あなたの心が抱いた思いをこの世界に投影して、この世界に実体のないイメージを描いているに過ぎない。空(くう)なるキャンバスに、あなたの思い(絵の具)を投げかけて、好き勝手な絵をイメージとして知覚(幻覚)しているだけだ。世界の断片は、あなたが幻想によって作り出したものなのである。



It is with your thoughts, then, that we must work, if your perception of the world is to be changed.
  • work with : 「〜と連動する、〜に働きかける、〜を扱う仕事をする」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "It is with your ~ "「したがって、もしあなたの世界を見る知覚が変わらなくてはならないなら、私たちが取り扱わなくてはならないものは、あなたの思いなのだ」。幻想の世界と取っ組み合いをしても何にもならない。幻想を生み出しているあなたの思いこそ、修正しなくてはならない大元(おおもと)なのだ。それが、世界の源であり、原因である。もちろん、そんな思いを生み出している心を正さなくてならない。世界を変えるには、世界の見方を変えなくてはならない。極言すれば、世界を変える必要などない。あなたの心が変われば、世界も変わってしまうからだ。



2. If the cause of the world you see is attack thoughts, you must learn that it is these thoughts which you do not want. 
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、〜であると分かる」
❖ "If the cause of ~ "「もし、あなたが目にしている世界の原因が攻撃的な思いであるなら、」この幻想世界を生み出している原因が、分離と攻撃というあなたの思いであるなら、"you must learn that ~ "「あなたは、それはあなたの望まない思いなのだと学ばなくてはいけない」。あなたがあなたの心から攻撃的な思いを排除しない限り、あなたの目にする世界は変わらない。世界は、あなたが見たいと思うものを表すのだ。世界が分離と攻撃性に満ちているように見えるなら、あなたの心が分離と攻撃性に満ちているのである。



There is no point in lamenting the world. There is no point in trying to change the world. 
  • point [pɔ́int] : 「要点、核心、真意、効用、利益」
  • there is no point : 「無駄である、意味がない、何にもならない」
  • lament [ləmént] : 「〜に失望する、〜を残念に思う、〜を嘆き悲しむ」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
❖ "There is no point ~ "「世界を嘆いても無駄である」。"There is no point ~ "「世界を変えようとしても無駄なのだ」。あなたの心が変わらない限り、つまり、あなたがエゴの思考システムを捨ててホーリー・スピリットの思考システムの上で思考しない限り、さらに、あなたが分離感や攻撃性を捨てない限り、世界は決してチェンジしない。



It is incapable of change because it is merely an effect. But there is indeed a point in changing your thoughts about the world. 
  • be incapable [inkéipəbl] of : 「〜ができない、〜をする能力がない」
  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響」
  • indeed [indíːd] : 「実に、本当に、確かに、いかにも、実際には」
❖ "It is incapable of ~ "「世界は単なる結果に過ぎないのだから、世界は変わりようがない」。"But there is indeed ~ "「しかし、世界に対するあなたの思考を変えることは、実に効果的である」。結果を変えるには、原因を変えなくてはならない。あなたの心の思考が原因で、それが投射されてこの世界が結果している。だから、原因を無視して結果を変えようとしても、世界は変わらないのである。あなたの心の思考を変えること、ここに世界を変化させる最大のポイントがある。



Here you are changing the cause. The effect will change automatically.
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
  • automatically [ɔ̀ːtəmǽtikəli] : 「無意識に、思わず、自動的に、勝手に、機械的に」
❖ "Here you are ~ "「ここで、あなたは原因を変えるのだ」。あなたの思考を変えること、原因としての心を変えること、そこがポイント。そうすれば、"The effect will ~ "「結果は、自ずから変わるだろう」。結果としての世界は、心の変化に呼応して、自然に変化していくだろう。



3. The world you see is a vengeful world, and everything in it is a symbol of vengeance. 
  • vengeful [véndʒfəl] : 「復讐心に燃えた、執念深い、復讐のための」
  • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ "The world you see ~ "「あなたが目にする世界は、復讐に溢れた世界であり、世界の中のあらゆるものが、復讐のシンボルである」。あなたが目にするこの幻想世界は分離を象徴する世界であり、分離が生み出した攻撃、復讐、防衛の世界なのだ。もちろん、世界の中にあるあらゆるものは、分離を象徴し、攻撃、復讐、防衛のシンボルである。たとえば、物でもお金でも、そこには分離から生じる所有という概念がまとわりつき、買ったり売ったり、奪ったり奪われたり、盗んだり盗まれたりする対象となる。
物に関して、もう少し科学的な視点から眺めてみよう。物は質量をもち、アインシュタインは、質量はエネルギーであるとする有名な原理を導いた。物が分離した状態で存在するこの二元論世界では、物のもつエネルギーが物と物の間で交換され、時間を軸にして常に変化する。いわば、物はエネルギーを奪ったり奪われたりしているのだ。物には意思はないが、擬人化して言えば、物同士が、その存在を賭けて、エネルギーを奪い合っており、攻撃し合っている。ヘラクレイトスは、万物は争いから生まれ、流転し、そして、形あるものは必ず崩壊すると言った。変化は常に崩壊と死に向かうのだ。そして、そのような、物の存在形態を作ったのは、とりもなおさず、攻撃的な思いを抱いた心である。



Each of your perceptions of "external reality" is a pictorial representation of your own attack thoughts. 
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
  • external [ikstə́ːrnl] : 「外の、外側の、外部にある、外部の」
  • reality [riǽləti] : 「現実性、実在性、現実のこと」
  • pictorial [piktɔ́ːriəl] : 「絵のような、絵で表した」
  • representation [rèprizentéiʃən] : 「表すこと、表現、描写」
❖ "Each of your perceptions ~ "「あなたが『外の現実』と知覚するものはどれも、」つまり、あなたの外に実在していると知覚するものはすべて、「あなた自身の攻撃的な思いをイメージとして描き出したものである」。あなたの思いが、空(くう)なるキャンバスにイメージを描き出して、この世界を作り出し、あなたの知覚がそれを見て、現実だ、実在だ、リアルだ、と感じているだけである。あなたの思いの根底には、自分は世界から分離した存在だという固定概念があるから、見るものはすべてあなたから分離しており、分離感が生み出す攻撃的な思いが常に付きまとうのである。
あなたは常にその分離感に嘖(さいな)まれ、分離感から生じる孤独感をかき消そうとする。そこで、あなたは、つかの間であっても、物を所有したくなる。分離と孤独を解消しようとして、物を自分のものにしたいと思うのである。さらに、合法的に物が手に入らないとなると、盗んででも奪ってでも自分のものにしたくなるのだ。まさに、薬物中毒患者と同様の餓鬼地獄を生きることになる。



One can well ask if this can be called seeing. Is not fantasy a better word for such a process, and hallucination a more appropriate term for the result?
  • seeing [síːiŋ] : 「見ること、視覚、視力」
  • call [kɔ́ːl] : 「〜と名づける、呼ぶ、称する、〜と見なす」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、妄想、幻覚」
  • better [bétər] : 「より良い、より望ましい」
  • process [prάses] : 「製造過程、一連の行為、進行、経過、推移」
  • hallucination [həlùːsənéiʃən] : 「幻覚、幻影、妄想」
  • appropriate [əpróupriət] : 「適した、適切な、適当な、妥当な」
  • term [tə́ːrm] : 「用語、言葉、言葉遣い、言い回し、表現」
  • result [rizʌ́lt] : 「結果、結末、成り行き、効果、成果、成績」
❖ "One can well ask ~ "「これは見ていると言えるだろうか、と問い掛けたくなる」。"Is not fantasy ~ "「そんなプロセスには、ファンタジーという言葉が適当ではないだろうか」。あなたの攻撃的な思いが世界を作り出し、それをあなたの知覚が実在だと見るプロセスは、噴飯物という言葉がぴったりだ。"and hallucination ~ "「その結果に対しては、妄想という言葉がより適切である」。結果として出来上がった世界に対しては、それは妄想、幻想という言葉が適切だ。



4. You see the world that you have made, but you do not see yourself as the image maker. 
  • image [ímidʒ] : 「画像、像、映像、心象、象徴」
  • maker [méikər] : 「作る人、製造業者」
❖ "You see the world ~ "「あなたは、あなたが作った世界を見ているわけだが、あなたは、あなた自身を、その世界の作り手だとは見ていない」。あなたは、この世界を自分が作り出した幻想だとは認識していない。知覚があなたを騙して、世界があなたの存在とは無関係に実在していると錯覚させている。



You cannot be saved from the world, but you can escape from its cause. 
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける」
❖ "You cannot be saved ~ "「あなたは、世界から救われることは不可能だが、あなたは、その原因から逃れることは出来るのだ」。あなたが幻想世界の中にあって、その世界から物理的に救われることは不可能だ。比喩的に言えば、夢の中のモンスターから夢の中で救われることは不可能なのだ。夢に中のモンスターはものすごく強い。しかし、幻想世界のその原因であるあなたの心の幻想性から逃れることは出来る。幻想を払拭すればいいのだ。比喩的に言えば、夢から覚めさえすれば、怖いモンスターは消える。モンスターを作り出したあなたの幻想から目覚めれば、モンスターから救われるのである。悪夢から逃れる唯一の方法は、悪夢から目覚めることである。



This is what salvation means, for where is the world you see when its cause is gone? 
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「goの過去分詞形」
❖ "This is what ~ "「これが、救いの意味するところである」。この世の恐れや苦や痛みを作り出している原因、その源から脱出することが救いである。"for where is ~ "「なぜなら、世界を作り出した原因がなくなってしまったとき、あなたは、いったいどこに世界を見るだろうか」。原因がなくなれば、結果もなくなる。あなたが幻想から目覚めれば、世界は消滅するのだ。



Vision already holds a replacement for everything you think you see now. 
  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • replacement [ripléismənt] : 「交代、返却、交換、取り換え、差し替え」
  • hold [hóuld] : 「〜の状態にしておく、維持する、保持する」
❖ "Vision already holds ~ "「ヴィジョンは、あなたが今見ていると思っているものにとって変わるものを保持している」。実相的な知覚であるヴィジョンは、あなたが今見ている幻想の代わりに、実在する真実のすべてを保持しており、それをあなたに見せてくれる。



Loveliness can light your images, and so transform them that you will love them, even though they were made of hate. For you will not be making them alone.
  • loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
  • light [láit] : 「光、光源、ライト、明かり」
  • image [ímidʒ] : 「イメージ、画像、像、映像、心象、象徴」
  • transform [trænsfɔ́ːrm] : 「〜を変形する、〜を変換する」
  • even though : 「〜であるけれども、〜であるにしても」
  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • be made of : 「〜で作られている」
  • alone [əlóun] : 「独りで、孤立して、独力で、単独で」
❖ "Loveliness can light ~ "「愛らしさが、あなたの作ったイメージに光を当てることが出来、イメージを変えるので、たとえそのイメージがあなたの憎しみで作られたものであっても、あなたはそのイメージを愛するようになる」。難解な部分である。"Loveliness can ~ "「愛らしさが、あなたの作ったイメージに光を当てる」とは、真実を見通すヴィジョンが、愛という光をあなたの作ったイメージに光を当てて、真実を映し出す、ということ。したがって、"loveliness"「愛らしさ」とは、ここでは、愛ある真実の光、と考えていい。幻想の黒雲が真実を覆い隠すことの、全くの逆である。"even though ~ "この部分は、あなたは攻撃的な思考をもってこの幻想世界をイメージしたのだが、そこには恐れと憎悪が隠れており、愛とは裏腹の思いでイメージを作ったとは言え、たとえそうであっても、ということ。"and so transform ~ "ここは、ヴィジョンのもつ真実の光があなたのイメージを照らすと、真実が露(あらわ)になって、イメージが変わり、その変わったイメージを、あなたは憎悪するのではなく、愛するようになる、ということ。例えば、あなたは、分離した他者を攻撃の対象として見ることで憎悪し、その憎悪のイメージを他者に投射している。しかし、ヴィジョンの光を当てると、真実が露になって、他者は本当は分離などしていないと見えるようになるのだ。他者は、鏡に映ったあなた自身だと気付く。あなたと他者は自他一如であると知るのである。憎悪は愛に変わり得るのだ。さて次に、"For you will not ~ "「なぜなら、あなたは、単独でイメージを作ることにはならないからだ」。分離した状態では、あなたは単独でイメージを作り、それを他者に投射していたが、自他一如であることに気付いたあなたは、もはや単独でイメージを作ることはない。愛に満ちたイメージは、自他一如であるあなたと他者が共に作り上げるものなのだ。真実を分かち合うのである。



5. The idea for today introduces the thought that you are not trapped in the world you see, because its cause can be changed.
  • introduce [ìntrədjúːs] : 「取り入れる、導入する、紹介する」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • trap [trǽp] : 「〜をわなにかける、わなを仕掛ける、策略にかける」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
❖ "The idea for ~ "「今日のものの見方は、あなたは、あなたの目にする世界のワナに捕われたわけではないという考えを導入する」。"because its cause ~ "「なぜなら、世界を作った原因は変えられるからだ」。あなたの世界を見る見方、あなたの心を変えれば、世界は自ずから変わる。だから、あなたは世界というワナに捕われて逃げ出せないわけではない。



This change requires, first, that the cause be identified and then let go, so that it can be replaced. 
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、要求する」
  • identify [aidéntəfài] : 「特定する、〜を同一視する、同定する」
  • let go : 「放す、手放す、解放する、捨てる、あきらめる」
  • so that : 「〜できるように、〜するために」
  • replace [ripléis] : 「〜に取って代る、〜を交換する」
❖ "This change requires ~ "「この変化は、第一に原因を同定し、次にそれを置き換えることが出来るように、解き放つことを要求する」。世界を作っているのはあなたの心であると知って、世界の存在の原因を同定し、つまり、エゴの思考システムによって世界は作られているのだと認識し、その思考システムをホーリー・スピリットの思考システムに置き換えることが出来るように、エゴの思考システムを手放してしまうこと。



The first two steps in this process require your cooperation. The final one does not.
  • step [stép] : 「段、階段、一歩、歩み」
  • process [prάses] : 「一連の行為、進行、経過、推移」
  • cooperation [kouὰpəréiʃən ] : 「協力、協調、提携、連携」
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な、確定的な」
❖ "The first two steps ~ "「最初の2つのステップは、あなたの協力が求められる」。世界の原因究明と、その原因を手放すことは、あなたの役割である。あなたの心を変えるのだから、つまり、世界に対するあなたの見方を変えるのだから、あなたの役割であることは当然だ。"The final one ~ "「最後のステップは、あなたの協力を求めない」。エゴの思考システムを手放してしまえば、そこに、ホーリー・スピリットがあなたの協力なしで、ホーリー・スピリットの思考システムを導入してくれるのだ。つまり、あなたは、新たにあなた自身で思考システムを作り出す必要はない。そんなことを企てたら、再び、エゴの思考システムに準じた虚偽のシステムを作ってしまうことになるだろう。



Your images have already been replaced. By taking the first two steps, you will see that this is so.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
❖ "Your images have ~ "「あなたの作ったイメージは、すでに置き換わってしまったのだ」。世界の原因を同定し、それを手放しただけで、あなたが勝手に作ったイメージ、世界の幻想は、真実に置き換わってしまう。つまり、幻想の黒雲を払拭しただけで、あなたの目にする光景は真実に置き換わるのだ。"By taking the first ~ "「最初の2つのステップを踏めば、そうなのだとわかるだろう」。その後は、ホーリー・スピリットの思考システムが自然に、あなたの心の中に流れ込んでくる。



6. Besides using it throughout the day as the need arises, five practice periods are required in applying today's idea. 
  • besides [bisáidz] : 「それに加えて、〜を除いて、〜以外には」
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • throughout [θruːáut] : 「初めから終わりまで、〜の至るところに」
  • need [níːd] : 「必要、要求、必要なもの、必需品」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
❖ "Besides using it ~ "「必要が生じたら、一日を通して今日のものの見方を適用していいが、その他に、今日のものの見方を適用する練習は、日に5回は求められる」。



As you look about you, repeat the idea slowly to yourself first, and then close your eyes and devote about a minute to searching your mind for as many attack thoughts as occur to you. 
  • look about : 「周りを見る、見回す」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • slowly [slóuli] : 「ゆっくり、のろのろと」
  • close [klóuz] : 「閉じる、閉める」
  • devote [divóut] : 「充てる、向ける、ささげる、専念させる」
  • searching [sə́ːrtʃiŋ] : 「捜査、検索、探索、検査」
  • occur [əkə́ːr] : 「起こる、発生する、生じる、現れる」
❖ "As you look about ~ "「あなたの周りを見渡し、最初に、あなた自身に向かって今日のものの見方をゆっくり繰り返す」。"and then close your ~ "「その後目を閉じて、あなたの心の中に生じた分の多くの攻撃的な思いを探して、約1分間を心の探査に費やしなさい」。



As each one crosses your mind say:

        I can escape from the world I see
        by giving up attack thoughts about ______.
  • cross [krɔ́s] : 「横切る、〜を横断する、渡る」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する、抜ける」
❖ "As each one crosses ~ "「攻撃的な思いが、あなたの心を過(よぎ)るたびに、次のように言いなさい」。"I can escape ~ "「私は、〜に関する攻撃的な思いを諦めることで、私が目にしている世界から脱出することが出来る」。



Hold each attack thought in mind as you say this, and then dismiss that thought and go on to the next.
  • dismiss [dismís] : 「追放する、退ける、却下する」
  • go on: 「〜を続ける、〜し続ける、続いて〜する」
  • next [nékst] : 「次のもの」
❖ "Hold each attack ~ "「こう言いながら、一つ一つの攻撃的な思いを心の中に保持し、その後、その思いを追放して、次に移りなさい」。たとえば、憎らしい上司がいたら、『いつか殴ってやりたい憎らしいアイツだが、そんな攻撃的な思いを諦めてしまえば、、私は痛みと苦の幻想世界から脱出出来るのだから』と言えばいい。なぜなら、そんな憎らしい上司も、あと30〜40年も経てば、よぼよぼのジジイになって攻撃の対象にも憎悪の対象にもならなくなるのだ。時間は幻想であることを思い出そう。30〜40年後に攻撃する価値さえなくなるのなら、幻想の時間を縮めて、今、この瞬間に攻撃的な思いを消し去ることも可能なはずだ。いつか幻のように消え去る人間なら、今、あなたの心から消してもいいはずだ。



7. In the practice periods, be sure to include both your thoughts of attacking and of being attacked. 
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • include [inklúːd] : 「含める、含有する、包含する」 
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
❖ "In the practice periods ~ "「練習に際しては、必ず、あなたが攻撃している思いと攻撃されている思いの両方を含めること」。実相的な視点から見れば、攻撃することと攻撃されることは同一線上にある。いわば、鏡像関係にあり、他者はあなたにとってあなたの鏡像なのだ。



Their effects are exactly the same because they are exactly the same. 
  • effect [ifékt] : 「結果、影響、効果、効き目、効力」
  • exactly [iɡzǽktli] : 「正確に、厳密に、ぴったり」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
❖ "Their effects are ~ "「両者は厳密に等しいから、両者の結果も厳密に等しい」。実相的には、あなたと他者は自他一如であるから、あなたが他者を攻撃することは、あなたがあなた自身を攻撃することである。それがイメージとして、他者があなたを攻撃しているように、あなたは知覚しているだけなのだ。



You do not recognize this as yet, and you are asked at this time only to treat them as the same in today's practice periods. 
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • as yet : 「今のところは」
  • at this time : 「現時点では、今のところは、現段階では」
  • treat [tríːt] : 「扱う、取り扱う、処理する、待遇する」
❖ "You do not ~ "「あなたはまだ、このことを認識していないから、」"and you are asked ~ "「あなたは、今日の練習において、当面、両者を同じものとして扱うように求められているだけである」。攻撃することと攻撃されることが同一であると、ヴィジョンをもって認識することがまだ出来ないから、当面は、そういうものだと了解して、言われるままに、練習していい。



We are still at the stage of identifying the cause of the world you see. 
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ、いまだに、今もなお」
  • stage [stéidʒ] : 「段階、局面」
❖ "We are still at ~ "「私たちはまだ、あなたが目にする世界の原因を同定する段階にあるのだから」。攻撃することと攻撃されることは同一なのだが、それを認識する段階にはまだ達していない。それよりもまず、目にする世界を作っている、その原因を見極めるのが先決だ。



When you finally learn that thoughts of attack and of being attacked are not different, you will be ready to let the cause go.
  • finally [fáinəli] : 「ついに、最後に、最終的に、とうとう」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜に精通する、〜であると分かる」
  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • be ready to : 「いつでも〜できる、〜する心構えができている」
❖ "When you finally learn ~ "「あなたがついに、攻撃する思いと攻撃される思いは違いがないと学んだとき、」"you will be ~ "「あなたは、世界の原因を手放す準備が整うだろう」。ヴィジョンをもって、攻撃することと攻撃されることが同一であると学び終わったとき、攻撃性という幻想を赦して消滅させることが出来るようになり、世界を作った心の攻撃性、つまり世界の原因を駆逐出来るようになる。
 
 
 
 

W-pI.22.1:1 ~ W-pI.22.3:9

Lesson 22 



What I see is a form of vengeance.
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ "What I see is ~ "「私が見ているものは、復讐の形である」。神の子が神から分離した後、神の子は自らも分裂し、多数の神の子となった。自己と他者に別れたのだ。さらに、分離を象徴するこの世界を幻想し、その中にエゴを祭り上げて、エゴの思考システムを採用した。エゴの思考システムは、分離を維持し、あるいは分離を加速するシステムであって、得るためには奪え、攻撃される前に攻撃せよ、殺される前に殺せ、自己防衛のためなら殺人もやむなし、等々を謳(うた)う思考システムである。したがって、エゴの思考システムに準じている限り、分離を維持するために攻撃、あるいは分離を維持するための防衛、分離を維持するための復讐、それらが、世界を構成するあらゆるものの背後に控えた基本原理となるのだ。たとえば、生物体の免疫機構を見れば、その原理が明白にわかる。本文は、"vengeance"「復讐」とあるが、攻撃と復讐の連鎖の中の「復讐」という意味合いであって、"attack"「攻撃」という言葉に置き換えてもいい。
少々くどくなるが、分離が攻撃性を生むメカニズムを説明する。分離を象徴するこの幻想世界は二元論世界であって、あらゆる存在が二元に分離し、二項対立の形態をとる。一つの概念は対極の概念をもつのである。たとえば、愛は対極に憎悪という概念をもつ。そして、この二つの概念のベクトルが力を競い合って、そこに変化流動というダイナミズムが生み出される。愛は奪ったり奪われたりしながら、あるいは愛は裏切ったり裏切られたり、愛によって支配したり支配されたりしながら、憎悪へと変化する可能性が生み出されるのだ。この変化流動を生み出す基本的な力は攻撃的力であって、概念と対極概念の間の力のせめぎ合い、その基本原理が攻撃ということになる。したがって、攻撃性は二元論世界の必然なのだ。



1. Today's idea accurately describes the way anyone who holds attack thoughts in his mind must see the world. 
  • accurately [ǽkjurətli] : 「正確に、正しく、きちんと、的確に」
  • describe [diskráib] : 「言い表す、説明する、描写する、表現する」
  • hold [hóuld] : 「心に抱く、〜であると考える、保持する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え」
❖ "Today's idea accurately ~ "「今日のものの見方は、攻撃的な思いをい抱いている者なら誰でも、世界をそのように見ているという、その見方を、正確に描写している」。エゴの思考システムを採用して、攻撃や復讐や防衛を正当化する者は誰でも、世界をそのための舞台だと見ている。逆に、この世界を弱肉強食の舞台だと見ている者は、同時に、攻撃と復讐と防衛は必須だと信じているのだ。これが、エゴの策略である。弱肉強食の世界にあって、攻撃と復讐と防衛に明け暮れしているかぎり、神の子の分離は安泰である。エゴの望む幻想は維持されるのだ。たとえば、国家という幻想が、軍事力を持つことで、あたかも独立を維持しているかに見える様もまた、同様の原理による。



Having projected his anger onto the world, he sees vengeance about to strike at him. 
  • project [prədʒékt] : 「〜を投影する、発射する、投げ出す」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • about to : 「まさに〜しようとしている」
  • strike [stráik] : 「攻撃を開始する、襲う、飛びかかる」
❖ "Having projected ~ "「彼の怒りを世界の上に投射することで、彼は、復讐がまさに彼を襲おうとしているように見えるのだ」。"he"「彼」とは、"anyone who holds attack thoughts"「攻撃的な思いを抱いている者」。攻撃的な思いを抱いている者は、心に怒りを抱いている。その怒りを、世界の上に投射する、つまり、八つ当たりするのだ。物に対してでも、人に対してでも構わない。怒りを投げつけ、攻撃態勢に入る。そうすると、逆に、世界は彼に対して防衛的な、あるいは復讐的な態勢に入る。彼は、世界が今にも攻撃して来るに違いないと見るのである。ここに恐れが生まれる。恐れは防衛本能を呼び覚まし、更なる攻撃性を求める。



His own attack is thus perceived as self defense. 
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」
  • defense [diféns] : 「防衛、防御」
❖ "His own attack ~ "「彼自身の攻撃は、こうして、自己防衛であるかのように知覚される」。世界が攻撃しかけてくるから、今度は、自分は防衛しなくてはならないと信じる。お分かりのように、堂々巡りなのだ。攻撃、防衛、復讐は、果てしなく堂々巡りを繰り返す。まさに、エゴの思うツボなのだ。



This becomes an increasingly vicious circle until he is willing to change how he sees. 
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • increasingly [inkríːsiŋli] : 「ますます、だんだんと、次第に」
  • vicious circle [víʃəs sə́ːrkl] : 「悪循環、いたちごっこ」
  • until [ʌntíl] : 「〜する時まで」
  • be willing to : 「進んで〜する、〜に前向きである、〜に気乗りする」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
❖ "This becomes ~ "「彼が(世界の)見方を変えようと意思しない限り、この(流れ)は、次第に悪循環になってしまう」。攻撃、防衛、復讐の堂々巡りは、恐れを介して悪循環と化し、当然ながら、すべては崩壊と死に向かう。人の命を奪わなかった戦争はないし、人の命を救った戦争もない。その悪循環の輪を断ち切るには、あなたのものの見方、世界に対する見方を変えなくてはならない。つまり、エゴの思考システムから脱却する必要があるのだ。分離を断ち切るホーリー・スピリットの思考システムを是が非でも採用する必要がある。



Otherwise, thoughts of attack and counter-attack will preoccupy him and people his entire world. What peace of mind is possible to him then?
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「さもなければ、そうしないと」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え」
  • counter-attack : 「逆襲、反撃」
  • preoccupy [priάkjupài] : 「〜の心を奪う、〜に偏見を抱かせる、〜を先取りする」
  • entire [intáiər] : 「全体の、全部の」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
❖ "Otherwise, thoughts ~ "ここの"people his entire world"は"people will preoccupy his entire world"として、「さもなければ、攻撃や逆襲という思いは、彼の心を占領するであろうし、人々が彼の世界全体を占領するであろう」。彼は、四六時中、攻撃と復讐の考えを抱き、その攻撃復讐の対象となる人々、つまり、攻撃してくるかも知れない人や彼が復讐しようとしている人のことが、彼の世界、彼の頭の中を占領してしてしまうのだ。"What peace of mind ~ "「そうなれば、いったいどんな心の平和が、彼にとって可能であろう」。攻撃と復讐の思い、そして、その対象となる人達によって、彼の心と頭が占領されてしまったら、どうして心の平和が得られようか。エゴの思考システムに従って世界を見ている限りは、真の心の平和は得られない。原理的に不可能なのだ。



2. It is from this savage fantasy that you want to escape. 
  • savage [sǽvidʒ] : 「凶暴な、残酷な、野蛮な、残忍な、殺伐とした」
  • fantasy [fǽntəsi] : 「想像、空想、妄想、幻覚」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
❖ "It is from this savage ~ "強調構文、「あなたが抜け出したいと望むのは、この野蛮な妄想からなのだ」。抜け出したいと願いつつも、抜け出せずに今日に至った、というのが現実であろう。そしてあなたは、このACIMに出会った。



Is it not joyous news to hear that it is not real? Is it not a happy discovery to find that you can escape? 
  • joyous [dʒɔ́iəs] : 「うれしい、喜びに満ちた、楽しい」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • discovery [diskʌ́vəri] : 「発見」
  • find [fáind] : 「発見する、見いだす、気付く、理解する」
❖ "Is it not joyous ~ "「野蛮な妄想は現実ではないと耳にすることは、喜ばしいニュースではないだろうか」。"Is it not a happy ~ "「野蛮な妄想からあなたは抜け出せるのだと知ることは、幸せな発見ではないだろうか」。攻撃も復讐も、そして防衛も、エゴが分離を維持するために画策した幻想であって、現実でも真実でもない。それを知ることが、脱出の第一歩である。ACIMは、真の意味で、福音書なのである。



You made what you would destroy; everything that you hate and would attack and kill. All that you fear does not exist.
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、粉砕する、荒廃させる」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • kill [kíl] : 「殺す、葬る、始末する」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている、生存する」
❖ "You made what you ~ "「あなたが破壊したいと思うことを、あなたは作ったのだ」。攻撃して破壊したいと思う相手を、あなたは勝手に妄想したのだ。"everything that you ~ "「あなたが嫌い、攻撃して殺したいと思うものすべては、あなたが作り出したものである」。弱肉強食のこの世界のすべて、あなたが敵だと思う者すべて、攻撃し破壊したいと望むものすべては、あなたがエゴの思考システムに騙されて、幻想、妄想した非現実である。"All that you fear ~ "「あなたが恐れるすべては、存在さえしない」。恐れそれ自体も、したがって、幻想であり、非実在である。



3. Look at the world about you at least five times today, for at least a minute each time. 
  • at least : 「少なくとも、最少に見ても」
❖ "Look at the world ~ "「今日は、日に少なくとも5回、その度に少なくとの1分間、あなたの周りの世界を見渡しなさい」。



As your eyes move slowly from one object to another, from one body to another, say to yourself:

        I see only the perishable.
        I see nothing that will last. 
        What I see is not real.
        What I see is a form of vengeance.
  • move [múːv] : 「動かす、移動する」
  • object [άbdʒikt] : 「物、物体」
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つ、もう一人」
  • perishable [périʃəbl] : 「傷みやすい、腐りやすい、壊れやすい」
  • last [lǽst] : 「続く、存続する、持続する」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • vengeance [véndʒəns] : 「復讐、仕返し、報復」
❖ "As your eyes move ~ "「視線をゆっくりと、物から物へ、人から人へ移しながら、あなた自身に次のように言い聞かせる」。"I see only  ~ "「私は、壊れゆくものを見ている」。"I see nothing ~ "「私は、永続出来ないものを見ている」。"What I see ~ "「私が見ているものは実在ではない」。"What I see ~ "「私の見ているものは、復讐の形をしている」。あなたが見ている世界は、物も肉体も、常に変化流動するものであって、変化流動は崩壊と死に向かう。壊れやすく、長続きするものではない。したがって、それは幻想であり、実在する現実ではない。この世界は分離を象徴する幻想で構成されており、いわば、攻撃と復讐を象徴する形、イメージをもっている。あなたが目にするものは、その攻撃と復讐のイメージなのだ。



At the end of each practice period, ask yourself:

        Is this the world I really want to see?

The answer is surely obvious.
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに」
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事、応答」
  • surely [ʃúərli] : 「疑いなく、しっかりと、確かに、確実に」
  • obvious [άbviəs] : 「明らかな、疑う余地のない」
❖ "At the end of ~ "「各練習の終わりには、あなた自身に次のように問いかけなさい」。"Is this the world ~ "「これは、私が本当に見たいと思っている世界だろうか」。"The answer is surely ~ "「答えは、自ずから明らかだ」。あなたが欲しているのはこの幻想世界ではない。意識しようが意識しまいが、あなたが求めている世界は実相世界なのだ。
 
 
 


W-pI.21.1:1 ~ W-pI.21.5:4

Lesson 21



I am determined to see things differently.
  • determined [ditə́ːrmind] : 「決心している、決然とした、やる気である」
  • be determined to : 「〜することを固く決心している」
  • differently [dífərəntli] : 「異なって、違って、そうではなく、別に」
❖ "I am determined ~ "「私は、異る視点で、ものを見ることを固く決心している」。多面的に見る、という意味ではない。幻想を実在と知覚する見方を離れて、虚偽を虚偽として、幻想を幻想として見極める実相的な見方をする決心をする、ということ。



1. The idea for today is obviously a continuation and extension of the preceding one. 
  • obviously [άbviəsli] : 「明らかに、明白に、明瞭に、一目瞭然で」
  • continuation [kəntìnjuéiʃən] : 「続き、連続、存続、延長、継続」
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
  • preceding [prisíːdiŋ] : 「〜に先行する、先立つ」
❖ "I am determined ~ "「今日のものの見方は、明らかに、前回のものの見方の継続であり拡張である」。前回は、"I am determined ~ "「私は、見ると固く決心している」であった。今回は、幾分、具体的な表現になっている。



This time, however, specific mind-searching periods are necessary, in addition to applying the idea to particular situations as they may arise. 
  • specific [spisífik] : 「明確な、はっきり限定された、具体的な、詳しい」
  • searching [sə́ːrtʃiŋ] : 「捜査、検索、探索、検査」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • in addition [ədíʃən] to : 「〜に加えて」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する」
  • particular [pərtíkjulər] : 「特定の、独特の、特段の、特有の、特殊な」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、情勢、事態」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
❖ "This time, however ~ "「しかし、今回は、特別な状況が生じたとき、その状況に今日のものの見方を適用することに加え、具体的な心の探査を行うことが必要とされる」。いつものように、あなたの心に苛立ちを起こさせるような特別な状況に遭遇したときに、今日のものの見方を適用することに加え、今日は、心の探査を行うとき、具体的な事象を探す必要がある。つまり、「〜ということに関して、私は異った見方をする決心をしている」と言えるように、具体的な対象を心の中に探すのだ。



Five practice periods are urged, allowing a full minute for each.
  • urge [ə́ːrdʒ] : 「促す、要請する、勧める」
  • allow [əláu] : 「割り当てる、配分する」
  • full minute : 「丸1分」
❖ "Five practice periods ~ "「各々、丸々1分間を割り当てて、5回の練習が推奨される」。



2. In the practice periods, begin by repeating the idea to yourself. 
  • begin by : 「〜から始める、まず〜する、初めには〜して」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
❖ "In the practice ~ "「練習は、今日のものの見方をあなた自身に繰り返して述べることから始める」。つまり、"I am determined to see things differently"「私は、異る視点で、ものを見ることを固く決心している」と、繰り返し述べるのだ。



Then close your eyes and search your mind carefully for situations past, present or anticipated that arouse anger in you. 
  • close [klóuz] : 「閉じる、閉める」
  • search [sə́ːrtʃ] : 「探す、捜索する」
  • carefully [kέərfəli] : 「注意深く、丁寧に、慎重に、入念に」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、情勢、事態」
  • past [pǽst] : 「過去の、昔の」
  • present [préznt] : 「現在の、今の」
  • anticipated [æntísəpèitid] : 「予想された、予期される」
  • arouse [əráuz] : 「刺激する、喚起する」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
❖ "Then close your ~ "「その後、目を閉じ、あなたの心の中に怒りを喚起するような、過去、現在、あるいは予期される状況を求めて、注意深くあなたの心の中を探査しなさい」。"anger"「怒り」と特定されているが、怒りに限らず、恐れや嫉妬、憎悪、苛立ち、悲しみ、等々の悪感情のすべてを探し出していいだろう。



The anger may take the form of any reaction ranging from mild irritation to rage. 
  • take the form of : 「〜となって現れる、〜の形になる」
  • reaction [riǽkʃən] : 「反応、応答」
  • range [réindʒ] from A to B : 「AからBへ及んでいる、AからBまで多岐にわたる」
  • mild [máild] : 「優しい、穏やかな、軽い」
  • irritation [ìrətéiʃən] : 「焦燥、苛立ち、立腹」
  • rage [réidʒ] : 「激怒、憤激、逆上、激しい怒り、激情、憤怒」
❖ 怒りに特定して述べると、"The anger may take ~ "「怒りは、穏やかな苛立ちから激怒に渡って、いろいろな反応の形をとるだろう」。憎しみなら、ちょっと憎らしいという程度から、心から憎くてしようがない、という度合いまで、様々な程度、形で観察されるだろう。それを見落とすことなく、心の中を探査する。



The degree of the emotion you experience does not matter. 
  • degree [diɡríː] : 「程度、度合い、レベル」
  • emotion [imóuʃən] : 「感情」
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • matter [mǽtər] : 「重要である、問題である」
❖ "The degree of ~ "「あなたが経験する感情の度合いが問題なのではない」。怒りが大きかろうが小さかろうが、それは問題ではない。すべては幻想が作り出した感情だから、幻想の大小に差はない。幻想であることが問題なのだ。



You will become increasingly aware that a slight twinge of annoyance is nothing but a veil drawn over intense fury.
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • increasingly [inkríːsiŋli] : 「ますます、だんだんと、次第に」
  • aware [əwέər] : 「気付いている、気が付いて、承知して、知って」
  • slight [sláit] : 「非常に小さい、極めて少量の、ほんのわずかな」
  • twinge [twíndʒ] : 「ズキズキする痛み、心のうずき、苦痛」
  • annoyance [ənɔ́iəns] : 「苛立たしさ、腹立ち、頭痛の種、苛立ちの元」
  • veil [véil] : 「ベール、覆い隠すもの」
  • drawn [drɔ́ːn] : 「drawの過去分詞形」
  • draw [drɔ́ː] : 「〜を引き出す、取り出す」
  • intense [inténs] : 「強烈な、激しい、非常に強い」
  • fury [fjúəri] : 「激怒、憤慨、憤激、激情」
❖ "You will become ~ "「苛立ちのちょっとしたうずきが、激しい怒りを隠すためのベールに過ぎないと、あなたは徐々に認識するようになるだどろう」。小さなうずきだと知覚される怒りでも、それは氷山の一角に過ぎず、水面下には巨大な怒りが潜んでいると認識出来るようになる。 その証拠に、何かあればすぐキレる。怒りに限らず、恐れも、憎悪も、無意識下の姿は予想以上に大きい。そういった幻想の実体が認識出来るようになる。
究極的には、恐れや怒りや憎悪の原点、その原型にまで辿ることが出来るようになる。つまり、神からの分離という原点に行き着くのだ。しかし、今はそこまで考えなくてよい。



3. Try, therefore, not to let the "little" thoughts of anger escape you in the practice periods. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • escape [iskéip] : 「〜の目にとまらない、注目されない、気づかれない」
❖ "Try, therefore ~ "「したがって、練習においては、そんな『小さな』怒りの思いがあなたに気付かれないようにさせておいてはいけない」。どんな小さな怒りでも、あなたの認識の網に引っかかるように、細心の注意をはらいなさい。



Remember that you do not really recognize what arouses anger in you, and nothing that you believe in this connection means anything. 
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • arouse [əráuz] : 「刺激する、喚起する、目覚めさせる、呼び起こす」
  • connection [kənékʃən] : 「つなぐこと、つながり、連結」
  • in this connection : 「これに関連して、この文脈では」
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
❖ "Remember that you ~ "「あなたの心の中で、何が怒りを喚起しているか、あなたは実際は認識出来ていないと、また、怒りに関連しているとあなたが信じているものは何の意味もないと、あなたは認識してはいないことを、覚えておくように」。幻想の怒りを知覚しているとは言え、怒りの本当の原因や、怒りに関連して生じる事象はすべて実相的に意味がないということを、あなたはまだ認識するとが出来ない。それを自覚しなさい。一言で言えば、あなたはまだ怒りの正体を認識出来ていないことを自覚しなさい、ということ。



You will probably be tempted to dwell more on some situations or persons than on others, on the fallacious grounds that they are more "obvious." 
  • probably [prάbəbli] : 「高い確実性で、十中八九は、恐らく」
  • tempt [témpt] : 「〜する気にさせる」
  • dwell [dwél] : 「ある、宿る、残る、存在する、くよくよ考える」
  • dwell on : 「〜をくよくよ考える、こだわる、思案する」
  • fallacious [fəléiʃəs] : 「誤った、人を惑わす、虚偽の、当てにならない」
  • ground [ɡráund] : 「根拠、原因、理由」
  • obvious [ɑ́bviəs] : 「明らかな、疑う余地のない、見え透いた、露骨な」
❖ "You will probably ~ "「あなたは多分、〜という根拠によって、何かの状況や人を他の状況や人よりもこだわって考えたい誘惑に駆られるだろう」。"on the fallacious ~ "「それらがより『明白である』という誤った根拠によって、」何かの状況や人を他の状況や人よりもこだわって考えたい誘惑に駆られるだろう。人は不思議なもので、距離的に離れている他者に対してよりも、より近い他者に怒りを感じるものだ。たとえば、テレビで報じられる汚職議員に対して感じる怒りよりも、隣に住んでいる他人が、その庭木の枝をあなたの庭にまで延ばしていることに対して、より一層の怒りを感じたりするのだ。怒りの原因がより『明白』であり、原因に関連して起こる事態がより『明白』だと感じるからだ。あなたの生活により直接的に関係する状況や人に対して抱く怒りに対して、あなたは、より大きなこだわりをもって考える傾向にある。



This is not so. It is merely an example of the belief that some forms of attack are more justified than others.
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • example [iɡzǽmpl] : 「例、実例、実施例、用例」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」
❖ しかし、"This is not ~ "「これは正しくはない」。より明白な身近な怒りが重要で、距離のある状況や人に対する怒りはあまり重要でない、ということはない。"It is merely ~ "「それは、何らかの形の攻撃は、他の攻撃よりも、より正当化されると信じている、単なる例に過ぎない」。先の庭木の例では、庭木の枝を自分の庭まで延ばした隣人が悪いのであって、それに対して怒りを感じるあなたは正当だと思うのである。したがって、怒りを露(あらわ)にして、隣人に文句を言うという攻撃行為は正当化される、というわけだ。ところが、むしゃくしゃしたので、酔った勢いで他人を殴ってしまうという攻撃はどうか? どう考えても、これは正当化出来ない。攻撃はどんな形でも幻想なのだが、幻想世界にあっては、正当化出来る攻撃と正当化出来ない攻撃があると、我々は信じている。極端な場合、司法の世界にあっては、自己防衛は法律的に正当化されるのだ。しかし、実相世界からの視点で見れば、あらゆる攻撃は、たとえそれが正当防衛であっても、すべて幻想なので、虚偽である。攻撃性を正当だと見なす実相的真実は何もない。怒りも攻撃も、実相的な意味はないのだ。正当化出来ようが、正当化出来まいが、それは無関係だ。



4. As you search your mind for all the forms in which attack thoughts present themselves, hold each one in mind while you tell yourself:

        I am determined to see ______ [name of person] differently.
        I am determined to see ______ [specify the situation] differently.
  • present [préznt] : 「示す、提示する」
  • present oneself : 「現れる、出頭する、出席する」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • specify [spésəfài] : 「〜を明確に述べる、明記する、規定する」
❖ "As you search ~ "「攻撃的な思いが自己を表現するあらゆる形を心の中に探し、」攻撃的な思いがとるあらゆる形を心の中に探査し、それを見つけたら、"hold each one ~ "「その一つ一つを心の中に保持しながら、次のようにあなた自身に言いなさい」。"I am determined ~ "「私は、異る視点で、(特定の人物の名を挙げて)〜を見ることを固く決心している」。"I am determined ~ "「私は、異る視点で、(具体的に状況を述べて)〜を見ることを固く決心している」。たとえば、庭木の枝を伸ばした隣人に対して怒りを感じているが、その隣人を、私は異った視点から見ることを決心する、というように宣言すればいい。怒りを感じていることは幻想であって、隣人も木の枝も怒りも、夢の中のことであって、夢から覚めて真実を見れば、そこには何も存在していない。幻想を幻想的な視点から見るのではなく、幻想を実相的な視点から見る決心をしたと、宣言するのである。



5. Try to be as specific as possible. You may, for example, focus your anger on a particular attribute of a particular person, believing that the anger is limited to this aspect. 
  • specific [spisífik] : 「明確な、はっきり限定された、具体的な」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • for example : 「例えば、例として」
  • focus [fóukəs] : 「〜を焦点に合わせる、集中させる」
  • particular [pərtíkjulər] : 「特定の、独特の、特段の、特有」
  • attribute [ǽtrəbjùːt] : 「特質、特性、性格」
  • limit [límit] : 「〜を限定する、〜を制限する」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
❖ "Try to be as ~ "「出来るだけ、具体的であるように努めること」。抽象的な怒りを対象とするのではなく、具体的な怒りに注目するのである。"You may, for example ~ "「たとえば、あなたは、〜だと信じて、ある特定の人物の特定の性質に怒りを集中しているかもしれない」。"believing that ~ "「怒りが、この(特定な性質に)限られていると信じて、」ある特定の人物の特定の性質に怒りを集中しているかもしれない。たとえば、先の庭木の例で、あなたは、隣人という特定な人物に怒りを感じているが、その隣人が、庭木があなたの庭にはみ出したことに関してずぼらで無責任な態度をとっていることに腹を立てているのだ。つまり、隣人の特定な性質に怒りを覚えている。このずぼらで無責任な性質に対して怒りが限定されていると思っている(the anger is limited to this aspect)。だから、もし隣人が「あら、ごめんなさいね。近いうちに枝をきりますから」と言ってくれれば、あなたは何の怒りも感じなくてすむのだ。庭木に怒りを感じているのではなく、隣人の特定な性質に怒りを感じていることがわかる。
抽象的な怒りを対象とするのではなく、具体的な怒りに注目するのである、と言ったが、怒りを抽象的に扱うなと言う意味ではなく、扱い方の方向性を具象から抽象へ向かわせよ、という意味である。まず初めに、具体的な怒りに目を向け、様々な形の怒りを検証するのである。その後、あらゆる怒りは形こそ異れ、すべて同じ幻想であると、怒りを幻想として抽象化するのだ。なぜなら、あなたの知覚は、怒りという幻想を、その具体的な形として捉えており、抽象化した幻想というひと括(くく)りのものとして捉えることが出来ないからだ。知覚が未熟なのである。あるいは、次の文にあるように、あなたの知覚は歪んでいる。



If your perception is suffering from this form of distortion, say:

        I am determined to see ______ [specify the attribute] 
        in ______ [name of person] differently.
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる、不快な経験をする」
  • distortion [distɔ́ːrʃən] : 「ゆがみ、ねじれ」
❖ "If your perception ~ "「もしあなたの知覚が、この歪みの形によって苦痛を感じているなら、次のように言えばよい」。あなたの知覚が表面的な形にとらわれて、そこに苦痛を感じているようなら、つまり、特定の人物の特定な性質にこだわって、そこに怒りを知覚しているようなら、次のように宣言すればよい」。"I am determined ~ "「私は、(特定の人物の名を挙げて)〜の、(その人物の性質を具体的に述べて)〜を、別の視点から見ることを固く決意している」。たとえば、先の例で、「わたしは、隣人のずぼらで無責任な性質を、別の視点から見ることを固く決意している」となる。別の視点とは、もちろん、実相的な視点のこと。つまり、ずぼらで無責任な隣人を、あなたの知覚が幻想的な視点で眺めている結果として怒りを感じるのであって、この歪んだ知覚を修正して、実相的な視点で眺めれば、隣人は幻想の中のイメージに過ぎないと見て取れて、ずぼらな無責任さも幻想だとわかるのだ。
お気付きと思うが、これがACXIMの『赦し(forgiveness)』に繋がる。つまり、隣人も幻想なら、ずぼらな無責任さも幻想だと見ることが出来れば、いったいあなたの怒りには意味があるだろうか? 夢の中の出来事を夢の中の視点から眺めれば怒りも感じるだろうが、夢から覚めた視点で見れば、怒りなど感じるわけがない。こうして、あなたの怒りは幻想と受け入れられ、受け流されて、消滅するのだ。これが、ACIMの『赦し』である。
とは言え、言うは易く行うは難し、である。車を運転していれば、決まってむかつくヤツがいる。その度に、この野郎!、と怒鳴るのが日常である。そんな時は、いや、あの野郎は幻想であって、屁にも満たない影である、怒るに値しない、と思って受け流してしまえばいい。赦してしまうのである。そうすれば、あなたの怒りは消え、その野郎もどこかへ消えていなくなる。少なくとも、あなたの心から、その馬鹿野郎は消える。ACIMが言うように、この幻想世界は赦しの実践訓練の場なのだ。幻想世界をうまく利用するべきだ。むかつくヤツが現れたら、ようし、赦しの実践訓練をしよう、と思えばいいのである。チャンスを無駄にすべきではない。馬鹿野郎が現れたら、あなたの赦しの実験材料だと思えばいい。
 
 
 



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